がん看護≪隔月刊≫
症状マネジメント 〜症状のメカニズムを理解し,ケアに活かす!〜(Vol.30 No.3)2025年5-6月号

- 商品説明
- 主要目次

特集にあたって
現在,がん治療はがんの種類や進行度に応じて,手術療法,薬物療法,放射線療法などのさまざまな治療を組み合わせる集学的治療が基本となっています.そのため,手術終了後に再発転移予防を目的とした補助療法が続くこともあり,手術が終われば治療終了とは限らない場合があります.
また,手術療法に関しては,平均入院日数が短くなりつつあります.以上のように,がん患者は治療の副作用や症状をコントロールしながら,通院で治療を続けている状況が増えてきています.
このような状況から,通院治療を継続するがん患者が症状をコントロールしていくことは,生活の質向上を目指すうえでも重要であると考えます.皆さんも,日頃がん看護を実践するなかで,さまざまな薬物による副作用や病状による症状に対して,症状コントロールができるようケアを実践し,がん患者自身がセルフケアできるよう教育的かかわりを行っていると思います.そうした中,症状コントロールに難渋しているにもかかわらずケアがパターン化しているものや,症状のある患者にどのようなケアが患者の安楽につながるのか悩む場面があると思います.
今回の特集では,臨床現場で出会うことが多い症状に焦点を当てて解説しました.また,各症状の解説では,具体的な事例を挙げて,症状メカニズムについて詳しく解説したうえで,アセスメントのポイントや症状の評価尺度を概説し,提示した事例では実際どのようにアセスメントを行うかを紐解く構成としています.そして,各症状で使用される薬剤の特性やケアのエビデンスについても取り上げています.
本特集をとおして,読者の皆さまの各症状メカニズムの理解が深まり,症状マネジメント力が高まることを期待し,ひいてはケアに活かされることを心より願っています.
特集
症状マネジメント 〜症状のメカニズムを理解し,ケアに活かす!〜 編集:鴨川郁子
●特集にあたって 鴨川郁子
●疼痛 〜緩和期〜 小泉純子,鴨川郁子
●疼痛・麻痺(骨転移であらわれる症状) 〜緩和期(放射線治療) 〜定塚佳子
●しびれ 〜治療期〜 片岡綾華
●便秘 〜治療期〜 三浦よし子
●腹部膨満 〜緩和期〜 田村里佳
●呼吸困難 〜緩和期〜 丸山直美
●下痢 〜治療期〜 宮崎絢子
●消化管閉塞 〜緩和期(進行がん患者)〜 松井美佐保
●倦怠感 〜治療期〜 三澤貴代美
●脱毛 〜治療期〜 竹内抄與子
特別寄稿
専門的緩和ケアに従事する看護師に求められる思考と態度をいかに育むか 高野純子
連載
▼My Favorite Medicine!!【38】
ポラツズマブ ベドチン(ポライビー®) 菅野かおり
▼リレーエッセイ
●がん看護CNS奮闘中!
〜理想と現実のギャップを乗り越える!!〜【3 更新後:ギャップをどう乗り越えたか,大事にしていること@】
OCNSとして深みを生み出す経験 木原円子
▼臓器別がん 最新のエビデンスに基づいた薬物療法と看護の実践【19】
脳腫瘍 田部井勇助
▼遺族の声を臨床に活かす 〜J-HOPE 4研究(多施設遺族調査)からの学び〜【23 家族と仕事】
付帯研究29 死別後悲嘆・複雑性悲嘆に伴う生産性低下(労働損益) 細川 舞,藤澤大介,伊藤正哉,中島聡美,竹林由武
付帯研究30 終末期がん患者を介護する家族の介護休暇および介護休業制度の利用状況と
その利用を阻害する因子(バリア)に関する調査 田中雄太,関根龍一
▼がん薬物療法看護のWhat's Trending! Past☞Current☞Future【30】
新規に承認されたがん薬物療法薬in 2024 〜薬の特徴を知って必要な看護支援を考える〜 菅野かおり
▼直腸がん患者への術前アプローチとストーマ・排便障害のリハビリテーション【3】
回腸ストーマに関連する合併症と対策 松原康美
今月の症例
その人らしさを支えるホスピス住宅での暮らし 〜人生の最終段階における医療・ケアの決定〜 中嶋 恵
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