教科書

はじめての講義シリーズ

リハビリテーションのための神経内科学の学び方

  • 新刊

: 今井富裕
ISBN : 978-4-524-24654-0
発行年月 : 2021年3月
判型 : B5
ページ数 : 306

在庫あり

定価5,280円(本体4,800円 + 税)

  • お気に入りに登録
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

リハビリテーションを学ぶ学生のために、神経内科学を効率的に学べるよう簡潔にまとめたテキスト。国家試験出題基準を網羅しつつも、解説に軽重をつけることによって通読しやすい構成となっている。画像だけでは想像しがたい臨床像を、著者の自験例を示すことによりわかりやすく提示。また、豊富なコラムは学生の知識の定着を助ける。神経内科学の入門教科書の決定版。

第1章 臨床診断の基礎
 1-1.病歴・問診
 1-2.訓練室で診る神経学的フローチャート
 1-3.臨床検査セレクション
第2章 脳血管障害
 2-1.虚血性
 2-2.出血性
第3章 高次脳機能障害(脳血管障害,頭部外傷,脳腫瘍)
 3-1.失語症
 3-2.記憶障害(健忘)
第4章 認知症
 4-1.Alzheimer型認知症
 4-2.Lewy小体型認知症
 4-3.前頭側頭葉変性症
 4-4.血管性認知症
 4-5.認知症の予防と治療
 4-6.特発性正常圧水頭症
第5章 変性疾患
 5-1.Parkinson病と関連疾患
 5-2.脊髄小脳変性症
 5-3.運動ニューロン疾患
第6章 脱髄疾患
 6-1.炎症性・自己免疫性脱髄疾患
 6-2.代謝性脱髄疾患
第7章 末梢神経疾患
 7-1.絞扼性ニューロパチー
 7-2.糖尿病性ニューロパチー
 7-3.家族性アミロイドポリニューロパチー
 7-4.免疫介在性ニューロパチー
 7-5.遺伝性ニューロパチー
 7-6.末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺)
第8章 筋疾患
 8-1.筋ジストロフィー
 8-2.先天性ミオパチー
 8-3.ミトコンドリア脳筋症
 8-4.皮膚筋炎・多発性筋炎
 8-5.神経筋接合部疾患
第9章 神経感染症
 9-1.髄膜炎・脳炎
 9-2.脳膿瘍
 9-3.神経梅毒
 9-4.Creutzfeldt-Jakob病
 9-5.HTLV-1関連脊髄症
 9-6.急性灰白髄炎(ポリオ)・ポリオ後症候群
 9-7.ライム病(神経ボレリア症)
 9-8.帯状疱疹
第10章 機能性疾患
 10-1.けいれん
 10-2.頭痛
 10-3.めまい
第11章 代謝・中毒性疾患
 11-1.先天代謝異常症
 11-2.Wernicke脳症
 11-3.中毒性神経障害
第12章 脊椎・脊髄疾患
 12-1.脊椎疾患
 12-2.脊髄血管障害
 12-3.脊髄空洞症
 12-4.脊髄損傷
第13章 内科疾患に伴う神経疾患
 13-1.内分泌疾患
 13-2.血液疾患
 13-3.膠原病あるいは自己免疫機序が疑われる疾患
 13-4.悪性腫瘍
 13-5.ビタミン欠乏症
 13-6.胸腹部内臓疾患
第14章 小児神経疾患
 14-1.脳性麻痺
 14-2.染色体異常
 14-3.母斑症
 14-4.分娩麻痺
 14-5.二分脊椎
 14-6.小児てんかん
 14-7.先天代謝異常症
索引

序文

 リハビリテーションにかかわる理学療法士(PT)や作業療法士(OT)を目指す学生がはじめて神経内科学を学ぶ時に使う新しい教科書を作りたい。これが本書を執筆しようと思ったきっかけです。一般に、これまでの神経内科学の教科書は総論と各論に分かれており、前半の総論には、神経解剖・神経生理などの基礎医学、神経学的診察や臨床検査などの臨床神経学の基礎が盛り込まれていました。したがって、教科書を半分読んだところで、ようやく将来リハビリテーションの対象になるであろう疾患や患者さんに出会うことができる構成になっていました。これでは、教科書を辞書や百科事典のように使うしかありません。頭から小説やエッセイを読むように通読するにはかなりの努力が必要です。
 小説やエッセイにはストーリーがあります。ストーリー性こそが勉学の意欲を持続させ、読後に記憶に残るように通読できるかどうかの鍵だと私は考えます。しばしば、「臨床を学ぶ者にとって、患者さんは最高の教師である」といわれます。本書では、簡潔にまとめられた疾患解説の後、直ちにそれぞれのストーリーを持った患者さんが「Case」として登場します。読者は実際のカルテから書き出された「Case」を読むことによって、患者さんの臨床像を思い浮かべることができます。その後しっかりとした知識が残るように、各症例の臨床所見を「Case Summary」として、各疾患に関連する重要事項を「Clinical Essence」として、リハビリテーションに関連する事項を「PT/OT Summary」としてまとめました。
 実際の講義では、長時間集中し続けるのは容易ではありません。気分転換するためだけではなく、その時の講義内容が印象に残るように、私の講義はしばしば本線から脱線します。実は講義を受けた学生が卒業後に最も記憶している内容が、この脱線中に講義したストーリー性の高い関連事項であることが多いのです。これらの物語は時に感銘となって心に残っているようです。本書では、それらを「Story」として各章にちりばめました。
 学問的な知識は、2つにレベル区分し、ぜひ身につけておきた知識を「Basic seminar」として、より専門性の高い最新の知識を「Advanced seminar」として解説しました。
 章末にはオリジナルの練習問題が掲載されています。各章での重要事項が身についているかどうかチェックするためです。もし解けなかった時には、解説を読みながら、当該頁を振り返ってください。しっかりした知識が身につきます。
 もし本書を手にしているあなたが国家試験の過去問や模擬問題を解いている受験生ならば、多くの語句が掲載されている巻末の索引の活用をお勧めします。もし卒業生のあなたが目の前にいる患者さんについて調べたいのならば、第1章を開いてください。疾患名がわからない場合でも第1章のガイダンスに患者さんの症状や検査所見を当てはめれば、本書のどこを読めばよいかわかるはずです。ほしい知識がすぐに手に入ります。
 ようこそ、神経内科学の新しい学び方へ

2021年2月吉日
今井富裕