書籍

美容皮膚科外来実践マニュアル

レーザー・シミ・スキンケア・ニキビ・メイクアップケア

編集 : 川田暁
ISBN : 978-4-524-26405-6
発行年月 : 2011年7月
判型 : B5
ページ数 : 178

在庫あり

定価8,640円(本体8,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

皮膚科の重要な一分野として確立されつつある美容皮膚科について、「レーザー外来」「光老化外来(シミ)」「女性外来(スキンケア)」「ニキビ外来」「メイクアップケア外来」の外来診療を行っている近畿大学皮膚科でまとめられた実践書。各領域における実際の手技、副作用対策、患者説明、トラブルシューティングなど、美容皮膚科で必須となる知識をまとめた。美容皮膚科に携わる医師、美容皮膚科に関心がある皮膚科医のために。

I.外来で行う美容皮膚科
 1.外来で行う美容皮膚科のポイント
 2.患者にわかる評価
 3.スタッフ教育
 4.外来美容皮膚科をどのように始めるか?
 5.保険診療と保険外(自費)診療

II.レーザー外来の実践マニュアル
 1.レーザー外来診療のポイント
 2.Qスイッチレーザー
 3.色素レーザー
 4.炭酸ガスレーザー
 5.レーザー外来のトラブルシューティング

III.光老化外来(シミ外来)の実践マニュアル
 1.シミの診断
 2.シミの客観的評価
 3.シミの治療
 4.光老化外来(シミ外来)のトラブルシューティング

IV.女性外来(スキンケア専門外来)の実践マニュアル
 1.スキンケアの実際
 2.機能性化粧品
 3.抗光老化化粧品
 4.シワの治療
 5.女性外来(スキンケア専門外来)のトラブルシューティング

V.ニキビ外来の実践マニュアル
 1.美容皮膚科におけるざ瘡とは
 2.ざ瘡の一般的な治療
 3.ざ瘡の光治療
 4.ざ瘡用の化粧品
 5.ざ瘡瘢痕の種類と治療
 6.ニキビ外来のトラブルシューティング

VI.メイクアップケア外来の実践マニュアル
 1.メディカルメイクとは
 2.実際の方法
 3.実際に患者さんと触れて
 4.メイクアップケア外来のトラブルシューティング:医療の現場での問題点

コラム
 1.美容皮膚科のトラブルを避けるには?
 2.最新のレーザー機器にはどんなものがあるの?
 3.医師の皮膚もレーザーから保護しよう!
 4.手背の日光黒子はどうするの?
 5.ハイドロキノン・モノベンジルエーテル(MBH)ってなに?
 6.化粧品を塗る順序はどれが正しいの?
 7.日本と欧米のスキンケアの違い
 8.最近のサンスクリーン剤のトピックスは?
 9.隠れ肝斑ってなに?
 10.ざ瘡の患者さんの心のケアは?
 11.ざ瘡があるときに気をつける食べ物は?
 12.部分用ファンデーションとは?

索引

本書に目をとめた方は、美容皮膚科に興味をもっている方だと思います。それでは美容皮膚科というのはどんなことをする分野なのでしょう。私はシミ・シワ・はり・たるみの改善を目的とする医療だと思います。この分野では、皮膚科医、形成外科医、その他の科の医師が、さまざまな疾患や病態に対して、さまざまな方法で診療を行っています。特に治療に関しては、外用薬、ケミカルピーリング、機器、手術などきわめてバラエティに富んでいます。
 本書は、これから外来で美容皮膚科を始めようと思っている皮膚科医を対象としています。皮膚科医は通常の皮膚疾患の診療に加えて、スキンケアも得意だと思います。まずスキンケアの延長から美容皮膚科にアプローチするとよいと思います。化粧品や外用薬のなかに美容的に役立つ製品が多数あります。次に機器による治療では、高額なものを最初から複数そろえるのではなく、入手しやすいものをまず1つ用意してじっくり行うのがよいと思います。
 本書を執筆したのは、近畿大学医学部皮膚科の各種専門外来で美容的な分野の診療を行っている医師です。どの医師も通常の皮膚科診療をしながら、1つのサブスペシャリティとして美容皮膚科の診療を行っています。本書を手にした皆さんも同じことと思います。本来の皮膚科診療を基本として大事にしながら、美容皮膚科を新しい専門分野の1つとしていただければ幸いです。
 最後に私が強調したいのは、ざ瘡とざ瘡瘢痕についてです。この2つの疾患においては美容面で悩まれる患者さんがとても多いのです。また、通常の皮膚科的治療だけでは満足されない患者さんも多いのが現状です。美容皮膚科的な方法もとり入れて、患者さんのQOLを少しでも向上させていただければと思います。
2011年4月
近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授
川田暁

美容皮膚科は近年皮膚科関連の学会において非常に多くの聴衆を集めるテーマであり、注目度は年々高まっている。美容形成や美容外科とは似て非なる分野であり、観血的手技を用いずに、主に顔や手などのシミや老化に伴う変化を改善させることが目的である。このような「美容」はこれまで、化粧品に代表される商品の提供、あるいは、エステに代表される脱毛、美顔などサービスの提供によって担われてきており、病気を治す「医学」とは別の次元に存在してきた。しかし、社会の高齢化に伴い、加齢に伴うシミ、しわ、くすみなどを取り除き、皮膚の若返りを図ることに対するニーズは高まっている。加齢に伴う変化は、ときに皮膚癌などの病変を含んでいたり、また、美容施術により新たに皮膚病変が生じたり、不適切な施術によるトラブルを目のあたりにし、それらの治療にあたってきたのが古典的な医学としての皮膚科であった。一方で、医学界全体として抗加齢医学が展開を始め、皮膚のアンチエイジングも一つの課題となってきた。さらに太田母斑や異所性蒙古斑、血管腫などのアザの治療も患者のQOL改善のために重要である。このような背景から皮膚病変を正しく診断し、評価できる皮膚科医が美容にも介入すべきであるという考えが次第に強くなってきたわけである。
 しかし、皮膚科医が美容に関与する場合、その多くが自費診療であり、また、治療効果に過度の期待をもって受診する患者さんが多いことも相俟って、「トラブルになりやすいのでは」という不安がつきまとう。本書では皮膚科医が美容皮膚科を始めるにあたって必要なことが、きわめて具体的に示されている。皮膚科診療を基本として大事にしながら、美容皮膚科を新しい専門分野の一つにしたいと思っている皮膚科医にとって、これさえあれば外来で行う美容皮膚科がよく理解でき、明日からでも実践できるよう編集された秀逸なマニュアル本である。
 本書を手にして目にとまるのが随所に散りばめられたコラムである。Q&A方式になっており、そのトップは「美容皮膚科のトラブルを避けるには?」である。川田教授が自らの考えを箇条書きにして述べられており、美容皮膚科を始めるにあたって誰もが抱く不安を解消してくれている。
 本書を通じて貫かれているものは、記載の具体性である。肝斑と日光黒子、後天性真皮メラノサイトーシスの鑑別診断は、治療法の選択に関わる重要な問題であるが、多くの写真や図とともにポイントが提示され、皮膚科医の目をもってあたればすぐに体得できよう。治療についても、たとえばシミのレーザー治療であれば、機材の写真や使用時の写真とともに適応疾患と保険適用、照射方法、副作用と対処法、治療の流れ(問診、皮膚病変の確認、患者による指摘、十分なインフォームド・コンセント、実際の治療)などの項目により、文字通りマニュアル化され、レーザー治療がはじめての医師でも安心して実践できるよう配慮がなされている。そのほか、女性のスキンケアとして、機能性化粧品の紹介やしわのフラクショナル炭酸ガスレーザー治療の実際、ニキビおよびニキビ瘢痕の治療、メディカルメイクアップが取り上げられており、たとえ値段の高いレーザー機器を備えていなくとも、どこからでも読者が美容皮膚科の第一歩を踏み出せる構成である。勤務医、開業医を問わず、皮膚科の標榜のもとに確立したサブスペシャリティとして、美容皮膚科を正しく安全に実践されるようにという川田教授の願いが込められた一冊である。
評者● 石河晃
臨床雑誌内科109巻2号(2012年2月号)より転載