書籍

ステップで判読!心電図

: 奥村謙
ISBN : 978-4-524-24387-7
発行年月 : 2007年6月
判型 : B5
ページ数 : 214

在庫あり

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

著者の豊富な経験から編み出された独特の“判読ステップ”で、難解な心電図を明快に判読していくユニークな実践書。7つの判読ステップを理解し、そのステップに沿って実際に判読することで、心電図判読をマスターできる。基本事項や心電図理解のための最低限の心臓電気生理学も平易に解説。他の心電図判読本で満足できない研修医・内科医に必ず役に立つ一冊。

第1章 心臓の興奮伝播と心電図の成り立ち
 1 刺激伝導系と興奮の伝播
 2 興奮伝播と心電図のフレ
 3 標準12誘導心電図

第2章 心電図判読法とは(概要)
 1 心電図判読は難しくない
 2 ステップによる判読アルゴリズム
 3 ステップによる判読の実際

第3章 心電図をステップで判読しよう
 ステップ1 横方向に読んでリズムを捉えよう
 ステップ2 不整脈を解析・診断しよう
 ステップ3 調律、P波の形、PQ間隔、QRS幅、QT間隔を評価しよう
 ステップ4 四肢誘導を縦方向に読もう(QRS電気軸の診断)
 ステップ5 縦方向に見て虚血性変化を読もう
 ステップ6 P波に注目しよう(心房負荷の診断)
 ステップ7 QRS波の波高に注目しよう(電位高と心肥大の診断)

第4章 その他の判読に必要な異常所見
 1 電解質異常
 2 薬剤の影響
 3 その他の心電図異常

第5章 ステップ応用編
 1 期外収縮
 2 頻拍(1)
 3 頻拍(2)
 4 頻拍(3)
 5 頻拍(4)
 6 頻拍(5)
 7 徐脈(1)
 8 徐脈(2)
 9 徐脈(3)
 10 徐脈(4)
 11 伝導障害(1)
 12 伝導障害(2)
 13 虚血(1)
 14 虚血(2)
 15 虚血(3)
 16 虚血(4)
 17 虚血(5)
 18 その他の心電図異常(1)
 19 その他の心電図異常(2)
 20 その他の心電図異常(3)
 21 その他の心電図異常(4)

第6章 心電図と電気生理学の基礎・臨床
 1 心室内伝導障害と変行伝導
 2 頻拍の機序と心電図所見
 3 早期興奮症候群
 4 wide QRS tachycardiaの鑑別
 5 心筋虚血と壊死
 6 QT延長症候群と臨床的医意義
 7 左室負荷と左室肥大

心電図は胸部X線写真や血算・血液生化学とともに基本的な検査項目で、循環器疾患はもちろん多くの疾患の診療に必須の検査項目である。また、学童検診や職場検診などにおいても必須で、あらゆる医師は心電図の判読に精通しておく必要がある。さらに循環器疾患の診療に従事する看護師や臨床工学士、検査技師のコメディカルスタッフも基本的判読能力は備えておくべきであろう。一方、心電図は一般の画像診断と異なり視覚的な評価が困難で、不得手という理由から敬遠されやすいのも事実である。しかし、心電図で判定される異常所見の数や量は限られており、基本的な判読法を習得しておけば心電図診断は決して難しいものではない。
 著者は医学部学生時代より心電図に興味を持ち、ゴールドマンの「図解心電図学」を熟読し、その基礎を理解し、大学6年生になると虚血性心疾患や不整脈のほとんどを診断できるまでになった。これは心電図の基本を学び、判読のテクニックを習得したからに他ならない。この経験に基づき、弘前大学医学部の学生には、系統講義に引き続き、2週間の臨床実習において本書に示すステップによる判読法を教示している。当科には急性心筋梗塞や不整脈例が多数紹介され、心電図(教材)には事欠かない。毎週多数の新しい心電図を一定の手順で学生に判読させることにより、ほとんどの学生はかなりのレベルで判読できるようになっている。全国の大学医学部の中で、弘前大学医学部の学生ほど心電図を正確に判読できる大学はないのではなかろうか、と自負さえしている。この学生に対する教育を通して得た教訓は、一定の手順(ステップ)に従って判読すること、そして多くの心電図を同じステップで判読することである。幸いながら著者は、多くの虚血性心疾患例、多くの不整脈例を自ら診療する機会に恵まれた。
とくに弘前大学で急性心筋梗塞をこの11年間に1,500例以上経験したことは大きく、熊本大学やアラバマ大学時代を含めると、狭心症を1,000例以上、異型狭心症を200例以上、そして不整脈は数え切れないほど経験することができた。すべての症例で心電図を判読し、本書に示す判読法こそが最も正確かつ簡単な診断法と結論するに至ったわけである。本書は医学部学生からコメディカルスタッフ、研修医から一般内科医、そして循環器専門医までを対象として執筆したが、読者諸氏にはぜひ同様の判読法で心電図を解析していただきたい。
 本書の第1章にまず心電図理解のための基本的事項を解説し、第2章、第3章、第4章にステップによる判読法を解説した。第5章には応用編ともいえる症例を提示し、読者のいわゆる力試しとした。第6章には心電図と電気生理学の基礎・臨床を解説した。繰り返しになるが、本書には著者の30年以上にわたる心電図を通した診療と教育が凝縮されている。同じ判読法を習得され、確実な心電図診断法をマスターされ、臨床の場で活用していただければ幸いである。
2007年4月
奥村 謙