書籍

脳卒中治療マニュアル

編集 : 鈴木明文
ISBN : 978-4-524-24356-3
発行年月 : 2006年12月
判型 : B5
ページ数 : 122

在庫僅少

定価5,076円(本体4,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

かつては有効な治療法がほとんどなく自然経過をみることが多かった脳卒中であるが、近年の診断法、薬物療法、手術療法の進歩により治療成績が向上している。特に薬物療法においてはrt-PAが認可され、急速に普及していることから診療はより標準治療が確立されたと言える。本書は、治療指針、治療法、治療日程、転送基準、具体的な症例提示などを簡潔な記載・豊富な写真で解説した。

第1章 脳卒中の動向と治療目標の推移

第2章 脳卒中の診療体制
 A stroke care unit(SCU)
 B わが国の脳卒中診療体制
 C 当研究センターにおける診療体制

第3章 秋田脳研脳卒中診療部
 A 開設の目的
 B 脳卒中診療部の業務

第4章 脳卒中急性期の放射線学的検査指針

第5章 脳卒中急性期の治療指針
 A 秋田脳研における脳卒中急性期の治療指針の変遷
 B 高血圧性脳出血の急性期治療法と治療指針
 C 脳梗塞の急性期治療法と治療指針
 D 脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血

第6章 脳卒中患者の転送基準

第7章 解決すべき課題

秋田県立脳血管研究センター(秋田脳研)の開設は1968年である。当時は脳卒中の病態のほとんどが不明の時代であり、検査法、治療法も限られていたが、「発症したらすぐ医療機関へ搬入する」というキャンペーンを行い、急性期医療体制の確立を目指した。秋田脳研では開設当初から脳卒中専用の集中治療室を有し、正確な診断にもとづいて外科系と内科系医師が協力する急性期集中治療体制の重要性を提言していた。その後、医療技術や機器などの進歩に支えられ治療成績が向上してきたが、一方では急性期集中治療体制において外科系と内科系医師の協力関係がやや希薄になっていた。
 さらなる治療成績向上を目指すには体制の立て直しが必要と考え、約2年間の検討を経て当時センター所長であった上村和夫先生の英断で、1997年、脳卒中診療部が発足した。脳神経外科医と神経内科医の合同チームで発足し、現在は循環器科医と理学療法士が加わってチーム医療を行っている。脳卒中診療部では脳卒中の急性期医療を従来の診療科の枠を超えてチーム医療として行うが、各診療科の専門性を無視するわけではない。役割分担すべき部分と共通する部分を整理して、一人の脳卒中患者へ一人の医師の力ではなくチームの総合力を提供することを目標にしている。必然的に共通の治療指針を作成することにもなった。これらのことは決して順調に行えたわけではなく、いまだに多くの問題を抱えて四苦八苦している。
 本書では秋田脳研の診療体制と治療指針および指針に従った治療成績を紹介し、今後の課題についてもできるだけ整理した。最近は国を挙げて脳卒中医療の体制づくりが進み、2005年10月にはrt-PA静注による急性期血栓溶解療法も認可され、それらによる治療成績向上が見込まれている。若干先駆けてチーム医療を実践してきた秋田脳研の試みを参考にして診療に役立てていただければ幸いである。
 秋田脳研脳卒中診療部の生みの親である上村和夫先生は2004年1月逝去されました。謹んで本書をささげます。
2006年11月
鈴木 明文