雑誌

がん看護≪隔月刊≫

痛みのマネジメント Up To Date(Vol.31 No.3)2026年5-6月号

発行年月 : 2026年5月

定価2,750円(本体2,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。
施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。
告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。

特集
痛みのマネジメントUp To Date
  編集:鴨川郁子,臼井優子
 ● 特集にあたって  鴨川郁子,臼井優子
 ● 「痛み」とは?  上原優子,田上恵太
 ● 痛みのアセスメント 〜ケアにつなげていくために〜  水野俊美
 ● がんの痛みの治療@神経ブロック・脊髄鎮痛法  松本禎久
 ● がんの痛みの治療Aオピオイドによる薬物療法  柴田直樹
 ● がんの痛みの治療Bオピオイド以外の薬物療法  五十嵐隆志
 ● がんの痛みの治療C骨転移による疼痛緩和のための緩和的放射線療法  阿武 和
 ● 事例@オピオイド導入と副作用ケア  岸 達也
 ● 事例Aオピオイド投与経路の変更とケア  飯田郁実
 ● 事例B骨転移の緩和照射とケア  村田 愛
 ● がん患者のオピオイド依存と偽依存,ケミカルコーピング  佐伯吉規

連載
▼My Favorite Medicine!!【44】
  フルオロウラシル(5-FU)  菅野かおり

▼リレーエッセイ
 ●がん看護CNS 巻き込む力を発揮中! 〜複雑で多様化する実践に挑む!〜
 【3 患者のQOL 維持・向上を目指し多職種を巻き込むA】
  チーム医療推進に向けた取り組みに焦点をあてて
  〜違いからはじめるACP チーム医療の取り組み〜  佐久間博子

▼ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【5】
 気持ちのつらさを抱えたがん患者と家族への多職種による介入のポイント
 〜「がん患者における気持ちのつらさガイドライン2024 年版」を読み解く〜  浅海くるみ,梅澤志乃

▼がん看護の“今”を変える,生成AI という味方【新連載】
 生成AI の正体は何か  淺野耕太

▼壁を越えた先へ! チーム医療の実践力【4】
 緩和ケアのがん看護専門看護師(調整担当の看護師)の立場からみるチーム医療
 〜院内外チームが連携した退院支援〜  藤原紀子
▼がん薬物療法看護のWhat’s Trending ! Past ☞ Current ☞ Future【36】
 新規に承認されたがん薬物療法薬in 2025 〜薬の特徴を知って必要な看護支援を考える〜  菅野かおり

▼HERE WITH YOU 〜言葉で紡ぐマギーズ東京の日々〜【2】
 “ささえる”と“ささえられる”の循環が起きる場所  小園香奈子,梅田 恵

今月の症例
 造血幹細胞移植を受けた知的障害をもつ白血病患者への合理的配慮に基づいた看護  大社理奈
BOOK(書評)
 みんなで取り組む社会的緩和ケア
 お金がない・身寄りがない・介護できない患者を支えるための本  〈評者〉賢見卓也

INFORMATION

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次号予告

特集にあたって

 がん疼痛は,がん患者の診断時に20〜50%,進行がん患者全体では70〜80%に存在するといわれ,がん看護に携わる看護師は,日頃からがん疼痛を経験している多くの患者の傍にいると考えられます.そのため,がん看護に携わる看護師には,がん治療だけでなく,がん疼痛に関する最新の知識やエビデンスを理解し,患者の痛みに対するマネジメントの力が求められています.

 がん疼痛に関する薬物療法の動向として,2017年にヒドロモルフォンの内服薬,2018年には同注射薬が上市され,モルヒネやオキシコドンなどと同等の鎮痛効果があり,腎機能障害のある患者にも比較的安全に投与できることから,患者に使用できるオピオイド鎮痛薬の選択肢の一つとなりました.また,持続性疼痛治療薬ジクロフェナクナトリウムの経皮吸収型製剤が上市され,経口や経静脈での薬剤投与が困難である患者においても非ステロイド性抗炎症薬が使用しやすくなり,痛みの緩和につながることで患者のQOLの向上が期待されています.このように,がん疼痛における薬物療法は,新規薬剤の導入と新たなエビデンスの公表が続いており,改訂された最新のガイドライン『がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン2020 年版』が日本緩和医療学会より刊行されています.

 がん疼痛緩和の基本方針では,医療者が痛みについて患者本人に尋ね,痛みの状況について把握するとともに,患者の心理状態も理解することが重要です.薬物療法のみならず,そのほかの治療法やケアも多職種を交えて検討し,開始された治療の効果や副作用を継続的に評価することが基本といわれています.

 本特集では,臨床現場で働く看護師の痛みのマネジメント力の向上を目指し,痛みのメカニズムを解説し,オピオイドや非オピオイド鎮痛薬,鎮痛補助薬の作用機序やそれぞれの薬剤の特徴と注意点・副作用について理解を深めるための基礎知識や実践のポイントを詳しく解説しました.また,具体的な事例を通して痛みのアセスメントやケアについて取り上げています.さらに,骨転移によるがん疼痛への放射線療法と看護,侵襲を伴う治療法として神経ブロックや脊髄鎮痛法,オピオイドにまつわる依存や耐性,ケミカルコーピングなども取り上げています.

 所属している施設にかかわらず,本特集ががん診療に携わるすべての看護実践者の痛みのマネジメント力を高め,ケアを実践する場で役立つことを心より願っています.

鴨川郁子(がん研究会有明病院看護部/がん看護専門看護師)
臼井優子(がん研究会有明病院緩和治療科/医師)

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