書籍

新版スポーツ整形外科学

監修 : 中嶋寛之
編集 : 福林徹/史野根生
ISBN : 978-4-524-26265-6
発行年月 : 2011年11月
判型 : B5
ページ数 : 622

在庫あり

定価16,200円(本体15,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

日本のスポーツ整形外科創設30周年を節目に第一線の医療者の総力を結集したスポーツ整形外科学の決定版。最新基礎研究情報から医療現場でのスポーツ外傷・障害の多様性・特殊性の理解、手術療法・リハビリテーション・運動療法・装具療法などの各種治療法、さらに予防法までを網羅したスポーツ整形外科学の総合的最新スタンダードテキスト。

I章 スポーツにおける外傷・障害
 1 スポーツ外傷・障害とは
 2 スポーツ医学・スポーツ整形外科の歴史
 3 スポーツ外傷の疫学
 4 スポーツ医学の最近の進歩

II章 部位別外傷・障害
A.頭部外傷
 1 頭部のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
B.脊椎(1)頚椎
 1 頚椎のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
B.脊椎(2)腰椎
 1 腰椎のスポーツ外傷・障害とバイオメカニクス
 2 代表的外傷・障害
C.肩甲部
 1 肩甲部のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
D.肘
 1 肘のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
E.手関節・手指
 1 手関節・手指のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
F.骨盤・股関節
 1 骨盤・股関節のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
G.大腿
 1 大腿部のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
H.膝
 1 膝のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
I.下腿
 1 下腿のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害
J.足関節・足部
 1 足関節・足部のスポーツ外傷・障害の特性
 2 機能解剖
 3 代表的外傷・障害

III章 種目別外傷・障害
 1 陸上競技
 2 野球
 3 水泳
 4 サッカー
 5 バレーボール
 6 バスケットボール
 7 柔道
 8 テニス
 9 ラグビー
 10 アメリカンフットボール
 11 スキー
 12 スケート
 13 ゴルフ
 14 自転車(サイクリング・ロードレース)
 15 障害者スポーツ

IV章 年代・性別の外傷・障害
 1 発育期のスポーツ障害
 2 女性のスポーツ障害
 3 中高年のスポーツ障害

V章 運動療法
 1 膝関節の運動療法
 2 腰部の運動療法
 3 高齢者の運動療法

VI章 アスレティックリハビリテーション
 1 上肢
 2 体幹
 3 膝
 4 大腿部
 5 足部・足関節

VII章 予防のためのトレーニング
 1 投球障害の予防
 2 腰痛の予防
 3 肉離れの予防
 4 前十字靭帯損傷の予防

VIII章 スポーツ現場の救護
 1 救護所
 2 チームドクターのあり方
 3 海外遠征時のポイント

IX章 周辺知識
 1 インソール(足底板)
 2 装具(ブレース)
 3 テーピング

索引

日本体育協会スポーツドクター制度が確立し、スポーツ・身体運動そのものが人間の健康を守る手段として非常に大きな位置を占めるようになった。その一方で過度なスポーツ、間違った手法での運動により、スポーツによる外傷・障害も問題になってきている。昨年度の中・高生の学校でのスポーツ関連の外傷・障害だけでも25万件を超えており、児童数が減る割にはこの外傷数は減っていないのが現状である。また、折しも2011年6月に「スポーツ基本法」が公布され、スポーツの有用性、誰もがスポーツをする権利が謳われるとともに、スポーツにおける競技力向上と、健康スポーツの全国民への浸透が図られることになった。
 本書の前身『スポーツ整形外科学』は1987年に初版が刊行され、1998年には改訂第2版を刊行したが、このような時代の推移の中でスポーツ整形外科そのものが大きく変わってきた。さらに新しいスポーツ医学的知見を取り入れていく必要に迫られ、監修者中嶋寛之先生のお声がけのもとに、内容の全面的な見直しを行い、新たに『新版 スポーツ整形外科学』としてこの度発刊することになった次第である。
 本書の特徴としては、現時点におけるスポーツ整形外科学での新知見を満載しているのみならず、特にスポーツ外傷予防、スポーツリハビリテーション、現場ドクターとしての知っておきべきスポーツ医学的知識など、予防医学、リハビリテーション医学、そしてスポーツドクターとしてスポーツ現場に必要な諸知識にも重点を置いたことである。
 本書全体の約半分を占める「II章 部位別外傷・障害」の執筆依頼に際しては、編集者が直接執筆者を決めるのでなく、部位別に担当の世話人ドクターを決め、世話人ドクターの考えで、外傷・障害の特徴、その部位の機能解剖、代表的外傷・障害について各々執筆していただく執筆者を決定した。特に代表的外傷・障害を受け持っていただく執筆者の方には、ポイントとなる診断法、最新のMRI写真や、関節鏡写真を掲載していただいた。「III章 種目別外傷・障害」の各項目では内容が「部位別外傷・障害」の項目と重複しないように配慮するとともに、特にスポーツ種目に特異的な外傷発症メカニズム、現場での治療法、再発予防法についてスポーツ現場を視点にしての記載をお願いした。
 「VI章 アスレティックリハビリテーション」や「VII章 予防のためのトレーニング」の各項目では具体的リハビリテーションメニューやコンディショニングメニューの作成をお願いするとともに、トレーニング法を線画で表示し、スポーツドクター・トレーナーがリハビリテーション室やスポーツ現場で具体的指示を出しやすいように配慮した。なお、「IX章 周辺知識」としてインソール、装具、テーピングの3項目を設けたが、これらはドクターが直接行うというよりは、装具士、理学療法士、トレーナーに具体的指示を出す際にドクターとして持っていただきたい知識について記載したものである。
 本書は企画から完成まで時間を要したが、執筆者各位のご尽力により『スポーツ整形外科学』を質、量ともに上回る大作となった。本書が整形外科スポーツドクター、スポーツトレーナー、リハビリテーションに携わる専門職の方々の必読書となることを期待したい。
2011年10月
福林徹
史野根生

日本のスポーツ整形外科創設30周年を節目に、1987年に初版が刊行された『スポーツ整形外科学』が新版として新たに発刊された。2011年6月に新たなスポーツ基本法が成立し、「スポーツの力で日本を元気に!」を合言葉として、ライフステージに応じたスポーツ機会の創造をもとに、健康スポーツの啓発と競技力向上が謳われており、時宜を得た発刊となった。スポーツ整形外科の基礎を築かれた中嶋寛之先生が監修され、第一線で活躍されているスポーツ医学の関係者がスポーツ医科学の基礎知識に加え最新の知見を交えて執筆されている。
 医学はもともと診断・治療が中心であったが、特にスポーツ整形外科学の場合、選手生命に直結した問題も多くあり、予防医学に重点がおかれ始めている。また、スポーツ現場での初期対応や関節鏡の普及により治療方針がかわった領域もあり、侵襲が少ない外科的治療に加え早期リハビリテーションが導入され、スポーツ復帰を含めた社会復帰が早まっている。それに呼応するように本書は、スポーツ外傷・障害予防、スポーツ現場で必要な知識やスポーツリハビリテーション、部位別外傷・障害予防に重点をおいて編集されている。
 本書は、スポーツ整形外科学の実践にあたり必要な内容をわかりやすく9章に分け系統立てて記述してある。第I章ではスポーツにおける外傷・障害に始まり、スポーツ医学・整形外科学の歴史や疫学に加え、最近のスポーツ医学の進歩が取り上げられ、この章を読むことでスポーツ整形外科学の基礎と進歩がわかる。第II章の「部位別外傷・障害」では頭部外傷から足部まで網羅され、本書の紙面の相当数がさかれ、編集者の意気込みが伝わってくる。各々の部位でポイントとなる診断法、最新のMRIや関節鏡像などが満載されている。第III章の「種目別外傷・障害」では、種目特異性、スポーツ現場での治療法や予防法に重点がおかれ、障害者スポーツも取り上げられている。第IV章の「年代・性別の外傷・障害」では発育期-中高年のスポーツ障害と女性のスポーツ障害の特徴について述べてある。第V-VII章は、代表的部位の運動療法や各部位の代表的な外傷・障害の予防のためのトレーニング、復帰のためのアスレティックリハビリテーションなど、医師のみならず理学療法士やトレーナーなどにも参考となるような知識が満載である。第VIII章の「スポーツ現場の救護」では、スポーツドクターとして現場で必要な知識が網羅され、チームドクターをめざす医師への参考にもなると思われる。第IX章の「周辺知識」では、予防や保存的治療に欠かせない装具やテーピングについて触れている。
 第I章から第IX章までさまざまな領域を網羅しているので、整形外科医のみならず理学療法士やトレーナーなどがスポーツ外傷・障害で困っている選手を診療するにあたり、選手への説明に際し参考となるガイドブックとしても利用できる。スポーツ診療に携わる医師のみならず理学療法士、トレーナーや看護師など、スポーツ専門職の方々にとって必須の書としておすすめしたい。
評者● 帖佐悦男
臨床雑誌整形外科63巻5号(2012年5月号)より転載