書籍

肺炎ガイドライン活用のための抗菌薬のかしこい使い方

編集 : 渡辺彰
ISBN : 978-4-524-26012-6
発行年月 : 2009年10月
判型 : A5
ページ数 : 386

在庫なし

定価4,536円(本体4,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

感染症のなかで最もポピュラーな“呼吸器感染症”に焦点をあてて、PK-PD理論、de-escalation手法、エンピリック治療、耐性菌への対応、各種病態における抗菌薬使用法のコツなど、臨床に直結した実践的内容を解説。さらに、各種抗菌薬の知識についても詳述し、付録として臨床に役立つ抗菌薬一覧表を掲載。専門医のみならず内科医全般に広く役立つ一冊。

I章 抗菌薬のかしこい使い方
A 抗菌薬をかしこく使うためのポイント
 1 PK─PD理論って?
 2 抗菌薬の用法・用量は実際にはどうするの?
 3 エンピリック治療のコツは?
 4 De─escalationって?
 5 抗菌薬はいつ止めればいいの?
 6 治療効果はどうやって判定すればいいの?
 7 治療効果が得られないときは?
 8 耐性菌を増やさない抗菌薬の使い方は?
 9 耐性菌が関与している場合の抗菌薬の使い方は?
 10 院内肺炎予防のための抗菌薬の投与法は?
 11 地域感受性って?
 12 クリニカルパスの活用法は?
 13 インフルエンザパンデミックが起こったら?
 14 高齢者での抗菌薬の使い方のコツは?
 15 小児での抗菌薬の使い方のコツは?
 16 腎機能低下患者での抗菌薬の使い方のコツは?

B 肺炎ガイドラインを使いこなすポイント
 1 海外のガイドラインはなぜ使わないの?
 2 成人院内肺炎診療ガイドラインはどこが改訂されたの?
 3 成人市中肺炎診療ガイドラインはどこが改訂されたの?
 4 成人市中肺炎診療ガイドラインではなぜ細菌性と非定型に分けるの?
 5 気道感染症の分類って?
 6 肺炎の重症度はどう分類するの?
 7 軽症例での抗菌薬の使い方のコツは?
 8 中等症例での抗菌薬の使い方のコツは?
 9 重症例での抗菌薬の使い方のコツは?
 10 超重症例での抗菌薬はどう使うの?
 11 インフルエンザに合併する肺炎では抗菌薬はどう使うの?
 12 レジオネラ肺炎では抗菌薬はどう使うの?
 13 マイコプラズマ肺炎では抗菌薬はどう使うの?
 14 クラミジア肺炎では抗菌薬はどう使うの?
 15 かぜ症候群では抗菌薬を使うの? 使わないの?
 16 慢性下気道感染症での抗菌薬の使い方は?
 17 特殊な肺炎(人工呼吸器関連、誤嚥性肺炎)での抗菌薬の使い方のコツは?
 18 肺炎ガイドラインはどのように検証・改訂しているの?

II章 最低限知っておきたい抗菌薬の基礎知識
 1 抗菌薬の分類と作用機序
 2 βラクタム系薬
 3 アミノグリコシド系薬
 4 マクロライド系薬
 5 ケトライド系薬
 6 リンコマイシン系薬
 7 ストレプトグラミン系薬
 8 テトラサイクリン系薬
 9 グリコペプチド系薬
 10 その他の抗生物質(ホスホマイシン、クロラムフェニコール、ポリペプチド系)
 11 ニューキノロン系薬(レスピラトリーキノロン、注射用)
 12 オキサゾリジノン系薬
 13 サルファ剤
 14 ST合剤

付録 抗菌薬の便利な一覧表
 1 臨床使用される主な抗菌薬一覧
 2 抗菌薬の主な適応菌種一覧
 3 抗菌薬の主な適応症一覧
 4 主な抗菌薬のPK─PDブレイクポイント

索引

「抗菌薬のかしこい使い方」を刊行するにあたり、なぜ今、抗菌薬の使い方が重要なのかを再認識していただければと思います。
 2009年の春、メキシコ合衆国に端を発した新型インフルエンザH1N1(S-OIV)は瞬く間に世界中に蔓延し、我が国もその例外ではありませんでしたが、過去の新型インフルエンザであるスペインかぜやアジアかぜ、香港かぜでは、その死亡例の大部分が細菌性肺炎を併発していました(Morens DMet al,J Infect Dis 198:962,2008)。インフルエンザが流行した時に必要なのは抗ウイルス薬だけではないのです。抗菌薬は臨床でさらに大きな位置を占めているのです。
 さて、その抗菌薬は最近、治験環境の困難さもあって新規薬剤の開発が遅々として進みません。一方で、既存の薬剤の用法・用量を変更したり、剤型や吸収性の改善・改良をしたりして旧来の薬剤が復活しています。すなわち、旧来の薬剤であっても、あるいは効かないと思った薬剤であってもその使い方如何で目覚ましい効果を上げることができるのです。効果を上げ得る使い方に習熟すべきです。
 以前から我が国では、抗菌薬をほんの少し投与して感染症であるか否かを判断する「治療的診断」などの困った使い方が見られてきました。発熱時に解熱薬的に使われることさえ見られました。また、総じて自己流でいつも同じ薬を低用量・長期間投与する傾向が強かったのですが、そのような偏った使い方は臨床効果を上げ得ないどころか耐性菌を増加させてきた、と考えられています。
 今こそ、抗菌薬の「かしこい使い方」に習熟すべきですが、本書はその大きな参考になる一冊であり、有効にお使いいただければ編者の本望でもあります。
2009年8月
渡辺彰