Atlases of Tumor & Non-Tumor Pathology, 5th Series,

膵臓腫瘍の分類は2007年以来大きな進化を遂げていないが、各腫瘍を特徴づける分子基盤に関するデータは過去15年間で飛躍的に増加した。また現在の膵臓腫瘍のマルチモーダルな研究によって腫瘍生物学の理解が深まり、形態学的所見と臨床転帰や標的治療がより密接に関連するようになった。膵管腺癌の予後は依然として非常に不良であるが、新しい治療アプローチと早期診断の増加に基づき、有望な展望も見えてきている。さらに他の膵臓の腫瘍に関する集中的な研究により、それぞれの腫瘍タイプが特徴的な生物学と挙動を持ち、また高い攻撃性を持たないケースも良くあることがより明確に認識されるようになった。このような楽観的な視点は、膵臓の病理学への関心を再び高める原動力となりうるだろう。

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