教科書

看護学テキストNiCE

病態・治療論[3] 循環器疾患

  • 新刊

編集 : 八尾厚史/落合亮太
ISBN : 978-4-524-23743-2
発行年月 : 2019年9月
判型 : B5
ページ数 : 320

在庫あり

定価2,640円(本体2,400円 + 税)

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  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

専門基礎分野において疾病の病態・診断・治療を学ぶためのテキストシリーズ(全14冊)の循環器疾患編。医師と看護師の共同編集により、看護学生に必要な知識を網羅。(1)さまざまな症状を理解できる、(2)診断の進め方、考え方がわかる、(3)臨床看護に結びつく知識が得られる、の3点を重視して構成している。

循環器領域の主な略語一覧
序章 なぜ循環器疾患について学ぶのか
 1 医師の立場から
 2 看護師の立場から
第I章 循環器の機能と障害
 1 循環器の構造と機能
  1 循環器とは
  2 心臓の構造
  3 ポンプとしての心臓の収縮・弛緩
  4 心臓を制御する神経
  5 心室筋細胞の収縮・弛緩機能
  6 心筋の刺激伝導系と収縮・弛緩
 2 循環の障害と症状
  1 心臓の各部位の機能障害から生じるKeyとなる症状
  2 心臓の虚血によって生じる症状
  3 不整脈の症状
第II章 循環器疾患の診断・治療
 1 循環器疾患の診断
  1 診察の進め方
  2 循環器関連の主な症状から病態診断への道筋
 2 循環器疾患の検査
  1 胸部X線検査
  2 胸部CT・心臓MRI
  3 心エコー検査(心臓超音波検査)
  4 心臓カテーテル検査
  5 心臓核医学検査
  6 安静時心電図
  7 24時間心電図(ホルター心電図)
  8 運動負荷試験
  9 脈波検査
  10 動脈血液ガス分析
 3 循環器疾患の治療
  1 処置・治療法
  2 心臓カテーテルインターベンション
  3 薬物療法
  4 手術療法
  5 心臓リハビリテーション
第III章 循環器疾患 各論
 1 高血圧,血圧調節異常
  1 基礎知識
  2 血圧異常を生じる病態
 2 大動脈疾患,末梢動脈疾患
  1 大動脈疾患
  2 末梢動脈疾患
 3 冠動脈疾患(虚血性心疾患)
  1 急性心筋梗塞
  2 狭心症
  3 冠攣縮性狭心症(異型狭心症)
 4 弁膜性疾患
  1 大動脈弁狭窄症
  2 大動脈弁逆流症(大動脈弁閉鎖不全症)
  3 僧帽弁狭窄症
  4 僧帽弁逆流症(僧帽弁閉鎖不全症)
  5 三尖弁狭窄症
  6 三尖弁閉鎖不全症
  7 肺動脈弁狭窄症
  8 肺動脈弁逆流症
 5 心不全,心筋疾患
  1 左心不全と右心不全
  2 心筋症
 6 心膜・心嚢疾患,心臓腫瘍
  1 収縮性心膜炎
  2 心タンポナーデ
  3 心臓粘液腫
 7 伝導系疾患・不整脈
  1 頻脈性不整脈
  2 徐脈性不整脈
 8 肺循環疾患(肺高血圧症)
  1 肺高血圧症の概要
  2 肺高血圧症の診断と治療各論
  3 包括的アプローチとチーム医療
 9 静脈性疾患
  1 下肢静脈瘤
  2 深部静脈血栓症
  3 肺塞栓症
  4 血栓性静脈炎(表在静脈血栓症)
  5 リンパ浮腫
  6 リンパ管炎/リンパ節炎
 10 心血管系の感染症/心血管系の炎症性疾患・自己免疫疾患
  1 感染性心内膜炎
  2 心筋炎
  3 心膜炎
  4 大動脈炎症候群
  5 川崎病
  6 梅毒性大動脈炎
  7 心臓移植後冠動脈病変
 11 成人先天性心疾患
  1 心房中隔欠損症
  2 心室中隔欠損症
  3 ファロー四徴症
索引

はじめに

 医師が患者を診る時にまず何を気にするであろうか?それは緊急性である。緊急性の判断は、一見しての患者さんの様子と症状、次にバイタルサインの評価で素早く行う。自律神経系を介し誘起される患者の様子と症状、そして心血管(循環器)系への反応ということである。これらは客観的な情報であり、情報としての信憑性が高いといえる。しかし、その正確な評価には循環器学の知識が必須となる。次に患者の治療では、とくに外科的治療などにおいて、心機能不良は大きな治療リスクになるため必ず心血管系評価を必要とする。心機能不良のために手術が延期・中止になることは日常臨床でよく遭遇する。このように、ほぼすべての患者に対する診療行為で循環器学の知識が必要になる。
 循環器学の学びにおいては、まず心臓・血管のパフォーマンスを理論的に理解し知識を持った上で、その知識を使い実臨床で遭遇する症状・バイタルサインを解析し、論理性をもった経験値として集積することが重要である。このラインに乗るよう本書の構成を工夫して作成した。
 第I章では、基礎医学的側面をふまえ心臓・血管系の機能を実臨床に結び付けて解説した。第II章では、第I章の内容を活かし、実際によく遭遇する循環器疾患の代表的症状からどのようにして疾患へ結び付けていくかを論理的に説明した。そして、鑑別診断を行うために必要な循環器系主要検査を紹介し、最後に循環器疾患の治療薬・治療機器・インターベンション・外科的手技といった治療に必要な事項を記載した。第III章では疾患各論を記した。第I、II章で学んだことを頭において読んでいくと、各循環器疾患の概念や治療法が論理的に理解できる記載になっている。
 この理解を助けるため、重要な語句は振り返り学習できるように、参照ページを多く載せるようにした。また、理解して欲しい重要な語句は赤字で示し、最低限必須な内容には下線が引かれている。見出しの語句、赤字語句、下線部の文章を追って復習することで、看護師として必要な知識の簡易的復習ができる。また現場でよく使う俗称・略称は初出で積極的に記した。英語名はメモとして側注に記しており、略語はまとめて復習できるようABC順にまとめた一覧表を目次の後に掲載した。さらに、多少難しいけれども深く理解が必要な内容は、.もう少しくわしく.としてコラム化した。これらの内容は、その分野の第一線で活躍している医師達に記載していただいており、かなりくわしい最新の内容になっている。看護学生のみならず現場の看護師が読んでも十分に読み応えのある内容である。
 最後に、臨床の立場から本書に目を通していただいた、保健師・看護師の村上曜子、泉ちひろ、川端由起子の3名に感謝の意を表したい。本書で循環器学を学んだ看護師達が即戦力として実臨床で活躍し、さらに循環器診療が発展していくことを切に期待するものである。

2019年8月
八尾厚史
落合亮太