書籍

総合診療力を磨く「40」の症候・症例カンファレンス

臨床推論の達人を目指せ!

監修 : 百村伸一
編集 : 加計正文/神田善伸/小山信一郎
ISBN : 978-4-524-26737-8
発行年月 : 2014年4月
判型 : A5
ページ数 : 280

在庫あり

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

自治医科大学附属さいたま医療センターで全内科系医師により実施されている“総合回診(カンファランス)”で取り上げた症候・症例を精選して書籍化。研修医と指導医による臨場感あふれる対話形式がわかりやすい『症例編』と、重要な症候において念頭に置くべき事項などをわかりやすく解説した『症候編』の二部構成で、“症候から臨床推論する力”が身につけられる。“総合診療力”が求められる医学生からすべての内科系医師に贈る一冊。

症例編
 1 不明熱:みえない疣贅
 2 感染症?“発熱だけ”の落とし穴
 3 頭痛と発熱:見逃せないコワイ疾患
 4 顔が赤い:長く続いているということは?
 5 手足口と“おしり”の皮疹!
 6 「高齢」「透析」患者のめまい:その理由は?
 7 突然のめまい:難治性だけど大丈夫?
 8 失神:ショックを受けて気絶?
 9 失神は心電図で診断せよ
 10 咳と声のかすれ:本当にただの風邪?
 11 突然の胸痛:これって生命の危機?
 12 若い男性の胸痛:これって気胸ですか?
 13 「急に胸がドキドキ!!」……緊急性は?
 14 運動時の胸のドキドキ:動悸といえば循環器疾患?
 15 発熱と喉の腫れ:休んだのに治らない……
 16 その息切れ本当に“風邪”ですか?
 17 ゆっくり進行する呼吸困難:原因は?
 18 ゼーゼーして苦しい、何が起きた?
 19 若い男性の口から血が!!
 20 食べようとしてもすぐ食べられなくなる
 21 えーっ!BMIが11.5!!!
 22 ただの風邪かと思っていたのに……
 23 突然吐血した急患が!どう対応する?
 24 下痢だけでなく便に血が!
 25 繰り返す腹痛:よく遭遇するケースをみてみよう
 26 見極める!高齢腹痛患者に潜む地雷
 27 右下腹部痛の後に右腰痛も!:関連は?
 28 ぎっくり腰?腰痛が悪化したようだが……
 29 背中?腰?わき腹?の痛みを見破ろう!
 30 あれ?顔が黄色い……
 31 その診断待った!こんな尿閉には注意せよ
 32 神経障害はむずかしい?
 33 止まらない手の振るえを見極めよ!
 34 半年で14kgも増加?全身のむくみはこう診よ!
 35 中年女性を襲う筋痛に手のこわばり:年のせい?
 36 歩けないのは、血管のせい?それとも脊椎のせい?
 37 なんだかお腹の調子が悪い≒整腸剤で本当にOK?
 38 四肢の紫斑:どこかにぶつけたかしら?
 39 全身出血!?血小板輸血??でも原因は?
 40 もう我慢できない!強烈な眠気
症候編
 1 発熱
 2 皮疹(発熱を伴う)
 3 頭痛
 4 めまい
 5 失神
 6 嗄声
 7 胸痛
 8 動悸
 9 咽頭痛
 10 呼吸困難(息切れ)
 11 喘鳴
 12 喀血・血痰
 13 食欲不振
 14 嘔気・嘔吐
 15 嚥下障害
 16 吐血
 17 下血・血便
 18 下痢
 19 腹痛
 20 腰痛
 21 背部痛
 22 黄疸
 23 排尿障害、排尿困難
 24 四肢のしびれ
 25 四肢の麻痺
 26 浮腫
 27 筋痛
 28 歩行障害
 29 リンパ節腫脹
 30 出血傾向
 31 不眠
付録 How to make effective oral case presentations--a primer for Japanese residents.
索引

このたび『総合診療力を磨く「40」の症候・症例カンファレンス〜臨床推論の達人を目指せ!〜』を刊行できることを非常にうれしく思います。
 自治医科大学はへき地医療に貢献する医師を育成するために昭和47年(1972年)に設立された大学ですが、私たちの自治医科大学附属さいたま医療センターは平成元年(1989年)に自治医科大学の第二病院として開設されました。さいたま医療センターでは自治医科大学の建学の精神に基づいて“総合医”の育成を1つの大きな目標として卒後教育に取り組んできました。われわれの考える総合医とは簡単には、自分の得意専門分野を持ちながら、広い専門領域の診療を行うことができ、疾患を治すのみではなく、患者背景や家族のサポートも考慮した最適の治療を提供できる医師です。申すまでもなく昨今、驚くべき速度で医療は進歩し、各専門分野の治療はきわめて高度な技術を要するものになってきました。若手医師はとかくこのような“派手な”スキルの習得に目を奪われがちです。しかしながら専門医として高度な診療を追い求める前に、まず専門分野を超えて基本的な疾患の診断と治療を行うことができ、また患者の立場に立った医療を実践できることが1人の医師として必要でしょう。
 さいたま医療センターにおいて毎週行われる“総合回診”は私たちの教育理念を象徴しています。総合回診では、総合診療科を中心として内科系のすべての科のスタッフや研修医が参加して症例検討を行います。現在は症候学に重点を置いた進め方が採用されていますが、今までにより良い卒後教育の場とするために様々な試行錯誤がなされてきました。
 もう1つ私たちのセンターの卒後教育で特記したいのは、本書にも寄稿いただいたUniversity of Washington名誉教授のFujimoto教授の指導です。Fujimoto 教授には、10年以上にわたり年数回さいたま医療センターを訪れ、研修医の指導にご尽力いただいてきました。Fujimoto教授の指導を通して、英語という言葉の障壁を超えて、医師がいかに患者と向かい合って診療を進めていくべきかということを若手医師は身につけていきます。
 本書は上記の総合回診をベースとした私たちの卒後教育の集大成です。主に初期研修医を対象として編集されていますが、専門医を目指されている後期研修医にもぜひ一読いただき、総合医としての考え方を再確認していただきたいと思います。症例編では、病歴、身体所見、検査所見などをもとに自分でROSやプロブレムリストを考えながら診断にたどり着く過程を楽しんでください。また症候編では、ある症候をみたときの診断の進め方の虎の巻のようにして役立てていただいても良いと思います。本書が、みなさんが総合医としてのアプローチを習得する過程の一助となれば幸いです。

2014年3月
自治医科大学附属さいたま医療センター長
百村伸一