教科書

健康・栄養科学シリーズ

人体の構造と機能及び疾病の成り立ち 総論改訂第2版

監修 : 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
編集 : 香川靖雄/近藤和雄/石田均/門脇孝
ISBN : 978-4-524-26028-7
発行年月 : 2013年8月
判型 : B5
ページ数 : 358

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

解剖生理学、生化学、病理学、医学概論、臨床医学を一つに統合した、管理栄養士にとって必要不可欠な医学入門テキスト。総論では、解剖生理学、遺伝子、生化学、疾病の考え方、また臨床医学の基礎となる診断、検査、治療まで、系統的に学習できるよう構成。改定管理栄養士国家試験出題基準に沿い、章立てを更新し、「時間栄養学」など最新トピックを追加した。管理栄養士課程基礎・臨床医学教科書の決定版。

第1章 人体の構造と生命機能
 A.人体の構造
 B.生体分子の構造と機能
 C.遺伝子
 D.人体生理概論−情報伝達の機序
第2章 代謝の調節機構とその維持
 A.人体の代謝調節
 B.内的環境と時間栄養学
第3章 タンパク質・アミノ酸の代謝
 A.タンパク質・アミノ酸代謝の概要
 B.可欠アミノ酸(非必須アミノ酸)の生合成
 C.タンパク質・アミノ酸の異化
 D.アミノ酸の特殊生成物への変換
第4章 糖質と脂質の化学
 A.糖質の化学
 B.脂質の化学
第5章 糖質の代謝
 A.糖質代謝の概要
 B.解糖
 C.クエン酸回路・酸化的リン酸化
 D.糖新生
第6章 脂質の代謝
 A.脂質代謝の概要
 B.脂肪酸の生合成とその酸化
 C.不飽和脂肪酸の代謝
 D.エイコサノイドの代謝
 E.アシルグリセロール、リン脂質、糖脂質の代謝
 F.脂質の輸送と蓄積
 G.コレステロールの合成・輸送・蓄積
第7章 ビタミンの化学と代謝
 A.ビタミンの構造と機能
 B.ビタミンの代謝と生体機能
第8章 無機質(ミネラル)の化学と代謝
 A.無機質の分類と機能
 B.骨・歯と無機質代謝
 C.無機質と生体機能
第9章 疾病の成り立ち
 A.老化と死
 B.組織・細胞に生じる異常
 C.腫瘍
 D.生活習慣病の誘因と病態
第10章 臨床診断の基本
 A.一般的診察
 B.主な症候
第11章 臨床検査の基本
 A.検体の種類と採取方法
 B.基準値
 C.一般臨床検査
 D.血液学検査
 E.生化学・免疫学検査
 F.微生物検査
 G.生体機能検査
 H.画像検査
第12章 疾患治療の基本
 A.治療の種類
 B.治療の計画と評価
 C.治療の方法
 D.終末期患者の治療
 E.救急救命診療
 F.根拠(エビデンス)に基づいた医療
参考図書
和文索引
欧文索引

本書は、管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)が更新された平成14年から企画され、第20回国家試験が行われた平成17年度に第1版が出版され、すでに8年を経過した。本書には解剖学、生理学、生化学、病理学、食事療法に不可欠な臨床医学が含まれている。平成25年の出題200題の大体の傾向を分類してみると、生化学7題、解剖生理学・臨床医学等23題、基礎栄養学15題、応用栄養学16題があり、さらに臨床栄養学が約30題であり、本書はこれらの理解に不可欠な知識を解説してある。これに対応して、上記出題基準の大、中、小の全ての項目を関連づけ、図解も加えて理解しやすい記述となっている。
 従来の栄養学は推奨量中心であったが、時間栄養学の発展は著しく、時計遺伝子も出題されたため、今回の改訂では、改定国家試験出題基準(平成22年12月)に対応させ、時間栄養学を総論第2章に加える、また各論では新たな疾患を追加するなど多くの更新を行った。本書に含まれない内容で出題されたのは、平成24年の国家試験の放射能に関するBq,Sv 等の3題であって、原子炉事故後の現場の混乱を反映している。今後、災害に対応して必要とされる知識も出題される可能性がある。
 一方、本書第1版出版以降の間の社会の変動は大きく、少子高齢化が著しく進み、団塊世代が高齢期を迎えるに及んで、医療介護費は激増し、平成24年には要介護者は530万人、認知症患者は462万人に達した。また、透析患者30万人、胃ろう患者45万人の大半は離脱の可能性が少ない。したがって、これらの予防、治療、終末期に管理栄養士の果たす役割は大きい。このような背景のもと、平成25年4月から、健康日本21(第2次)が、第1次の同計画の改善点をふまえた形で企画され、主目標を「健康寿命(Healthspan)の延伸」に置いて新たに発足することとなった。
 病院、高齢者施設の給食には患者、利用者への栄養アセスメントが不可欠となったが、その理由の1つが、70歳以上の高齢者には著しい個人差があり、食事摂取基準を仮に80歳、90歳で定めても個々の症例とは乖離があるからである。栄養アセスメントに厳しく要求されるのは、人体の構造と機能及び疾病の成り立ちの知識である。なぜなら、管理栄養士が中心となってNST(ニュートリションサポートチーム)を医師、薬剤師、看護師と共に運営するために、本書の知識を理解し、過去の献立作成中心の栄養士の時代から脱却しなければならないからである。本シリーズ企画の中心となって下さった田中平三先生を理事長として、筆者も参画して昨年には日本栄養学教育学会(Japanese Association of Nutritional Science Education:JANE)が発足したのも、正にこのような時代の要請に応えるためである。
 これらの新しい潮流も見据えながら、本書の改訂を続けて行きたいと考えている。

平成25年7月
編集者を代表して
香川靖雄