弊社著作物を利用したAI開発・学習等に関する考え方

弊社著作物を利用したAI開発・学習等に関する考え方

弊社著作物を利用したAI開発・学習等に関する考え方

 昨今のAI技術等の進歩は目覚ましく、AI技術等を適正に利用することは新たな価値創造に寄与する可能性があります。医学・医療の分野においても、AI技術等を活用することによる、研究・診療・教育等の質の向上を目指した各種の取り組みが行われています。AI技術等の開発においては、大量のデータによる学習が必要とされます。また、学習の精度を高めるために学習用データの質が重視されています。

 学術出版社から発行される書籍、雑誌、電子コンテンツ等の著作物は、その制作過程において、著作者と出版社が独自性や正確性、明瞭性等に関して入念に検討・確認を行っています。そのため、学術出版社から発行される著作物もAIの精度を高める良質な学習用データとして期待されています。

 一方で、AI開発・学習等における著作物の利用内容等によっては著作権侵害を引き起こす可能性があり、注意が必要です。この点に関して、関係省庁より、AI開発・学習等と著作権に関する考え方(文化審議会著作権分科会法制度小委員会『AIと著作権に関する考え方について』令和6年3月)やガイダンス(文化庁著作権課『AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス』令和6年7月)等が公表されています。

 弊社は医学・医療専門の学術出版社として、医学・医療の発展に貢献すべく、多くの書籍、雑誌、電子コンテンツ等の著作物を制作・発行しています。AI技術等の進展により、知識・情報の有り様が変わりつつある現状においても、医学・医療への貢献を目指す弊社の理念は変わりません。他方、弊社の著作物は著作者とともに創作したものであり、この権利を保護し、著作者の創作活動を支援することが重要と考えています。

 そこで、AI技術等の開発が進む現状における弊社著作物を利用したAI開発・学習等に関する考え方について以下にまとめます。これら考え方に関しては、今後のAI技術等の進歩や関係する法令・公的文書等を踏まえ、必要に応じて検討・改訂を行います。

1. AI開発・学習等における著作物の利用について

AI開発・学習等に著作物を利用する場合には十分な注意が必要です。著作権法にはAI開発・学習等に関わる権利制限規定が存在しますが、「非享受目的での利用」(著作権法第30条の4)、「情報解析の結果提供に付随した軽微利用」(著作権法第47条の5)における権利制限の適用範囲は限定的です。また、いずれの規定にも「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りではない」という但し書きがあります。これは、主に「著作権者の著作物の利用市場と衝突するか」、「将来における著作物の潜在的市場を阻害するか」という観点から判断されるものであり、その解釈を誤ると権利侵害が生じる可能性があります。


 弊社は現在の出版(電子コンテンツ含む)を中心とした事業に加え、当社が権利を有する著作物を活用した新たな事業に関して検討しており、AI開発・学習等への活用も視野に入れています。そのため、AI開発・学習等を目的として無許諾で弊社著作物を利用することは、著作権者の利益を不当に害する可能性が高いと考えています。

2. AI開発・学習等において弊社著作物の利用をお考えの方へ

弊社は、著作者の労作を書籍・雑誌等の出版物(電子コンテンツ含む)にして世に送り出し、その権利を保護し、そしてその対価を著作者へ適正に還元することによって著作者の創作活動を支援しています。これは弊社にとって事業の根幹に関わる重要な責務です。そのため、AI開発・学習等においても著作権者および著作者の権利が侵害されることは断じて容認できません。


 一方で、弊社の良質で信頼ある著作物を、適切な形でAI開発・学習等にご活用いただくことは、社会の技術発展、また医学・医療の発展への貢献につながるものと考えています。


 つきましては、AI開発・学習等で弊社著作物の利用をお考えの方は、以上をご理解のうえ、必ず事前に下記連絡先へご相談くださいますようお願い申し上げます。正規ライセンスのご提供や協業等の検討を行ってまいります。

皆様のご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

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