看護学テキストNiCE
病態・治療論[7] 腎・泌尿器疾患
こちらの商品は改訂版・新版がございます。
編集 | : 竹田徹朗/鈴木和浩/岡美智代 |
---|---|
ISBN | : 978-4-524-23747-0 |
発行年月 | : 2018年10月 |
判型 | : B5 |
ページ数 | : 232 |
在庫
定価2,200円(本体2,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文
専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の腎・泌尿器疾患編。医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。・さまざまな症状を理解できる、・診断の進め方・考え方がわかる、・臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視して構成している。
腎・泌尿器領域の主な略語一覧x
腎・泌尿器領域の主な検査の基準値・正常値
慢性腎臓病(CKD)の重症度分類(GFR区分)
1 腎疾患
なぜ腎疾患について学ぶのか
1 医師の立場から
2 看護師の立場から
第I章 腎臓の機能と障害
1 腎臓の構造と機能
1 腎臓の構造
2 腎臓の機能
2 体液バランスと腎臓の役割
1 腎臓の役割
2 腎機能の指標
3 体液と血漿の関係
3 腎臓の障害と症状
1 糸球体障害と症状
2 尿細管障害と症状
3 腎機能低下(GFR低下)と症状
4 体液バランス障害(水,電解質,酸塩基平衡)と症状
第II章 腎疾患の診断・治療
1 腎疾患の見方・考え方
1 臨床症候からみた診断
2 腎機能を時間軸からみた診断名
2 腎疾患の主な症状と診断
3 腎臓の検査
4 腎疾患の治療
1 食事・栄養療法
2 薬物療法
3 運動療法(腎臓リハビリテーション[腎リハ])
4 腎代替療法(透析療法と腎移植)
第III章 腎疾患 各論
1 急性糸球体腎炎
2 慢性糸球体腎炎(IgA腎症)
3 ANCA関連腎炎
4 ネフローゼ症候群
5 糖尿病性腎症
6 高血圧による腎障害(腎硬化症)
7 ループス腎炎
8 多発性嚢胞腎
2 泌尿器疾患
なぜ泌尿器疾患について学ぶのか
1 医師の立場から
2 看護師の立場から
第IV章 泌尿器の機能と障害
1 泌尿器の構造と機能
1 尿路・副腎の構造と機能
2 男性生殖器の構造と機能
2 排尿の仕組み
3 泌尿器の障害と症状
1 蓄尿・排尿機能の障害と症状(下部尿路症状)
2 男性性機能の障害と症状
3 泌尿器の障害でみられる主な症状
第V章 泌尿器疾患の診断・治療
1 泌尿器症状からの診断過程
2 泌尿器の検査
3 泌尿器疾患の治療
4 排尿管理
第VI章 泌尿器疾患 各論
1 先天性尿路疾患
2 尿路性器感染症
3 尿失禁,神経因性膀胱
4 前立腺肥大症
5 尿路結石症
6 尿路閉塞,水腎症
7 精索捻転症
8 前立腺がん
9 腎がん
10 尿路上皮がん(膀胱がん,腎盂・尿管がん)
11 精巣腫瘍
12 尿路・性器外傷
13 副腎・後腹膜の疾患
14 性機能障害
15 男性不妊症
索引
はじめに
腎-泌尿器系の臓器は、人のホメオスタシスを保つための体液調節に重要な役割を果たしている。生体の内部環境を維持するための体液を調節する仕組みとして、排尿などによる水の調節、電解質の調節、酸塩基平衡の調節などがあるが、これらのすべてに腎-泌尿器系が関係しているのである。
このような重要な臓器である腎-泌尿器系について、より実践的に学ぶため、本書では腎疾患と泌尿器疾患を分けて章立てしている。腎臓と泌尿器は解剖学的にはつながっており、尿の生成・排泄という一連の機能もある。しかし、臨床では腎疾患は内科系で、泌尿器疾患は外科系で管理されていることが多い。そのため、腎臓内科と泌尿器外科では治療が異なり、それに関連する看護も異なってくる。そこで、本書では、実習病棟や勤務先において実践的に学習するときに、より理解しやすいように腎臓と泌尿器を分けて構成した。
それと同時に、両疾患の各章の解説の流れは同一にし、学習者が系統的かつ相互関連性を確認しながら学べるように工夫した。具体的には両疾患とも、「なぜ腎/泌尿器疾患について学ぶのか」から始まり、「腎臓/泌尿器の機能と障害」、「腎/泌尿器疾患の診断・治療」、「腎/泌尿器疾患 各論」と同一の構成となっている。
本書の原稿作成においては、まず腎疾患や泌尿器疾患に関して臨床で看護師が詳しく知りたい項目について看護師の要望を挙げ、その内容を網羅するように医師に執筆を依頼した。脱稿後にさらに編集協力者を中心とした看護師が、看護学を学ぶ者として必要なこと、看護実践者として必要なことが記述されているかを確認させていただいた。また、両科の医師の編集者が医学的な正確性から校正してくださり、執筆者にも根気よく加筆修正していただいた。このような作業を経て本書は完成している。
そのため、医学的にみても看護学的にみても実践的かつ教育的に必要な内容が過不足なく記載されているのではないかと自負している。この場を借りて、各執筆者ならびに南江堂の編集担当の方々にお礼を申し上げる。
看護においては、対象者を包括的にとらえる必要があるが、対象者に起こっている身体面での病態とその治療などを理解しなければ、それに伴って生じる心理・社会的影響や生活への影響もわからない。また、病態や疾患がわかれば、対象者の状態に合わせた看護のイノベーションも可能になるのである。
本書によって、ホメオスタシスを保つための臓器である腎-泌尿器系の疾患の理解を深めていただき、さらに対象者の心理・社会的側面も考慮しながら、これからの看護に役立てていただければ幸いである。
2018年9月
編集者を代表して
岡美智代