シンプル作業療法学シリーズ
老年期障害作業療法学テキスト[電子版付]
| 監修 | : 東登志夫 |
|---|---|
| 編集 | : 田平隆行/久米裕/石橋裕 |
| ISBN | : 978-4-524-21049-7 |
| 発行年月 | : 2025年11月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 248 |
在庫
定価4,950円(本体4,500円 + 税)
正誤表
-
2026年03月16日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

老年期においては,心身機能の相関性が高く生理学的な加齢変化もある.対象者の特性をふまえた作業療法を平易な言葉で解説.臨床医学の基礎知識をふまえた疾患別の作業療法をていねいにとりあげ,知識と臨床実践が繋がるよう配慮.フレイル,認知症,IT,生活機能など,これからの作業療法へも理解を深める構成とした.
1 老年期における作業療法の背景
1 日本における超高齢社会と人口問題
2 日本における社会保障制度の背景
3 日本における介護に係る人材不足の背景
4 超高齢社会における高齢者の社会参加
2 老年期における作業療法の目的と変遷
1 老年期における作業療法の目的
A 活動・参加に資する作業療法
B 地域で暮らし続けるための作業療法
C 強みや残存能力を活かす作業療法
D その人らしさ(興味や役割,仕事)を表現できる作業療法
2 歴史的変遷
A 老年期作業療法の創成期
B 高齢社会対策とリハビリテーション体系化の開始
C 生活者の理念と介護予防への取り組み強化
D 地域を拠点とした「活動」「参加」への意識の強化
3 領域,実践場所
A 予防・地域全般
B 身体障害系医療施設
C 精神障害系医療施設
D 介護保険施設
E 通所系サービス(通所リハビリテーション,通所介護)
F 訪問系サービス
G その他
3 老年期の一般的特徴
1 老 化
A 加齢と老化
B 生理的老化と病的老化
2 老年期の生理的・身体変化
A 循環器系の変化
B 呼吸器系の変化
C 消化器系の変化
D 腎機能の変化
E 排泄機能の変化
F 内分泌系の変化
G 体温調節機能の変化
H 免疫系の変化
I 神経系の変化
J 感覚機能の変化
K 運動器系の変化
L 精神・心理機能の変化
4 作業療法プロセスとリーズニング
1 医療と介護
A医療保険
B 介護保険
C 医療と介護の連携
2 さまざまな理論
A 理論とは
B 人間作業モデル
C 作業遂行と結び付きのカナダモデル
3 作業療法の進め方
A 作業療法のプロセスと生活行為向上マネジメント
B トップダウンアプローチとボトムアップアプローチ
5 疾患別作業療法@ 神経疾患
1 神経疾患に対する作業療法概要
A 評価の進め方
B 目標立案
C 介入実施
2 脳梗塞
A 脳梗塞の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
3 パーキンソン病
A パーキンソン病の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
4 脊髄小脳変性症
A 脊髄小脳変性症の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
5 摂食嚥下障害
A 摂食嚥下障害(誤嚥性肺炎)の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
6 疾患別作業療法A 運動器疾患
1 運動器疾患に対する作業療法概要
A 評価の進め方
B 目標立案
C 介入実施
2 大腿骨頸部骨折
A 大腿骨頸部骨折の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
3 脊椎圧迫骨折
A 脊椎圧迫骨折の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
4 橈骨遠位端骨折
A 橈骨遠位端骨折の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
5 変形性関節症
A 変形性関節症の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
7 疾患別作業療法B 内部疾患
1 内部疾患に対する作業療法概要
A 評価の進め方
B 目標立案
C 介入実施
2 心不全
A 心不全の概要
B 他職種からの情報収集と作業療法評価
C 目 標
D 介 入
3 末梢循環障害
A 末梢循環障害の概要
B 他職種からの情報収集と作業療法評価
C 目 標
D 介 入
4 慢性閉塞性肺疾患・感染性肺炎
A 慢性閉塞性肺疾患・感染性肺炎の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
5 糖尿病
A 糖尿病の概要
B 高齢者糖尿病
C 他職種からの情報収集と作業療法評価
D 目 標
E 介 入
6 腎疾患
A 慢性腎臓病の概要
B 作業療法評価
C 作業療法による支援
8 疾患別作業療法C 精神疾患
1 精神疾患に対する作業療法概要
A 評価の進め方
B 目標立案
C 介入実施
2 せん妄
A せん妄の概要
B せん妄の評価
C せん妄に対する作業療法
3 う つ
A うつの概要
B うつの評価
C うつに対する作業療法
4 アパシー
A アパシーの概要
B アパシーの評価
C アパシーに対する作業療法
5 妄想性障害
A 妄想性障害の概要
B 妄想性障害の評価
C 妄想性障害に対する作業療法
6 てんかん
A てんかんの概要
B てんかんの評価
C てんかんに対する作業療法
9 疾患別作業療法D 感覚器疾患
1 感覚器疾患に対する作業療法概要
A 評 価
B リスク
C 目 標
D 介 入
2 白内障
A 評 価
B リスク
C 目 標
D 介 入
3 難 聴
A 難聴の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
4 嗅覚障害・味覚障害
A 嗅覚障害・味覚障害の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
10 疾患別作業療法E 認知症
1 認知症とは
A アルツハイマー型認知症
B レビー小体型認知症
C 前頭側頭型認知症
D 血管性認知症
2 認知症の作業療法
A 認知症に対する作業療法概要
B 認知症の作業療法で用いる評価
C 認知症の作業療法で扱うさまざまな介入方法
D 居住環境別の作業療法実際(3つの事例)
1)身体障害領域の作業療法
2)地域における作業療法
3)精神面の作業療法
3 認知症を取り巻くさまざまな施策・法律・事業
A 認知症における施策や法律
B 認知症疾患医療センター
C 認知症初期集中支援チーム
D 認知症サポーターキャラバン
11 疾患別作業療法F フレイル・老年症候群
1 フレイル・老年症候群に対する作業療法概要
A フレイル・老年症候群とは
B 評 価
C 目標立案
D 介 入
2 フレイル・サルコペニア:身体面
A 身体的フレイルとサルコペニア
B 評 価
C 目標立案
D 介入とリスク管理
3 フレイル・サルコペニア:認知・精神心理・社会面
A フレイルの認知・精神心理・社会面の概要
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
4 栄養障害
A フレイル・老年症候群と栄養障害
B 評 価
C 目標立案
D 介入とリスク管理
5 緩和ケア
A 緩和ケアの具体的な取り組み
B 緩和ケアと作業療法
12 生活機能と作業療法
1 高齢者のADL
A ADL低下を予防する必要性
B ADLに影響を与える要因
C 加齢によるBADL・IADLの変化
2 高齢者の自動車運転
A 移動手段の獲得
B 自動車運転に必要な情報収集と作業療法評価
C 介入・支援
3 老年期に特徴的な生活行為
A 特徴的な生活行為
B 生活行為の評価
C 支援のヒント
13 高次生活機能と作業療法
1 老年期の高次生活機能に対する作業療法概要
A 高次生活機能の概要
B 意味のある作業
C 評 価
D 評価の進め方
E 目標設定
F 介入実施
2 意味のある作業としての「買い物」を支援する作業療法
A 地域在住自立高齢者における意味のある作業
B 作業療法評価
C 目 標
D 介 入
14 ICTと作業療法
1 コミュニケーションロボットを活用した作業療法
A 認知症に伴う行動・心理症状の軽減を目的としたコミュニケーションロボット
B 情報支援を目的としたコミュニケーションロボット
C レクリエーションや体操の実施を目的としたコミュニケーションロボット
2 遠隔支援技術を活用した作業療法
A インターネットを利用した遠隔リハビリテーションシステム
B バーチャルリアリティ
C 人工知能
3 ICTを活用した介護技術
A 見守り支援機器(介護施設)に関する介護ロボット
B 徘徊感知機器
C 遠隔からの見守りシステム
D 情報共有システム
15 老年期における多職種連携
1 老年期における多職種連携の概要
A 多職種連携における目的
B 多職種連携の重要点
2 病院や施設における多職種連携
A チーム医療の実際
B 各専門職の役割と多職種連携の具体例
3 在宅における多職種連携
16 事例紹介
はじめに
事例1 回復期病院における左大腿骨頸部骨折の事例
事例2 退院後に訪問作業療法を通して再び買い物ができるようになった認知症の事例
事例3 人工呼吸器管理下の急性心不全患者におけるせん妄予防を中心とした介入事例
事例4 フレイル予防教室を通して社会参加が促進された事例
付録:よく用いられる評価法
団塊の世代が後期高齢者となり,作業療法を取り巻く社会情勢は変革期にある.そして,社会保障費の増大,医療・介護人材の不足,地域の活性停滞(限界集落,移動・交通問題,空き家問題)など,地域医療や生活支援を基軸とする老年期作業療法としても重要な時代を迎えている.作業療法の対象者は精神障害系,身体障害系問わず65歳以上の高齢者が多く,介護保険領域を含めるとさらに多くの割合を占め,作業療法士が大きく活躍する領域である.老年期は,心身機能の相関性が高く,老化に伴うさまざまな疾患を発症しやすいことから臨床医学の基礎知識は必須である.そのうえでライフステージの集大成として意味のある,有意義な人生・活動への従事を支援していく重要な役割を作業療法士が担っている.
本書「老年期障害作業療法学テキスト」では,老年期作業療法の社会背景,歴史,目的,領域,疾患別作業療法など標準的なものに加え,より重要である生活機能や情報技術を組み込み卒後にわたって使用できるテキストに仕上げた.執筆は,老年期作業療法を代表する第一線の教育研究者に依頼し,現場で活躍している作業療法士に臨床の解像度を高めていただいた.学生が臨床実習前後に学修しやすいよう,また教員が活用しやすいよう,編集者3名で入念に構成を練ったものである.以下に特長を示す.
フレイル,認知症,生活機能,情報技術など老年医学・老年社会学・老年精神医学で注目されている項目について強化した.
16章に各場面での事例を紹介し,知識・理解と臨床実践がつながるようにした.
老年期に特徴的な疾患について各論を充実させた.
付録として老年期に必要不可欠な評価表をまとめ,利便性を図った.
作業療法士養成課程に必要な知識を厳選し,理学療法士作業療法士国家試験の出題範囲を網羅した.
講義15回を想定し,15回のシラバスに対応できるよう構成した.
各章に講義目標(一般目標,行動目標)を,予習復習として「調べておこう」を,より内容の理解度を高めるために「ディスカッションテーマ」をそれぞれ設けた.
補足知識としての用語説明とmemoを付加した.
図表を多用し,レイアウトも工夫を凝らすことにより,読みやすさ・分かりやすさを重要視した.
電子版を付属し,いつでも必要なタイミングで活用できるようにした.
老年期領域は,今後,人口減少に伴う変革が進むであろう.本書で学修した学生たちが臨床現場で活躍し,優秀な作業療法士が育成され,将来新しい知見をもって改訂版の作成に寄与してくれることを願ってやまない.
2025年9月
田平 隆行
久米 裕
石橋 裕


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