雑誌

がん看護≪隔月刊≫

手術をめぐるがん看護(Vol.18 No.2)2013年1-2月増刊号

意思決定支援から術後リハビリテーション看護まで

発行年月 : 2013年2月
判型 : A4変
ページ数 : 224

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)

  • 主要目次
  • 序文

第T章 がん手術療法の“いま”
 がんに対する手術療法の特徴 齋藤信也
 がん治療における手術療法の意義 齋藤信也
 がん手術療法の変遷・発展と手術患者のQOL〜乳がん手術療法を中心に〜
   土井原博義
 がん手術療法の最前線 
   丹黒章、山本洋太、古北由仁、後藤正和、西野豪志、森本雅美
 高齢がん患者に対する手術療法 野中泰幸
第U章 がんに対する術式決定とインフォームドコンセント
 胃がん患者の術式決定とインフォームドコンセント 三村卓司
 直腸がん患者の術式決定とインフォームドコンセント 三村卓司
 乳がん患者の術式決定とインフォームドコンセント
   丹黒章、田所由紀子、中川美砂子、
   古川尊子、池田真由美、森本雅美、宮本佳美
 肺がん患者の術式決定とインフォームドコンセント 近藤和也
 高齢がん患者の術式決定とインフォームドコンセント 野中泰幸
 若年の女性生殖器がん患者の術式決定とインフォームドコンセント
   中塚幹也、児玉順一
 男性生殖器がん(精巣がん)患者の術式決定とインフォームドコンセント
   金山博臣
 再発を繰り返す悪性脳腫瘍患者とインフォームドコンセント 浅利正二
第V章 がん手術療法過程における看護の専門性
 手術療法にまつわる患者の意思決定過程への支援 国府浩子
 患者の権利の擁護 国府浩子
 術後の病理診断時の支援〜予想に反して進行がんであった場合〜 平田佳子
 手術療法による身体の形態・機能変化に応じた支援
  秋元典子、坂井淳恵、萱ひろみ、鹿嶋聡子
 がん医療チームの調整 雄西智恵美、玉村尚子
 がん手術患者家族の支援 近藤真紀子、島佐也加
第W章 周手術期にあるがん患者の看護
 A 術前の看護
  がん患者に対する術前看護〜「術前看護外来」の考えから〜 伊藤真理
  術前治療(化学療法・放射線療法)後に手術となるがん患者の支援 三木幸代
  がん患者のコントロール感を高める支援 佐々木吉子
  術前がん患者の身体の準備 坂出由美子
 B 術中の看護
  術中の安全・安楽の確保 板東孝枝
  術中迅速診断と標本の取り扱い 坂本文子
  待機している家族への支援 近藤真紀子、山口眞由美
 C 術後の看護
  術直後の支援 足羽孝子
  術後の苦痛緩和のための支援 坂出由美子
  高齢がん患者の術後せん妄の予防 今井芳枝
  術後イレウスと予防 鈴木幸子、辻あさみ
  縫合不全の予防 松原康美
  術後補助療法に向けた指導 大椛裕美
  術後のセルフケア支援 舘美加
第X章 がん手術患者に対するリハビリテーション看護
  リハビリテーション看護の特徴 森恵子
  喉頭がんで喉頭全摘術を受けた患者の看護 山内栄子
  乳がんで乳房切除術を受けた患者の看護 阿部恭子
  直腸がんでマイルズ法を受けた男性患者の看護 辻あさみ、鈴木幸子
  直腸がんで前方切除術を受けた患者の看護 佐藤正美
  胃がんで胃全摘術および消化管再建術を受けた患者の看護
   菅野久美、國只世都
  食道がんで食道切除術および食道再建術を受けた患者の看護 森恵子
  肺がんで肺切除術を受けた患者の看護 高取朋美、平松貴子
  婦人科がんで子宮全摘出術を受けた患者の看護
   秋元典子、渡辺陽子、山田奈奈
  舌がんで舌切除術を受けた患者の看護 山内栄子
  前立腺がん患者の看護〜排尿障害・性機能障害〜 舛田佳子
  乳房再建術を受けた患者の看護 阿部恭子
第Y章 対応がむずかしいがん手術患者看護の事例
 乳がん治療に対して拒否的な態度をとる不妊治療中の患者の看護 奥朋子
 転移性肺がんの手術を受ける大腸がん患者の看護 松原康美
 試験開腹となったすい臓がん患者の看護 シュワルツ史子
 腸閉塞による症状緩和目的で人工肛門造設術を受けた終末期がん患者の看護
   小山富美子
 悪性脳腫瘍の術後、人格変化をきたした患者の看護 小野佳子
 再発を繰り返し、そのたびに手術を受けるがん(脳腫瘍)患者の看護 小野佳子
 がんによる気道狭窄により緊急気管切開術を受けた患者の看護 町田美佳
索引

手術療法はがん治療の3大柱のひとつですが、これまでは周手術期看護の1領域として取り扱われることがほとんどでした。がんに対する手術療法は、根治性がもっとも高い治療方法であり、がん患者は“がんとの決別”のために手術に対して大きな期待をもっています。しかし、がんを根治するためには病巣の切除だけでなくリンパ節郭清が必要になることがほとんどであり、臓器の喪失や機能低下、外観の変化に加えて後遺症や機能障害を残すことがあります。また、近年は集学的治療としてほかの治療方法と組み合わせて手術が行われるようになっており、がん患者はより多くの情報のなかで手術の意思決定を求められるようになっています。それに伴い看護師には、術前化学療法や放射線療法による身体侵襲を考慮した周手術期看護の提供が求められています。したがって、がん患者の長期にわたる治療・療養生活に対して一貫した継続的支援を提供するためには、周手術期看護の1領域としてではなく、がん手術療法看護としてとらえなおすことが大切です。
 本書はこのような意図から、進歩の著しいがん手術療法に対する理解を深め、集学的治療のなかで手術を選択したがん患者のQOLの維持・向上に貢献できる看護実践者の参考資料となるよう以下のような構成としました。
第T章 がん手術療法の“いま”
 がん手術療法に対する医学的知識を深められるようがん手術療法の特徴と意義、最新の手術療法などを概説する。
第U章 がんに対する術式決定とインフォームドコンセント
 がん患者が自分にとって利益となる治療方法を、納得して選択できるように看護師が支援するために、術式決定がどのようにされるのか、またインフォームドコンセントのプロセスについて概説する。
第V章 がん手術療法過程における看護の専門性
 周手術期看護一般ではなく、がんで手術を受ける患者の看護の専門性について概説する。
第W章 周手術期にあるがん患者の看護
 がんで手術を受ける患者の術前・術中・術後の特徴的な看護について概説する。
第X章 がん手術患者に対するリハビリテーション看護
 手術により形態・機能の変化や喪失、あるいは低下をきたした患者の生活再構築に向けた看護を、がんリハビリテーションの視点からとらえた援助方法を概説する。
第Y章 対応がむずかしいがん手術患者看護の事例
 臨床でよく遭遇する複雑な問題をもったがん手術患者の援助方法について概説する。

 がんの治療は日進月歩で、がん患者・家族の看護に携わる看護師は日々その情報をup to dateしていかねばなりません。本特集は“手術をめぐるがん看護のいま”がみえる最新情報などを含めて、雑誌らしい実践的な特集にしたいという願いから生まれたものです。がん手術患者と家族の看護に携わる看護実践者にとって役立つ1冊となることを願っています。

2013年2月
雄西智恵美
秋元典子