教科書

看護学テキストNiCE

疾病と治療III

腎・泌尿器系/脳・神経系/精神/女性生殖器系/小児

総編集 : 松田暉/荻原俊男/難波光義/鈴木久美/林直子
ISBN : 978-4-524-25388-3
発行年月 : 2010年11月
判型 : B5
ページ数 : 460

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

よりよい看護実践に必要な症状・徴候、疾病、診断・治療方法、臨床検査の知識を網羅し、看護基礎教育から卒後の臨床までを支えることを意図したテキスト(全5分冊)。本巻「疾病と治療III」は、腎・泌尿器系、脳・神経系、精神疾患、女性生殖器系、小児の5章構成。図や表を多く用いて最新の知見をわかりやすく解説。冒頭にカラー口絵としてネッターの解剖生理図を掲載。

第XII章 腎・泌尿器系の症状・徴候と疾患
 1.腎臓系の症状・徴候
  A.タンパク尿
  B.血尿
  C.糖尿
  D.尿沈渣
  E.尿毒症
 2.泌尿器・男性生殖器系の症状・徴候
  A.全身症状
  B.身体および検査所見の異常
  C.性機能の異常
  D.精液の異常
 3.腎疾患
  A.電解質代謝異常
  B.急性糸球体腎炎
  C.慢性糸球体腎炎
  D.IgA腎症
  E.紫斑病性腎炎
  F.半月体形成性糸球体腎炎
  G.ネフローゼ症候群
  H.急性腎不全
  I.慢性腎不全
  J.尿細管間質性腎炎
  K.糖尿病性腎症
  L.ループス腎炎
  M.多発性嚢胞腎
 4.泌尿器・男性生殖器系疾患
  A.先天性尿路疾患
  B.尿路性器感染症
  C.尿失禁・神経因性膀胱
  D.尿路結石症
  E.尿路閉塞・水腎症
  F.前立腺がん
  G.腎がん
  H.尿路上皮がん(膀胱がん、腎盂・尿管がん)
  I.精巣腫瘍
  J.尿路性器外傷
  K.男性不妊症
  L.性機能障害
  M.腎移植
  N.副腎・後腹膜の疾患
  O.泌尿器系疾患の外科的治療法
  P.泌尿器系のがんに対する非外科的治療法

第XIII章 脳・神経系の症状・徴候と疾患
 1.脳・神経系の症状・徴候
  A.意識障害
  B.けいれん
  C.頭痛
  D.頭蓋内圧亢進
  E.めまい
  F.運動失調
  G.不随意運動
  H.パーキンソニズム
  I.運動麻痺
  J.筋力低下・筋萎縮
  K.感覚障害
 2.神経内科系疾患
  A.ウイルス性脳炎
  B.髄膜炎
  C.クロイツフェルト・ヤコブ病(プリオン病)
  D.ヒトTリンパ球向性ウイルス脊髄症
  E.脳梗塞
  F.一過性脳虚血発作
  G.慢性脳循環不全症
  H.高血圧性脳症
  I.パーキンソン病
  J.本態性振戦
  K.ハンチントン病
  L.脊髄小脳変性症
  M.筋萎縮性側索硬化症
  N.多発性硬化症
  O.多発神経炎
  P.ギラン・バレー症候群
  Q.神経痛
  R.末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)
  S.周期性四肢麻痺
  T.自律神経失調症
  U.進行性筋ジストロフィー
  V.ミトコンドリア脳筋症
  W.重症筋無力症
 3.脳神経外科系疾患
 [病態生理と診断・治療]
  A.頭部外傷
  B.くも膜下出血
  C.脳出血
  D.成人に好発する悪性脳腫瘍
  E.成人に好発する良性脳腫瘍
  F.小児に好発する脳腫瘍
  G.機能的脳神経外科疾患
  H.小児脳神経外科疾患
  I.脳膿瘍
 [手術と術後管理]
  J.一般的な開頭術
  K.穿頭術
  L.経蝶形骨洞手術
  M.神経内視鏡手術
  N.脳室腹腔短絡術
  O.脳深部刺激療法
  P.脳血管内治療
  Q.超急性期脳梗塞に対する血栓溶解療法

第XIV章 精神の症状・徴候と疾患
 1.精神の症状・徴候
  A.不眠
  B.過眠
  C.幻覚・妄想
  D.抑うつ
  E.不安
  F.興奮・暴力
  G.犯罪・非行・触法
  H.慢性疼痛
  I.自殺企画・自殺
  J.精神遅滞
  K.健忘・記憶障害
  L.失語
  M.失行
  N.失認
  O.遂行機能障害
  P.不定愁訴
 2.精神疾患
  A.身体疾患・物質による精神障害
  B.アルコールによる精神障害
  C.アルツハイマー病
  D.レビー小体型認知症
  E.前頭側頭葉変性症
  F.大脳皮質基底核変性症
  G.進行性核上性麻痺
  H.正常圧水頭症
  I.血管性認知症
  J.せん妄
  K.統合失調症
  L.気分障害
  M.不安障害
  N.てんかん
  O.身体表現性障害
  P.虚偽性障害
  Q.解離性障害
  R.性障害、性同一性障害
  S.摂食障害
  T.睡眠障害
  U.パーソナリティ障害

第XV章 女性生殖器系の症状・徴候と疾患
 1.女性生殖器系の症状・徴候
 [乳腺系の症状・徴候]
  A.乳房のしこり
  B.乳頭異常分泌
 [婦人科系の症状・徴候]
  C.下腹部痛
  D.帯下
  E.不正性器出血
  F.月経異常
  G.更年期障害
 2.女性生殖器系疾患
 [乳腺疾患]
  A.乳腺症
  B.乳腺炎
  C.乳がん
 [婦人科系疾患]
  D.子宮内膜症
  E.子宮筋腫
  F.子宮頸がん、子宮体がん
  G.卵巣腫瘍
  H.不妊症、不育症

第XVI章 小児の症状・徴候と疾患
 1.小児の症状・徴候
  A.小児の特性
  B.発熱
  C.けいれん
  D.脱水
  E.浮腫
  F.咳・喘鳴・呼吸困難
  G.頭痛
  H.腹痛
  I.嘔吐
  J.下痢
  K.発疹
  L.発育不全症
  M.低身長
  N.新生児の症候
 2.出生前・新生児の疾患
  A.新生児仮死
 [新生児呼吸器疾患]
  B.呼吸窮迫症候群
  C.新生児一過性多呼吸
  D.胎便吸引症候群
  E.慢性肺疾患
  F.無呼吸
  G.新生児遷延性肺高血圧症
 [新生児中枢疾患]
  H.頭蓋内出血
  I.脳室周囲白質軟化症
  J.軟部組織の損傷
  K.新生児壊死性腸炎
 [新生児感染症]
  L.新生児敗血症、髄膜炎
  M.TORCH症候群
  N.MRSA感染症、新生児TSS様発疹症
 [そのほかの新生児疾患]
  O.黄疸(高ビリルビン血症)
  P.新生児低血糖
  Q.染色体異常
 3.小児の代謝性疾患
 [先天的な代謝性疾患]
  A.先天性代謝異常症総論
  B.アミノ酸代謝異常
  C.糖代謝異常
  D.脂質代謝異常
  E.ムコ多糖代謝異常
  F.金属代謝異常
 [後天的な代謝性疾患]
  G.糖尿病
  H.低血糖症
  I.アセトン血性嘔吐症
 4.小児の内分泌疾患
  A.成長ホルモン分泌不全性低身長症
  B.尿崩症
  C.甲状腺機能低下症
  D.甲状腺機能亢進症
  E.副甲状腺機能低下症
  F.偽性副甲状腺機能低下症
  G.副甲状腺機能亢進症
  H.副腎機能低下症
  I.副腎機能亢進症
  J.バーター症候群
  K.思春期早発症
  L.思春期遅発症
  M.性分化異常症
 5.小児の神経疾患
  A.熱性けいれん
  B.てんかん
  C.憤怒けいれん(泣き入りひきつけ)
  D.脳性麻痺
  E.髄膜炎
  F.脳炎・脳症
 6.小児の運動器疾患
  A.先天性股関節脱臼
  B.筋ジストロフィー
  C.重症筋無力症
 7.小児の精神疾患
  A.虐待
  B.発達障害
  C.摂食障害
  D.不登校
  E.チック
 8.小児のアレルギー・結合組織病
  A.アレルギー
  B.気管支喘息
  C.食物アレルギー
  D.全身性エリテマトーデス
  E.若年性特発性関節炎
 9.小児の感染症
 [ウイルス感染症]
  A.麻疹
  B.風疹
  C.流行性耳下腺炎
  D.突発性発疹
  E.伝染性紅斑
  F.水痘、帯状疱疹
  G.単純ヘルペス感染症
  H.伝染性単核症
  I.手足口病
  J.ヘルパンギーナ
  K.プール熱
 [細菌感染症]
  L.百日咳
  M.破傷風
  N.溶連菌感染症
  O.敗血症
  P.結核
  Q.寄生虫感染症
 10.小児の呼吸器疾患
 [上気道疾患]
  A.急性上気道炎
  B.急性咽頭扁桃炎
 [咽頭・気管・気管支疾患]
  C.先天性喘鳴
  D.クループ症候群
  E.急性気管支炎
  F.急性細気管支炎
 [肺疾患]
  G.肺炎
 [胸膜・縦隔疾患]
  H.気胸
 11.小児の循環器疾患
 [先天性心疾患]
  A.心室中隔欠損症
  B.心房中隔欠損症
  C.房室中隔欠損症
  D.動脈管開存症
  E.肺動脈狭窄症
  F.大動脈縮窄症
  G.ファロー四徴症
  H.三尖弁閉鎖症
  I.総動脈幹症
  J.完全大血管転位症
  K.総肺静脈還流異常症
  L.エブスタイン奇形
 [後天性心疾患]
  M.感染性心内膜炎
  N.心筋炎
 [そのほかの循環器疾患]
  O.川崎病
  P.不整脈
  Q.起立性調節障害
 12.小児の腎・泌尿器疾患
  A.急性糸球体腎炎
  B.慢性糸球体腎炎
  C.ネフローゼ症候群
  D.IgA腎症
  E.紫斑病性腎炎
  F.アルポート症候群
  G.慢性腎不全
  H.細菌性尿路感染症
  I.そのほかの腎・泌尿器疾患
 13.小児の消化器疾患
 [食道疾患]
  A.先天性食道閉鎖症
  B.先天性食道狭窄症
  C.胃食道逆流症
 [胃・十二指腸疾患]
  D.肥厚性幽門狭窄症
  E.胃軸捻転症
  F.先天性十二指腸閉鎖症
 [横隔膜疾患]
  G.先天性横隔膜ヘルニア
 [肝臓・胆道疾患]
  H.胆道閉鎖症
  I.先天性胆道拡張症
  J.新生児肝炎症候群
 [小腸・大腸疾患]
  K.先天性小腸閉鎖症・狭窄症
  L.腸回転異常症
  M.ヒルシュスプルング病
  N.鎖肛
  O.腸重積症
  P.急性虫垂炎
  Q.肛門周囲膿瘍
 [腹膜・腹壁疾患]
  R.臍帯ヘルニア
  S.臍ヘルニア
  T.外鼠径ヘルニア
 [消化管感染性]
  U.急性腸炎等感染性腸疾患
 14.小児の血液疾患
  A.小児の血液疾患
  B.貧血
  C.特発性血小板減少性紫斑病
  D.血友病
  E.ビタミンK欠乏症
  F.血管性紫斑病
  G.白血病
  H.悪性リンパ腫
  I.好中球の質的・量的異常症
 15.小児の腫瘍疾患
  A.小児の腫瘍疾患
  B.神経芽腫
  C.ウィルムス腫瘍(腎芽腫)
  D.肝芽腫
  E.性腺腫瘍、胚細胞腫瘍
  F.骨肉腫
  G.横紋筋肉腫
  H.ユーイング肉腫
  I.小児の良性腫瘍

索引

医療を取り巻く環境が大きく変わりつつあるなかで、医学と関連医療技術の進歩は各々の医療分野の専門性を強くしてきています。一方では社会の高齢化が進み、介護や在宅管理、地域に密着した医療や終末期医療の在り方も社会的問題になってきています。そのなかで、安心、安全、そして全人的医療、チーム医療の推進が求められ、医療専門職者の教育においてもそれらが重要となっています。国も2008(平成20)年に「安心と希望の医療確保ビジョン」を発表し、医療従事者の役割については職種間の協働とチーム医療の充実を謳っています。看護師を含め、医療専門職者がお互いに専門性を尊重しつつ、情報の共有を進め、緊密な連携、協働体制が重要になってきます。さらに2010(平成22)年3月に、国の「チーム医療の推進に関する検討会」が報告書をまとめ、チーム医療の推進には各医療スタッフの専門性の向上、役割の拡大、が盛り込まれています。このなかで、専門的実践能力を有する看護師の育成ということで、特定看護師(仮称)制度が提唱されています。このように、安心、安全の医療のための専門職者の質の向上、責任分担の明確化、チーム医療の推進が求められるとともに、より高度の医療専門職者を育成する社会的動きが活発になってきています。
 振り返って現実をみますと、看護の領域では基本としての「よき看護実践」がいっそう重要になっています。そのためには、単に対象の医学的理解にとどまらず、対象がかかえている医学的問題(疾病や障害)の十分な理解が必要で、それなくしては的確なケアの判断とその実践は保証されません。とくに臨床医学の日進月歩の歩みのなかで高度化・専門化が進んでいる今日、従来にも増して、看護にはより広く、より深い医学的知識が求められているといえます。
 本書は、こうした問題意識を背景に、臨地実習も含むこれからの卒前の看護基礎教育を支えるテキストとして、また、卒後の新人看護師の臨床研修にも役立つものとして、看護学テキストNiCEの一翼を担うべく企画されました。初学者である看護学生を対象とした疾患、症状・徴候、ならびに臨床検査への理解をうながすのみならず、新人看護師が臨床現場で専門分野の知識を再度学習する際のテキストとして、さらに看護師の生涯教育のなかでも活用できるよう、幅広くまた専門性も高くしながら、かつ読みやすく理解しやすいよう配慮しました。本シリーズ『NiCE疾病と検査』『NiCE疾病と治療I〜IV』が看護学生、看護師、そして関連する医療職者の皆様の多様な臨床や地域保健の日常業務において、疾患の基礎的知識や検査の目的の理解を助け、ひいては安全な医療の推進、質の向上、そして優れたチーム医療実践に活用して頂ければ幸甚であります。
2010年7月
兵庫医療大学学長
大阪大学名誉教授
松田暉