看護学テキストNiCE
成人看護学 成人看護学概論改訂第3版
社会に生き世代をつなぐ成人の健康を支える
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 林直子/鈴木久美/酒井郁子/梅田恵 |
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ISBN | : 978-4-524-24176-7 |
発行年月 | : 2019年3月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 310 |
在庫
定価2,640円(本体2,400円 + 税)
正誤表
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2019年04月11日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
成人看護学の基盤となるテキストの改訂第3版。成人の身体、心理、社会的特徴を、個体としての成長発達の視点と、文化・社会的環境の視点から解説。図表を豊富に用いて、視覚的な理解を促す。今改訂では、新知見、各種統計等に対応。変化していく社会・医療の状況をふまえ、「地域包括ケア」「認知症対策」「健康格差」「ストレスチェック制度」「LGBT」などの最新の話題を盛り込んだ。
第I章 成人とは
1.「成人」とは
A.成人の定義
B.成人の理解の視座
2.成人期の特徴
A.成人の心身の特徴と変化
B.ライフサイクルからみた成人期の特徴と発達課題
C.社会との相互作用からみた成人期の特徴
D.文化のなかで生きる成人
第II章 成人をとりまく今日の状況
1.家族をめぐる状況
A.家族形態の特徴とその変化
B.少子化とその原因
C.家族形態の変化に伴う問題
2.仕事をめぐる状況
A.産業構造と労働環境の変化
B.若年層における特徴と問題
C.団塊および団塊ジュニア世代における特徴と問題
D.女性における特徴と問題
3.日常生活スタイルの変化
A.食事
B.睡眠と余暇
C.嗜好と依存症
D.住環境
4.環境問題の深刻化
A.公害問題から地球環境問題へ
B.日本の大気環境・水質環境・土壌環境の状況
C.地球温暖化と防止対策に向けた取り組み
D.資源循環型社会の構築に向けて
5.死生観の変容
A.日本人の来世信仰
B.日本における霊魂感の特殊性
C.現代人にもアニミズムの感覚はある?
D.時代によって変わる「あの世」との付き合い方
E.「むき出しの死」を超える人と人との絆
第III章 成人期にある人の健康
1.健康とは
A.看護における「健康」概念の位置づけ
B.WHO憲章の健康の定義
C.WHO憲章以降の「健康」概念の進展
D.成人の健康とは
2.成人保健と今日の健康動向
A.人口構成
B.平均寿命と健康寿命
C.疾病の概況
3.保健・医療・福祉政策と今日の健康課題
A.ヘルスプロモーションとは
B.地域包括ケア
C.がん対策
D.認知症対策
4.生活習慣に関連する健康障害−生活習慣病
A.生活習慣と健康
B.生活習慣病
5.職業に関連する健康障害−職業疾患
A.労働者の健康にかかわる主な法律
B.職業に起因する健康障害
C.労働者の健康に影響を及ぼす要因
D.過重労働による健康障害とその防止対策
6.生活ストレスに関連する健康障害
A.成人期のストレス
B.ストレスと健康障害
7.セクシュアリティ・更年期に関連する健康障害
A.セクシュアリティに関連する健康障害
B.更年期に関連する健康障害
第IV章 成人期にある人を看護するための基本的な考え方
1.関係を結ぶ
A.ケアリングに基づいた関係
B.エンパワメントをめざす
C.パートナーシップを構築する
2.適応を促す
A.ストレス・コーピングを支える
B.危機的状況からの回復を支える
C.喪失と悲嘆を支える
D.自己決定を支える
3.発達を促進する
A.成人のセルフケアを育む
B.セルフ・エフィカシーを高める
C.成人学習を促進する
4.統合を支援する
A.家族とともに生きる成人を支援する
B.成人が身をおく文化を尊重する
C.成人が社会に支えられ,社会に貢献することを支援する
第V章 健康状態に応じた看護
1.ヘルスプロモーション,ヘルスプロテクション−健康の保持・増進,疾病の予防に向けた看護
A.保健行動と行動変容
B.生活習慣病の予防対策
C.高齢者医療確保法における特定健康診査と特定保健指導
D.定期健康診断と保健指導
E.職業疾患とその予防
F.快適な職場環境づくり
2.健康状態が急激に変化し急性の状態にある人への看護
A.健康状態が急激に変化し急性の状態にある人とは
B.急性期看護とは
C.周手術期看護とは
D.救急看護・クリティカルケアとは
E.急性の状態にある患者と家族に対する看護
3.生活機能障害のある人への看護(リハビリテーション看護)
A.生活機能と生活機能障害
B.リハビリテーションとは
C.リハビリテーションを展開するための基本的な考え方
D.リハビリテーションを必要とする人への看護
4.慢性的な経過をたどる健康障害を有する人への看護
A.慢性的な経過をたどる健康障害
B.慢性疾患を有する人の特徴
C.慢性疾患を有する人への看護
5.人生の最終段階にある人への看護
A.成人の死の要因
B.最期を迎える場所
C.最期を迎える人の身体的な変化
D.最期を迎える人の心の変化
E.最期のときを迎える人や家族への看護
第VI章 成人看護を充実させる実践的環境
1.看護者の倫理綱領と成人看護
A.人権とは
B.看護者の倫理綱領
C.個人情報の保護
D.さまざまな状況における患者擁護
2.専門職間の連携と協働
A.専門職間の連携・協働とは
B.専門職間の連携・協働におけるグランドルール(原則)
C.専門職間の連携・協働を実践するための力
D.保健・医療・福祉の場におけるさまざまなチーム
3.医療安全
A.「医療の質」とは何か
B.「医療の質」評価と質向上の方法
C.医療の質向上とセーフティ・マネジメント
4.質の高い看護実践のための人材育成
A.専門看護師
B.認定看護師
付録
索引
はじめに
本書『看護学テキストNiCE成人看護学成人看護学概論−社会に生き世代をつなぐ成人の健康を支える』の初版が刊行されてから、早いもので8年が経過しました。本書は、成人期にある人の身体的、心理的特徴、ならびに成人期にある人がおかれている社会的環境と健康問題について、成長発達の視点と社会文化的視座からとらえています。このような視点で解説することで、“世代をつなぐ”成人期にある人への看護の基本を、より具体的かつ実践的で理解しやすい書となるよう努めてきました。また看護基礎教育課程で学ぶ学生が親しみやすい書となるよう、概念・理論を丁寧に記述し、健康状態に応じた看護を解説しています。
第2版の刊行から4年余りが経過し、お陰をもちまして初版に続きこれまで多くの看護系大学、専門学校等でご活用いただいてきました。この間にも日本各地で相次いで発生した自然災害、高齢化率のいっそうの上昇、主要4死因の入れ替わり、非正規雇用者の増加と賃金格差の拡大など、成人を取り巻く健康・生活環境は変化し続けました。政策としても、第3期がん対策推進基本計画の策定、健康日本21(第2次)の中間評価、認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)の策定、地域包括ケアシステムの構築の推進など成人期から老年期世代を主な対象とした施策が数多く行われてきました。そこで、多様に変化する社会のなかで生きる成人期の人々の健康と看護を理解するうえで必要となる新たな知見とさまざまな統計、関連法規を盛り込み、このたび改訂第3版を刊行いたしました。
本改訂第3版は、第2版までのコンセプトを生かしつつ、医療の現状や現在施行されている制度に合致するよう一部構成を変更し、新規項目を追加しました。具体的には、第III章「成人期にある人の健康」に保健医療福祉政策として地域包括ケア、認知症対策の項を新たに設定し、当事者あるいは家族の介護者としての成人期の人がおかれている状況を学べるよう内容を充実させました。また慢性長期的経過をたどる疾患とともに生きる患者の増加から、第IV章「成人期にある人を看護するための基本的な考え方」に「セルフ・エフィカシーを高める」を追加しました。
本書が、前版に引き続き看護基礎教育課程で学ぶ学生の皆さんの学修の一助となることを、また学生の教育・指導に携わる教員諸氏の道標となることを願っております。
2019年3月
林直子
鈴木久美
酒井郁子
梅田恵