書籍

日本消化器病学会ガイドライン

クローン病診療ガイドライン

編集 : 日本消化器病学会
ISBN : 978-4-524-26222-9
発行年月 : 2010年4月
判型 : B5
ページ数 : 160

在庫なし

定価3,240円(本体3,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本消化器病学会編集による、エビデンスに基づいたオフィシャルな診療ガイドライン。クローン病に関わる厖大な文献を吟味し、診療する上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、推奨グレードとエビデンスレベルを明記して診療の指針を示す。クローン病の疫学、病態、診断、予後、合併症がわかる。

クリニカルクエスチョン一覧
1.疾患概念
(1)定義
 CQ1-01 CDはどのような疾患か?
(2)疫学
 CQ1-02 CDの頻度はどれぐらいあるのか、どのような年齢層に多いのか、海外と比べてどうなのか?
(3)病因
 CQ1-03 どのような原因でCDが発症するのか、遺伝するのか、リスク因子は何か?
(4)病態・分類・活動度
 CQ1-04 CDにはどのような病態があり、どのように捉えるのか?
(5)経過
 CQ1-05 CDの長期経過はどうなのか、癌になりやすいのか、寿命は短くなるのか?

2.診断
(1)臨床症状
 CQ2-01 CDによる臨床症状にはどのようなものがあるのか?
 CQ2-02 CDの合併症にはどのようなものがあるのか?
 CQ2-03 CDの肛門病変にはどのようなものがあるのか?
(2)医療面接と身体診察
 CQ2-04 臨床症状と診察所見でどのようにCDを疑うのか?
(3)診断戦略
 CQ2-05 CDを疑ったらどのように診断を進めるのか、その際にどのような一般検査が必要か?
 CQ2-06 CDの診断のうえで、どのような形態検査が必要か?
 CQ2-07 CDの診断時の活動性の評価に役立つ一般検査は何か?
(4)内視鏡検査
 CQ2-08 CDの診断に内視鏡検査はいつ必要か?
 CQ2-09 CDに特徴的な内視鏡所見はどのようなものか?
 CQ2-10 CDの診断に全消化管の検索が必要か?
(5)X線造影検査
 CQ2-11 CDの診断でX線造影検査はいつ必要か?
 CQ2-12 CDの特徴的なX線造影所見はどのようなものか?
(6)その他の画像検査
 CQ2-13 CDの診断時にCTや腹部超音波検査(US)などの画像検査はどのように役立つのか?
(7)病理組織診断
 CQ2-14 CDに特徴的な病理学的所見はどのようなものか?
(8)確定診断
 CQ2-15 CDの診断はどのように確定するのか、診断基準はどのようなものか?
 CQ2-16 CDの診断が確実でない場合にどうするのか?
(9)重症度の判断
 CQ2-17 病勢や活動度をどのように判断するのか?

3.治療総論
(1)治療の概要
 CQ3-01 CDと診断されたらどのような治療を受け、どのような社会生活を送るのか?
(2)コンサルテーション
 CQ3-02 CDの治療は専門医に依頼すべきか?
(3)入院
 CQ3-03 どのような場合に入院すべきか?
(4)運動・社会活動
 CQ3-04 安静や社会活動の制限は必要か?
(5)食事
 CQ3-05 CDに食事療法は必要か?
 CQ3-06 一般的に食事にはどのような注意が必要か?
(6)喫煙
 CQ3-07 CD患者は禁煙したほうがよいのか?
(7)飲酒
 CQ3-08 CD患者は禁酒したほうがよいのか?

4.治療介入法
(1)治療選択肢
 CQ4-01 CDの治療にはどのような選択肢があり、どのように組み合わせて用いるのか?
(2)ステロイド
 CQ4-02 ステロイドにはどのような有益性・有害性があり、適応をどう考えるのか?
(3)5-ASA製剤
 CQ4-03 5-ASA製剤にはどのような有益性・有害性があり、適応をどう考えるのか?
(4)免疫調節薬
 CQ4-04 免疫調節薬にはどのような有益性・有害性があり、適応をどう考えるのか?
(5)インフリキシマブ
 CQ4-05 インフリキシマブにはどのような有益性があり、適応をどう考えるのか?
 CQ4-06 インフリキシマブによりどのような有害性があるか?
(6)抗菌薬
 CQ4-07 抗菌薬にはどのような有益性・有害性があり、適応はどう考えるのか?
(7)経腸栄養療法
 CQ4-08 経腸栄養療法にはどのような有益性・有害性があり、適応はどう考えるのか?
 CQ4-09 消化態栄養剤と半消化態栄養剤の治療効果に差はあるのか?
 CQ4-10 経鼻チューブを用いた経腸栄養剤の投与はどのようなときに必要なのか?
(8)経静脈栄養療法
 CQ4-11 経静脈栄養療法にはどのような有益性・有害性があり、適応はどう考えるのか?
(9)外科的治療
 CQ4-12 CDに対する外科的治療の有益性および有害性は何か?
(10)内視鏡的治療
 CQ4-13 内視鏡的バルーン拡張術にはどのような有益性・有害性があり、適応はどう考えるのか?

5.活動期の治療
(1)軽症〜中等症
 CQ5-01 軽症〜中等症の活動期CDはどのように治療を開始するか?
(2)中等症〜重症
 CQ5-02 中等症〜重症の活動期CDはどのように治療を開始するのか?
(3)重症〜劇症
 CQ5-03 重症〜劇症のCDはどのように治療を開始するのか?
(4)病変範囲による治療
 CQ5-04 小腸型、大腸型、小腸・大腸型では治療が異なるのか?
 CQ5-05 CDの上部消化管病変はどのように治療するのか?
(5)肛門部病変
 CQ5-06 CDの肛門部病変はどのように治療するのか?
(6)難治例
 CQ5-07 種々の内科的治療に抵抗する難治例はどのように治療するのか?
(7)瘻孔
 CQ5-08 CDの瘻孔にはどのように対処するのか?
(8)狭窄
 CQ5-09 CDによる腸管狭窄にはどのように対処するのか?
(9)出血
 CQ5-10 CD病変からの出血にはどのように対処するのか?
(10)膿瘍
 CQ5-11 CDに伴う膿瘍はどのように診断し治療するのか?
(11)腸管外合併症
 CQ5-12 CDの腸管外合併症はどのように治療するのか?

6.寛解維持治療
(1)再燃予防一般
 CQ6-01 再燃を予防するためにどのような生活上の注意が必要か?
 CQ6-02 再燃しやすいCDの特徴はあるのか?
(2)薬物治療
 CQ6-03 どのような薬剤が寛解維持に効果があるのか?
 CQ6-04 寛解維持治療はどのぐらいの期間必要か?
(3)栄養療法
 CQ6-05 在宅経腸栄養療法は寛解維持に有効か?
 CQ6-06 栄養療法をいつまで続けるのか?
 CQ6-07 在宅経静脈栄養(HPN)はどのようなときに必要で、どのように行うのか?

7.外科的治療
(1)手術適応
 CQ7-01 どのような頻度で手術が必要になるのか?
 CQ7-02 絶対に手術が必要なとき、手術をしたほうがよいときとはどのようなときか?
(2)薬物治療不応例
 CQ7-03 腸に対する手術の原則は何か?
(3)狭窄例
 CQ7-04 狭窄にはどのような手術を行うのか?
(4)肛門部病変
 CQ7-05 肛門部病変にはどのような手術を行うのか?
 CQ7-06 人工肛門はあとから閉じることができるのか?
(5)術後管理
 CQ7-07 手術後にどのくらい再発するのか?
 CQ7-08 再発リスク因子はなにか?
 CQ7-09 手術後の再発予防はどうすればよいのか?

8.経過観察
(1)定期観察
 CQ8-01 どのように経過観察し、どのような検査が必要か?
(2)形態診断
 CQ8-02 内視鏡検査や造影X線検査はいつ必要か?
(3)癌サーベイランス
 CQ8-03 CDにより発癌のリスクは高まるのか、その予防は可能か?
 CQ8-04 癌サーベイランスはどのように行うのか?
 CQ8-05 腸管以外の悪性腫瘍のリスクも高まるのか、そのサーベイランスはどのように行うのか?

9.妊娠と出産
(1)妊娠
 CQ9-01 妊娠や月経周期によりCDは増悪するのか?
 CQ9-02 CD患者の受胎能力は健常者と差があるか?
 CQ9-03 妊娠時の治療はどのようにするのか?
 CQ9-04 妊娠中に増悪した場合にはどのように治療するのか?
(2)授乳
 CQ9-05 授乳期の治療はどのようにするのか?

炎症性腸疾患(IBD)[潰瘍性大腸炎(UC)、クローン病(CD)]の罹患患者数は年々増加し、現在UCで10万人、CDで3万人と推定され、今後も増加の一途を辿ると予想されている。若年で発症し継続的治療を受けながら一生涯続く性質上、短期間に治癒の見込める疾患や予後不良の疾患に比し、単純な患者数だけでなく受診必要回数の総和は膨大である。そのため一般医が診る機会も多くなり、その診療を支援する標準的なガイドラインが待望されるようになった。
 従来から厚労省難治性炎症性腸管障害調査研究班による診療指針が策定されている中、医療提供者と患者の判断を支援する診療ガイドラインが、まずUCを対象に同班により開発された。続いてCDガイドラインの開発が着手されたが、日本消化器病学会主導のガイドライン対象6疾患に含まれることとなり、歩調を合わせて共通の委員により開発されることとなった。当初IBD2疾患が対象と考えられたが、UCに関しては周到に作成され多方面で評価されているガイドラインがすでに存在していたため、対象をCDに絞った。
 作成の手順は統括委員会の定める共通の方法に則った。作成委員会と評価委員会が設立され。作成委員が患者の視点を重視した臨床上の疑問[クリニカルクェスチョン(CQ)]を抽出した。個々のCQに対する2007年までの文献エビデンスがMEDLINE、Cochrane Library、医学中央雑誌を主なリソースとし中央で一括収集され、さらに作成途中で2008年までの重要文献を追加した。作成委員により文献が吟味・選別され、これを基に推奨ステートメントと解説が作成された。原案が評価委員会に提出され、意見交換を繰り返しながら修正を加え、推奨ステートメントの適切性が評価された。全疾患共通の推奨グレードは、共通のエビデンスレベルを基盤に公式的に形成された評価委員会のコンセンサスを加味したものである(x頁参照)。最終的に厚労省研究班関連の専門医グループによる審査を経て細部の修正を図った。
2010年2月
日本消化器病学会クローン病診療ガイドライン作成委員長
上野 文昭