雑誌

がん看護≪隔月刊≫

退院後を見据えたがん患者のスキンケア(Vol.30 No.6)2025年11-12月号

発行年月 : 2025年11月

在庫あり

定価2,530円(本体2,300円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

がんの医学・医療的知識から経過別看護、症状別看護、検査・治療・処置別看護、さらにはサイコオンコロジーにいたるまで、臨床に役立つさまざまなテーマをわかりやすく解説し、最新の知見を提供。
施設内看護から訪問・在宅・地域看護まで、看護の場と領域に特有な問題をとりあげ、検討・解説。
告知、インフォームド・コンセント、生命倫理、グリーフワークといった、患者・家族をとりまく今日の諸課題についても積極的にアプローチし、問題の深化をはかるべく、意見交流の場としての役割も果たす。

特集
退院後を見据えたがん患者のスキンケア
  編集:森岡直子

 ●特集にあたって  森岡直子

総論
 ●がん患者の皮膚の特徴  安部正敏
 ●スキンケアの基礎  松原康美
 ●在宅療養するがん患者の皮膚症状とスキンケア  宇野育江
がん治療に関連する皮膚症状とスキンケア
 ●手術療法@手術療法における術後離開創のスキンケア  尾上光輝
 ●手術療法A外科的瘻孔のスキンケア 〜ストーマ造設患者のスキンケア〜  奈木志津子
 ●がん薬物療法における皮膚・爪障害への理解と支援  森岡直子
 ●放射線療法における皮膚炎のスキンケア  宮前奈央
がん患者にみられるそのほかの皮膚症状とスキンケア
 ●スキン-テア  佐藤雅恵
 ●リンパ浮腫,リンパ漏  高橋 純
 ●がん患者に発生する失禁関連皮膚炎  眞ア健太
 ●がん終末期の褥瘡  信坂佳美
 ●がん自壊創  飛澤貴子

連載
▼My Favorite Medicine!!【41】
エプコリタマブ(エプキンリ ®)  菅野かおり

▼リレーエッセイ
  ●がん看護CNS 奮闘中!
   〜理想と現実のギャップを乗り越える!!〜 【6 教育的立場からがん看護CNS に望むこと】 問いをもち続けることの大切さ  田村恵子
▼ガイドラインを読み解いて活かす! がん患者の精神・心理ケア【2】
  がん医療における患者・看護師・医師のコミュニケーション力を高める取り組み
  〜「がん医療における患者-医療者間のコミュニケーションガイドライン 2022 年版」を読み解く〜  中嶋祥平,重野朋子,白井由紀
▼遺族の声を臨床に活かす 〜J-HOPE4 研究(多施設遺族調査)からの学び〜【26 遺族の回答の一致度】
  付帯研究36 患者の症状および行われた医療行為・説明に対する遺族の認識の 正確さに関する研究  伊藤里美,浜野 淳
  付帯研究41 遺族と医師によるGood Death Scale の一致度の検討  近藤うた
▼がん薬物療法看護のWhat's Trending! Past ☞ Current ☞ Future 【33】
  がん薬物療法看護の知識をbrush up しましょう!(問題と解説)
    〜What's Trending に取り上げた話題から〜  菅野かおり
▼直腸がん患者への術前アプローチとストーマ・排便障害のリハビリテーション【6・最終回】
  直腸がん手術を受ける患者のストーマ・排泄リハビリテーション  松原康美
▼壁を越えた先へ! チーム医療の実践力【新連載】
  連載にあたって  山上睦実
  緩和ケアチーム看護師の立場からみる緩和ケアチームにおけるチームビルディング  山上睦実
  妊孕性喪失を体験したAYA 世代がん患者の看護  富山淳江

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次号予告

特集にあたって

 最新がん統計によると,2009〜2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は64. 1%で,2人に1人は生涯のうち一度はがんに罹患し,3 人に1人はがんで亡くなる時代です.がんの罹患は年間100 万例を超えており,年々増加しているにもかかわらず死亡者数は横ばいであることは,検診による早期発見が認識されてきたこと,新たな治療方法や治療薬が開発され,医療の目覚ましい進歩を遂げていることが要因であるといえます.

 がん患者の皮膚が損傷しやすくなる要因には,生理的要因(加齢),疾患的要因,環境的要因(乾燥,喫煙,スキンケア習慣など),治療的要因(薬剤,放射線など)が挙げられます.

 これらの皮膚障害の多くは,生命に直結するような症状になることはありません.しかし,皮膚障害があることで生活の質(QOL)を著しく低下させ,他者に見られることのみならず,自分自身を鏡で見ることで大きな精神的苦痛となることがあります.そのため,スキンケアは,皮膚の健康状態だけでなくQOLを維持するために不可欠な技術なのです.とはいえ,どのようなケアがよいスキンケア,正しいスキンケアかは一言では表しきれません.なぜなら,続けられないスキンケアは,その人にとって正しいスキンケアではないからです.個々で皮膚の状態や生活の状況が異なるため,無理なく継続できるケアでなくてはならないと考えます.

 本特集は,がんの治療を終えた患者もしくは治療継続中の患者が,日常生活へ戻る過程で抱えるスキンケアの課題や不安に着目していきます.退院をして在宅に移行しても継続したスキンケアを実践するために,基礎知識から,さまざまな皮膚トラブルを想定した実用的なスキンケアやその指導についての提案をします.日々の実践に活かすヒントになれば幸いです.

森岡直子(静岡県立静岡がんセンター認定看護師教育課程)

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