Atlases of Tumor & Non-Tumor Pathology, 5th Series,

頭頸部は、解剖学的にきわめて精緻な構造を有し、多様な局所部位がそれぞれ独自の構造的特性を持っている。この組織学的な多様性は、疾患の幅広さとも密接に関連している。腫瘍に関する遺伝的・エピジェネティックな変化の解明が進む中、病態分類の再定義が進められ、診断・予後予測・治療戦略にも新たな視点が加わりつつある。本書は、こうした科学的・診断的な進歩を網羅的に反映している。前版までとは異なり、新版では解剖学的部位別に構成され、各章では特定の部位に関連する腫瘍性疾患と重要な鑑別診断について詳述している。この解剖学的な枠組みにより、より実践的かつ直感的に理解を深められる構成となっている。
頭頸部病理学という複雑でありながら魅力的、そして時に厄介な領域に携わる病理医にとって、本書は心強い味方となる有用な一冊である。

AFIPシリーズ一覧はこちら

AFIPシリーズ特設ページはこちら