がん看護≪隔月刊≫
グリーフケア 〜家族と医療者をつなぐケアを目指す!〜(Vol.31 No.5)2026年9-10月号
- 主要目次
- 序文

特集
グリーフケア 〜家族と医療者をつなぐケアを目指す!〜 編集:關本翌子
●特集にあたって 關本翌子
総論
●がん看護におけるグリーフケアの意義 広瀬寛子
●日本における悲嘆研究とケア実践の展開と課題 〜パブリックヘルスの視座を交えて〜 坂口幸弘
●臨床実践からのグリーフケア教育 高野純子
家族・遺族へのグリーフケア
●事例@:緩和ケア病棟におけるグリーフケア 前滝栄子
●事例A:地域に根差したケア 〜多職種連携により実現する多彩なグリーフケア〜 ワーファ純子
医療者へのグリーフケア
●総説:死を前にしたチームを支える 〜医師ができる実践的グリーフケア〜 大谷弘行
●事例:医療者へのグリーフケア 〜心理士の立場から〜 枷場美穂
デスケースカンファレンスを通して遺族と医療者をつなぐケアに活かす
●総説:デスケースカンファレンスの目的・意義・ファシリテーターの役割 〜グリーフケアの連続性という視点から〜 關本翌子
●事例@:緩和ケア病棟におけるデスケースカンファレンス 〜治療再開希望から看取りを迎えた患者支援〜 小原和美,水野友子,海野知美
●事例A:急性期病院におけるデスケースカンファレンス 〜複雑な家族背景をもつ患者の振り返り〜 近藤麗子
連載
▼My Favorite Medicine!!【46】
ブレオマイシン塩酸塩(ブレオ ®) 菅野かおり
▼リレーエッセイ●がん看護CNS巻き込む力を発揮中! 〜複雑で多様化する実践に挑む!〜
【5 地域を巻き込みがん患者を支えるA 地域の中で活躍する立場から】
多職種と心を一つに,その人らしい「暮らし」を地域で守る 時山麻美
▼スペシャリストに聞く! 患者さんの訴えやナースの違和感から始まる症状マネジメント【新連載】
連載にあたって 藤澤陽子,山上睦実
話がかみ合わないことが多い気がする 荘司美紀
▼ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【7】
せん妄に対する非薬物療法 〜「がん患者におけるせん妄ガイドライン2025年版」を読み解く@〜 菅野雄介,小林成光,角甲 純
▼がん看護の“今”を変える,生成AIという味方【3】
生成AI と安全に付き合うために 〜倫理・個人情報・信頼性の視点から「守る」〜 淺野耕太
▼壁を越えた先へ! チーム医療の実践力【6・最終回】
外来のがん看護専門看護師の立場からみるチーム医療 〜リンパ浮腫ケア外来チームの再構築〜 保坂ルミ
▼がん薬物療法看護のWhat’s Trending! Past☞Current☞Future【38】
がん薬物療法の投与経路選択について考える 〜ミッドラインカテーテルの有効性と課題〜 菅野かおり,橋佳子
今月の症例
がん性疼痛によりリハビリテーションが進まない終末期がん患者への緩和ケア
〜患者の全人的苦痛,価値観を理解し,多職種で支援したケースを振り返る〜 望月美穂
BOOK(書評)
基礎から学ぶ医療関連感染対策 改訂第4版 〜標準予防策からサーベイランスまで〜 〈評者〉前田佐知子
INFORMATION
学会・イベント情報
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次号予告
特集にあたって
がん治療は日々進歩し,がんと共に生きる人々も増えています.しかし,1986年以降,日本人の死亡原因の第1位は依然として「がん」であり,生涯でがんにより死亡する確率は,男性24. 7%(4人に1 人),女性17. 2%(6 人に1 人)にのぼります.人生の最期に寄り添う看護師の役割は,大きいといえるでしょう.
「グリーフ」とは,大切な人を亡くしたときに生じる悲しみや混乱,さまざまな心身の反応を指します.がん医療におけるグリーフケアは,遺族の心理社会的支援にとどまらず,死別を経験した医療者自身の心のケアも含む,多層的で継続的な課題です.患者と家族の人生に深くかかわるがん看護において,死別後に生じる悲嘆への支援は,臨床実践の質を支える基盤であり,同時に医療者の専門性を持続的に支える営みでもあります.
本特集では,家族・遺族と医療者それぞれの悲嘆とケアのありかたを俯瞰し,両者をつなぐ実践として注目される「デスケースカンファレンス」の意義を改めて考えます.デスケースカンファレンスは,故人を偲び,遺族の思いを受け止め,医療者が互いの感情を分かち合う場であり,遺族と医療者双方にとって悲嘆を統合する契機となりえます.さらに,ケアの質向上やチーム力の強化にもつながり,患者家族・遺族と医療者をつなぐ実践として発展が期待されます.
本特集の構成としては,まず総論として,がん看護における悲嘆へのケアとグリーフケアの意義,日本における悲嘆研究と実践の動向,そして臨床現場からのグリーフケア教育についてわかりやすく解説します.そのうえで,家族・遺族へのグリーフケア,医療者へのグリーフケア,さらに両者をつなぐケアとしてのデスケースカンファレンスの実際を紹介します.
本企画が,がん看護に携わる皆さまにとって,臨床におけるグリーフケアの多様なアプローチを理解し,日々の実践や教育活動に活かす一助となることを願っています.
關本 翌子(国際医療福祉大学成田病院看護部 / 認定看護管理者,がん性疼痛看護認定看護師)


