ナビ放射線生物学[電子版付]
| 監修 | : 高橋康幸 |
|---|---|
| 編集 | : 横山須美/中原岳久 |
| ISBN | : 978-4-524-20488-5 |
| 発行年月 | : 2025年12月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 200 |
在庫
定価5,500円(本体5,000円 + 税)
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

診療放射線技師養成課程の学生を主な読者対象とする放射線生物学の教科書.カラーイラストや表を効果的に使用し,初学者にも理解しやすい構成とした.「この章で学ぶこと」「章末問題」で自己学習にも役立つ工夫をしている.関連する科目への橋渡しや,アドバンスな内容はコラムで区別した.スマートフォンまたはタブレットで閲覧できる電子版付.
序 放射線生物学とは
1 放射線生物学の基礎
A 分子細胞生物学
1 核 酸
2 細 胞
3 遺 伝
4 細胞周期
B 原因と症状
1 病気の原因と症状
2 放射線障害の原因と症状
C が ん
1 がんとは
2 がん遺伝子
3 多段階発がん
章末問題
2 放射線の物理学的,化学的作用
A 概 説
1 時間の経過からみた放射線が人体に与える影響
2 放射線生物学の理解に必要な単位
B 細胞に対する放射線の作用
1 物理学的過程
2 化学的過程
C LETと生物学的影響
1 LETとRBE
2 LETとOER
章末問題
3 放射線の生化学的作用
A 細胞に対する放射線の作用
1 直接作用
2 間接作用
B 生物学的効果の修飾
1 物理的修飾
2 化学的修飾
3 生物学的修飾
章末問題
4 放射線の生物作用の理論と分類
A 細胞の生存曲線
1 コロニー形成法
2 標的理論,ヒット理論,LQモデル
3 亜致死損傷(SLD)回復と潜在的致死損傷(PLD)回復
B 細胞の放射線感受性
1 ベルゴニー・トリボンドーの法則
2 細胞動態による分類
C 放射線の生物作用の分類
1 早期反応と後期反応
2 身体的影響と遺伝的影響
3 確率的影響と組織反応(確定的影響)
章末問題
5 放射線の核酸に対する作用
A 放射線のDNAへの影響
1 DNAの損傷
2 DNAの修復
3 放射線などの作用に影響を与える遺伝病
B 突然変異と染色体異常
1 遺伝子突然変異の発生と分類
2 染色体異常の発生と分類
3 放射線による遺伝子・染色体異常の発生
4 突然変異と染色体異常の観察
章末問題
6 放射線の細胞に対する作用
A アポトーシスとネクローシス
B 電離放射線による細胞死と分裂死・間期死
C 近年明らかになってきた細胞死
章末問題
7 放射線による組織・臓器への影響
A 造血器系
B 生殖腺
C 水晶体
D 皮 膚
E 消化管
1 口 腔
2 食 道
3 胃
4 小 腸
5 大 腸
6 直列臓器と並列臓器
F 神経組織
G 循環器系
H 呼吸器系
I 分泌系
1 甲状腺
2 唾液腺
3 肝臓,腎臓,膵臓
章末問題
8 組織反応(確定的影響)
A 組織反応に対するしきい線量
1 組織反応の定義
2 しきい線量
B 大線量被ばくによる死
1 前駆症状
2 骨髄死
3 腸管死
4 中枢神経死
C 胚・胎児への放射線影響
1 胎児の発育段階
2 発育段階と胚・胎児への放射線障害
章末問題
9 確率的影響
A 確率的影響の考え方
1 確率的影響の定義
2 確率的影響の種類
3 LNTモデル
B 放射線による発がんリスク
1 発がんメカニズム
2 発がんリスク
3 発がんリスクに影響を与える要因
章末問題
10 放射線治療への応用
A 放射線治療の種類と方法
1 外部放射線療法
2 内部放射線療法
B 生物学的効果の修飾
1 抗悪性腫瘍薬
2 放射線増感剤と防護剤
3 温熱療法(ハイパーサーミア)
C 腫瘍の放射線感受性
1 腫瘍の致死線量と関連する因子
2 腫瘍制御確率と正常組織障害発生率,治療可能比
D 分割照射
1 分割照射の種類と定義
2 分割照射と4R
章末問題
11 放射線防護
A 放射線防護の歴史
B 自然放射線源と人工放射線源
1 自然放射線源
2 人工放射線源
C 外部被ばくと内部被ばく
1 外部被ばく
2 内部被ばく
D 放射線防護で用いられる線量
1 実用量と防護量
2 実効線量と等価線量
3 集団線量
4 預託線量
E 放射線防護の基本的考え方
1 国際放射線防護委員会(ICRP)の基本的考え方
2 わが国の放射線障害防止に関する法令
章末問題
生物学の基本的な枠組みは,細胞から組織,器官(臓器)を経て個体(人体)へとつながる階層構造にある.放射線技術学における生物学,すなわち「放射線生物学」では,この個体(人体)に対して放射線がどのような影響を及ぼすかを学ぶ.
人体が放射線を受けた際,「どのような健康影響が生じうるのか」「それらがいつ,どの程度,どのような形で現れるのか」を,被ばく線量・被ばく部位(全身または局所)・時間的な要因などと関連づけて理解する必要がある.
放射線の影響には,「外部被ばく」と「内部被ばく」,「全身被ばく」と「局所被ばく」といった分類があり,健康への影響としては「急性障害」「晩発障害」などがある.これらはさらに「組織反応(確定的影響)」と「確率的影響」に整理されている.臨床現場においてはこれらを正確に理解し,適切に対応することが求められる.
診療放射線技師を目指す学生にとって,本書で学ぶ内容は,放射線を安全に取り扱うための重要な土台になる.また,国家試験において,放射線生物学は放射線物理学,医用工学,放射線計測学とともに「理工学・放射線科学」に分類されており,他科目との関連を意識した学習が求められる.
上記を踏まえて,本書は国家試験出題基準に対応し,他科目との関連性を意識した構成としている.また,本文の理解を促すために,カラーイラストを豊富に掲載している.これらは,放射線生物学の講義を担当している先生方の要望に応えたものでもある.さらに,本書にはスマートフォンまたはタブレットで閲覧可能な電子版が付属しており,国家試験を意識した確認問題も収載している.ぜひとも有効に活用していただきたい.
2025 年11 月
高橋康幸

