教科書

看護学テキストNiCE

成人看護学 急性期看護I 概論・周手術期看護改訂第3版

編集 : 林直子/佐藤まゆみ
ISBN : 978-4-524-24163-7
発行年月 : 2019年3月
判型 : B5
ページ数 : 434

在庫あり

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

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  • 序文

急性期看護概論および周手術期看護のテキストの改訂第3版。13の事例を通して、重要な疾患・病態・術式から、周手術期の看護を具体的に学ぶことができる。事例患者の情報を整理した情報関連図や、術後の一般的経過と看護をまとめた表で、視覚的にも理解しやすく編集。今版では、新たに3事例を追加したほか、一般的看護と事例に即した看護とを同時に学習できるよう内容を整理した。

第1部 急性期看護概論
 1.急性期看護とは
  A.急性期とは
  B.急性期看護の概念
  C.急性期看護とクリティカルケア
 2.急性の状態にある患者の身体的・心理的反応
  A.急性の状態を生じる原因
  B.患者が体験する侵襲
  C.ショック
  D.急性の状態にある患者と家族の心理的反応
  E.急性の状態にある患者と家族を理解するための概念
 3.急性の状態にある患者と家族に対する看護
  A.患者と家族のニーズ
  B.患者と家族に対する看護
第2部 周手術期看護
 第I章 周手術期看護とは
  1.周手術期にある患者の特徴
   A.身体的特徴
   B.心理的特徴
   C.手術における侵襲とそれに対する生体反応
   D.心理的回復過程
   E.術後の回復過程への影響要因
  2.周手術期にある患者の家族の特徴
  3.周手術期看護とは
   A.周手術期とは
   B.手術の種類と適応
   C.周手術期看護とは
   D.周手術期医療における倫理
 第II章 手術前期の看護
  1.手術前期の看護とは
   A.手術前期の看護とは
   B.看護目標と看護問題
  2.手術前期の看護の実際
   A.術前検査と看護援助
   B.情報収集とアセスメント
   C.術前準備
   D.手術前日の看護
   E.手術当日の看護
 第III章 手術期の看護
  1.手術期の看護とは
   A.手術期のプロセスと看護
   B.手術室看護師の役割
   C.手術室看護師が行うアセスメントと看護
   D.手術室環境
  2.手術期の看護の実際
   A.麻酔導入時の看護
   B.手術中の看護
   C.手術中の家族への援助
   D.手術終了時の看護
 第IV章 手術後期の看護
  1.手術後期の看護とは
   A.看護目標と看護問題
   B.回復室で生じうる問題と観察のポイント
   C.病棟看護師への報告
   D.帰室直後の患者の状態
  2.意識レベルのアセスメントと看護
   A.意識レベルのアセスメント
   B.意識障害の発症機序
   C.意識障害発症時の看護
  3.呼吸状態のアセスメントと看護
   A.呼吸状態のアセスメント
   B.呼吸器合併症の発症機序
   C.合併症予防,合併症発症時の看護
  4.循環動態のアセスメントと看護
   A.循環動態のアセスメント
   B.主な循環器合併症の発症機序
   C.合併症予防,合併症発症時の看護
  5.疼痛のアセスメントと看護
   A.術後疼痛の原因
   B.術後疼痛のアセスメント
   C.術後疼痛の緩和
  6.術後感染のアセスメントと看護
   A.創傷治癒過程と手術部位感染
   B.手術部位感染のアセスメントと看護
   C.遠隔部位感染のアセスメントと看護
  7.消化器系合併症のアセスメントと看護
   A.術後イレウスとは
   B.術後イレウスの分類と発症機序
   C.術後イレウスのアセスメントと看護
  8.術後精神状態(術後せん妄)のアセスメントと看護
   A.術後せん妄とは
   B.術後せん妄のアセスメント
   C.術後せん妄の予防と発症時の看護
  9.早期離床の促進
   A.早期離床による身体への影響
   B.早期離床の禁忌と離床の進め方
  10.日常生活の援助と心理的援助
   A.日常生活の援助
   B.心理的援助
 第V章 退院に向けた指導・支援
  1.退院に向けた指導・支援とは
   A.退院に向けた指導・支援の目的
   B.退院に向けた指導・支援の流れ
  2.退院に向けた指導・支援の実際
   A.情報収集・アセスメント
   B.退院指導・支援計画の立案
   C.指導・支援の実際
   D.指導・支援における重要点
   E.退院後の指導・支援
 第VI章 事例で考える周手術期看護
  1.統制機能(脳神経機能)の再確立−開頭腫瘍摘出術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.脳の位置・構造と機能
   B.手術適応となる脳疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   事例の概要2:術後(開頭腫瘍摘出術)
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  2.呼吸機能の再確立−肺葉切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.呼吸器の位置・構造と機能
   B.手術適応となる肺疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  3.循環機能の再確立−冠動脈バイパス術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.心臓の位置・構造と機能
   B.手術適応となる心疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  4.摂取機能の再確立(1)−食道切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.食道の位置・構造と機能
   B.手術適応となる食道疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  5.摂取機能の再確立(2)−胃切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.胃の位置・構造と機能
   B.手術適応となる胃疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  6.消化機能の再確立(1)−肝切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.肝臓の位置・構造と機能
   B.手術適応となる肝疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   事例の概要2:術後(肝前区域切除術)
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  7.消化機能の再確立(2)−胆嚢摘出術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.胆道系の位置・構造と機能
   B.手術適応となる胆道系疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  8.運動機能の再確立−人工股関節全置換術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.股関節の位置・構造と機能
   B.手術適応となる股関節疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  9.生殖機能の再確立(1)−乳房部分切除術
   A.乳房の位置・構造と機能
   B.手術適応となる乳房疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  10.生殖機能の再確立(2)−子宮摘出術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.子宮の位置・構造と機能
   B.手術適応となる子宮疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  11.排泄機能の再確立(1)−低位前方切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.直腸の位置・構造と機能
   B.手術適応となる大腸疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  12.排泄機能の再確立(2)−経尿道的前立腺切除術
   事例の概要1:入院〜術前
   A.前立腺の位置・構造と機能
   B.手術適応となる前立腺疾患
   C.術式の種類
   D.術前看護
   E.術後看護
   F.退院オリエンテーション
  13.排泄機能の再確立(3)−腎移植
   事例の概要1:(レシピエントの場合):入院〜術前
   A.腎臓の位置・構造と機能
   B.手術適応となる腎疾患(レシピエントの場合)
   C.術式の種類(レシピエント手術)
   D.レシピエントに対する術前看護
   E.レシピエントに対する術後看護
   F.レシピエントに対する退院オリエンテーション
   G.生体腎移植ドナーの適応
   H.術式の種類(ドナー手術)
   I.ドナーに対する術前看護
   J.ドナーに対する術後看護
   K.ドナーに対する退院オリエンテーション
練習問題 解答と解説
索引

はじめに

 本書『看護学テキストNiCE成人看護学急性期看護I−概論・周手術期看護』の初版が2010年8月に刊行されてから、早いもので9年近くが経ちました。本書は、看護基礎教育課程にある学生が理解しやすいよう、事例を多く取り入れ、実践に即した内容で急性期看護の基礎を学習できることを目指して構成しております。とくに「事例で考える周手術期看護」では、具体的な事例を軸に、事例患者の状況を整理しやすいよう情報関連図の詳細を示し、術前・術後看護について解剖生理から疾患、治療法とともに学習できるよう解説を付しているところは、本書の大きな特長です。お陰をもちまして、初版刊行以来、本書は多くの教育機関でご使用いただき、必要な知識がコンパクトにまとまった講義・実習で活用しやすいテキストとして、多くのご支持をいただいてきました。その後、診療ガイドラインの改訂、ロボット支援手術の件数の増加など、周手術期医療・看護を取り巻く近年のめまぐるしい変化に対応するべく、2015年に改訂第2版を刊行しました。
 改訂第2版の刊行後も急性期医療、ことに周手術期の治療・看護は変化し続け、低侵襲手術の適用の拡大と在院日数の短縮、それに伴う外来診療・看護への役割のシフトなど、看護基礎教育課程の学生が臨床実習などで遭遇する患者の状況や治療・看護の場面も様変わりし、こうした状況に呼応するべく教授内容を変えていくことが求められています。加えて、平成30(2018)年版の「看護師国家試験出題基準」は、急性期看護、クリティカルケアにかかわる知識がいっそう求められる内容に改定されました。そこで本改訂第版では、第2版までのコンセプトを生かしつつ、新たな治療法や診断基準、最新のガイドラインなどに応じた内容となるよう改めました。また周手術期の患者の心身の特徴と家族の特徴(第2部第I章)、周手術期の看護の流れ(第2部第II〜IV章)についてよりわかりやすくなるよう構成を見直し、必要な内容を新たに追加しました。第2部第VI章「事例で考える周手術期看護」では、食道切除術、肝切除術、腎移植の3事例を新たに追加し、過大侵襲を伴う手術を受ける患者の看護について充実させました。
 以上のような改訂の方向性は、前回の改訂時と同様に、本書をご使用くださっている皆様からのご意見をもとに、改訂内容を精選し決定しております。今後も読者の皆様と編著者との双方向のかかわりのなかで本書が成熟していくことを願っております。初版、改訂第2版に引き続き、本改訂第3版が看護基礎教育課程で学ぶ学生の皆様、ならびに学生の教育・指導に携わる教員諸氏の一助となれば幸いです。

2019年2月
林直子
佐藤まゆみ