書籍

リハビリスタッフに求められる薬・栄養・運動の知識

内部障害のケアのために

編集 : 上月正博
ISBN : 978-4-524-25392-0
発行年月 : 2010年6月
判型 : B5
ページ数 : 284

在庫僅少

定価6,156円(本体5,700円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

内部障害のリハビリテーションは、エビデンスに基づいた包括的リハビリテーションが重要である。理学療法士・作業療法士・看護師などがリハビリテーションを行うに際して最低限知っておくべき薬物療法、栄養指導、生活習慣の改善などの基本的事項を具体的かつコンサイスにまとめ、リハビリテーションを安全・確実に実施する手助けとなる実際書。

総論
1章 内部障害とは?
 内部障害の定義
 内部障害の疫学

2章 内部障害のチーム医療とリハビリテーション
  ◇医療のパラダイム変化とは?
  ◇コンプライアンスからアドヒアランスへ
  ◇包括的リハビリテーションとは何か?
  ◇チーム医療とはどうあるべきか?
  ◇コメディカルに薬物療法・栄養指導の知識がなぜ必要なのか?
 1 心臓機能障害のリハビリテーション
 2 呼吸器機能障害のリハビリテーション
 3 腎臓機能障害のリハビリテーション
 4 肝臓機能障害のリハビリテーション
 5 膀胱・直腸機能障害のリハビリテーション
 6 小腸機能障害のリハビリテーション
 7 ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害のリハビリテーション

3章 薬物療法の基本
A 薬の種類と効き方
 1 薬理作用
 2 剤形
 3 体内動態
 4 要注意薬
B 望ましい投与量の決め方
C 分解のされ方
D 病気の種類による投与量の違い
E 薬の飲み合わせの禁忌・注意点

各論
1章 虚血性心疾患
 疾患の解説
  ◇安定狭心症
  ◇不安定狭心症
  ◇冠攣縮性狭心症
  ◇急性心筋梗塞
  ◇無症候性心筋虚血
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
 1 狭心症
 2 心筋梗塞
 3 無症候性心筋虚血
D 使用薬剤の知識
 1 β遮断薬
 2 Ca拮抗薬
 3 硝酸薬
 4 利尿薬
 5 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬・アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)
 6 HMG CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)
 7 抗血小板薬
 8 抗凝固薬
E 服薬中の注意
 1 β遮断薬
 2 Ca拮抗薬
 3 硝酸薬
 4 利尿薬
 5 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬・アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)
 6 HMG CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬剤)
 7 抗血小板薬
 8 抗凝固薬
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

2章 高血圧症
 疾患の解説
A 食事療法の要点
 1 食塩制限
 2 食塩以外の栄養素
 3 カロリー制限
B 生活指導の要点
 1 運動
 2 節酒
 3 禁煙
 4 その他の生活習慣の修正
C 薬物療法の要点
D 使用薬剤の知識
 1 Ca拮抗薬
 2 アンジオテンシンU受容体拮抗薬(ARB)
 3 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬
 4 利尿薬
 5 アルドステロン拮抗薬、K保持性利尿薬
 6 β遮断薬(含αβ遮断薬)
 7 α遮断薬
E 服用中の注意
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

3章 不整脈
 疾患の解説
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
 1 心室性期外収縮の意義と抗不整脈薬治療
 2 抗不整脈薬の種類
D 使用薬剤の知識
E 服薬中の注意
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

4章 心不全
 疾患の解説
  ◇左心不全
  ◇右心不全
  ◇急性心不全と慢性心不全
  ◇拡張期心不全
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
 1 心不全の誘因と生活指導
 2 家庭での自己管理とモニタリング
 3 日常生活上の指導
 4 運動の可否と注意点
C 薬物療法の要点
D 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

5章 気管支喘息
 疾患の解説
  ◇気管支喘息の定義
  ◇気道の慢性炎症
  ◇気道過敏性の亢進
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
 1 予防
 2 治療継続に関する指導
C 薬物療法の要点
 1 長期管理薬(コントローラー)
 2 発作治療薬(レリーバー)
D 使用薬剤の知識
E 服薬中の注意
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

6章 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
 疾患の解説
  ◇COPDの病態
  ◇COPDのスパイロメトリー
  ◇COPDの疫学
A 食事療法の要点
 1 COPDと栄養
 2 COPDの食事
B 生活指導の要点
 1 禁煙
 2 酸素療法
 3 摂食嚥下対策
 4 感染対策
C 薬物療法の要点
D 使用薬剤の知識
E 服薬中の注意
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
 1 COPDと脈拍
 2 COPDと吸入薬
Q&A

7章 糖尿病
 疾患の解説
A 食事療法の要点
 1 規則的な食事
 2 摂取エネルギーの算出
 3 栄養のバランスを考える
 4 合併症対策
 5 食事指導の実際
B 運動療法の要点
 1 運動療法の開始
 2 2型糖尿病患者運動療法の基本的考え方
 3 1型糖尿病患者運動療法の基本的考え方
 4 運動の強度や種類の選択
 5 具体的トレーニングプログラム
 6 運動療法の課題
C 薬物療法の要点
 1 経口糖尿病薬
 2 インスリン
Q&A

8章 脂質異常症
 疾患の解説
  ◇診断のための検査
  ◇血清脂質とリポ蛋白
  ◇脂質異常症と動脈硬化
  ◇脂質異常症の原因
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
D 使用薬剤の知識、服薬上の注意
 1 スタチン(HMG CoA還元酵素阻害薬)
 2 陰イオン交換樹脂
 3 プロブコール
 4 ニコチン酸製剤
 5 フィブラート系薬剤
 6 EPA(イコサペンタエン酸)製剤
 7 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬
E 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

9章 痛風、高尿酸血症
 疾患の解説
  ◇高尿酸血症の定義
  ◇痛風の診断
A 食事療法、運動療法、生活指導の要点
B 薬物療法の要点、使用薬剤の知識、服薬中の注意
 1 痛風関節炎の治療
 2 高尿酸血症の治療
 3 尿路管理
Q&A

10章 腎不全
 疾患の解説
  ◇急性腎不全
  ◇慢性腎不全
A 食事療法の要点
 1 急性腎不全
 2 慢性腎不全
B 生活指導の要点
 1 運動
 2 禁煙
 3 飲酒
C 薬物療法の要点
 1 原疾患の治療
 2 残存糸球体、尿細管の保護
 3 腎不全で生じる病態への対症療法
D 使用薬剤の知識
 1 副腎皮質ステロイド
 2 免疫抑制薬
 3 抗血小板薬
 4 抗凝固薬
 5 降圧薬
 6 利尿薬
 7 造血因子刺激薬(エリスロポエチン製剤)
 8 P吸着薬
 9 活性型ビタミンD
 10 副甲状腺機能亢進症治療薬
 11 アルカリ化薬
 12 Kイオン交換樹脂薬
 13 経口活性炭吸着薬
E 服薬中の注意
 1 副腎皮質ステロイド
 2 免疫抑制薬
 3 抗血小板薬
 4 抗凝固薬
 5 降圧薬
 6 利尿薬
 7 造血因子刺激薬(エリスロポエチン製剤)
 8 P吸着薬
 9 活性型ビタミンD
 10 副甲状腺機能亢進症治療薬
 11 アルカリ化薬
 12 Kイオン交換樹脂薬
 13 経口活性炭吸着薬
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点(投与時間、部位の工夫、休薬の必要性)
Q&A

11章 脳卒中
 疾患の解説
  ◇脳内出血
  ◇くも膜下出血
  ◇脳梗塞
  ◇一過性脳虚血発作
A 食事療法の要点
 1 急性期治療
 2 急性期の栄養管理
B 生活指導の要点(危険因子対策)
 1 高血圧
 2 糖尿病
 3 喫煙
 4 脂質異常症
 5 肥満
 6 メタボリックシンドローム
 7 飲酒
 8 心疾患
C 薬物療法の要点
D 使用薬剤の知識
 1 血栓溶解薬
 2 抗凝固薬
 3 抗血小板薬
 4 脳保護薬
 5 抗脳浮腫薬
 6 血液希釈薬
E 服薬中の注意点
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

12章 パーキンソン病
 疾患の解説
  ◇疫学
  ◇病理
  ◇症状
  ◇診断、鑑別
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
D 使用薬剤の知識
 1 L−dopa
 2 ドパミン作動薬
 3 モノアミン酸化酵素(MAO−B)阻害薬、カテコール−O−メチル転移酵素(COMT)阻害薬、ゾニサミド
 4 アマンタジン、抗コリン薬
E 服薬中の注意
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点

13章 感染症
 疾患の解説
A 栄養状態と感染症・服薬指導の要点
B 生活指導の要点
C 抗菌化学療法の要点
D 抗菌薬の知識
E 抗菌薬の副作用
Q&A

14章 炎症、アレルギー疾患(喘息を除く)
 疾患の解説
  ◇炎症とは
  ◇自己免疫疾患とは
  ◇代表的自己免疫疾患
A 食事療法の要点
 1 全般的注意
 2 炎症に対する食事療法
 3 食事療法の注意点
B 生活指導の要点
 1 生活指導の有効性
 2 具体的生活指導
C 薬物療法の要点
 1 使用される薬剤
 2 薬剤使用のポイント
D 使用薬剤の知識、服薬上の注意
 1 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
 2 ステロイド薬
 3 免疫抑制薬
 4 抗リウマチ薬
 5 生物学的製剤
Q&A

15章 小腸機能障害
 疾患の解説
  ◇小腸機能障害の原因となる疾患
  ◇小腸機能障害の病態
  ◇小腸機能障害の治療
A 食事療法の要点
 1 短腸症候群
 2 広範な病変による小腸機能障害
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
 1 在宅中心静脈栄養と注意点
 2 その他の使用薬剤と注意点
Q&A

16章 排尿障害
 疾患の解説
  ◇過活動膀胱(overactive bladder:OAB)
  ◇低活動膀胱(underactive bladder)
  ◇前立腺肥大症(benign prostatic hyperplasia/hypertrophy:BPH)
  ◇女性の腹圧性尿失禁(stress urinary incontinence:SUI)
A 食事療法の要点
B 生活指導の要点
C 薬物療法の要点
 1 使用薬物の知識
 2 服用中の注意
D 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

17章 排便障害
 排便障害とは
  ◇排便のメカニズム
  ◇排便障害のアセスメント
1.下痢
 疾患の解説
  ◇急性下痢
  ◇慢性下痢
A 生活指導の要点
B 食事療法の要点
C 薬物療法の要点
 1 急性下痢
 2 慢性下痢
2.便秘
 疾患の解説
A 薬物療法の前に
B 生活指導の要点
C 食事指導の要点
D 薬物療法の要点
E 使用薬剤の知識
 1 膨張性下剤
 2 塩類下剤
 3 大腸刺激性下剤
 4 浸潤性下剤
 5 その他
3.過敏性腸症候群
4.炎症性腸疾患
A クローン病
B 潰瘍性大腸炎
5.便失禁
 疾患の解説
A 生活指導の要点
B 食事療法の要点
C 治療
 1 薬物治療
 2 外科治療
 3 その他
Q&A

18章 ヒト後天性免疫不全(AIDS)ウイルス(HIV)による免疫機能障害
 疾患の解説
  ◇HIVの構造と感染機序
  ◇HIV感染の経過
A 食事療法の要点
 1 栄養状態の改善
 2 自分自身の管理
B 生活指導の要点
 1 感染予防
 2 服薬支援
C 薬物療法の要点
 1 薬物療法の原理
 2 開始時期
 3 開始にあたっての注意
 4 急性期の加療
D 使用薬剤の知識
 1 融合阻害薬T20
 2 侵入阻害薬
 3 NRTI
 4 NNRTI
 5 インテグラーゼ阻害薬
 6 PI
E 服薬中の注意
 1 乳酸アシドーシス
 2 代謝異常と動脈硬化疾患
 3 リポアトロフィー
 4 肝機能障害
 5 腎障害
 6 薬疹
 7 中枢神経・精神症状
 8 抗HIV薬と他剤の併用について
F 運動療法に際しての薬物投与の注意点
Q&A

付録
重大な副作用の症状
妊娠と薬剤
索引

動脈硬化性疾患の増加や高齢化などのため、心臓・呼吸・腎臓機能障害、代謝障害などの内科疾患により身体障害をきたす患者は年々増加しており、これらのいわゆる内部障害患者に対するケアや要介護度の軽減、日常生活動作の自立、社会復帰のためのリハビリテーション(リハビリ)は、今後さらに重要視されていくことは明らかである。また、内部障害のケアやリハビリは包括的に行われることが重要であることは多くのエビデンスにより裏付けられている。
 既に内部障害のケアやリハビリをテーマとしたテキストやマニュアルはみられるが、そのほとんどは個別の障害の解説や運動療法に焦点をあてたものであり、チーム医療や包括的リハビリの構成要素として欠くことのできない危険因子や原因疾患、薬物療法、栄養指導などについての記載が十分なものはほとんどない。チーム医療の形態は、異なる職種の人々がそれぞれ独立して固有の職業分野の役割を果たすマルチデシプリナリーなものよりも、共通のプロジェクトに対して、知識や仕事を共有しながら取り組むトランスデシプリナリーな形態が効果的であると考えられているが、そのための共通の成書はいまだに存在していない。
 そこで今回、各分野でわが国を代表する専門家に、内部障害のケアやリハビリをトランスデシプリナリーなチーム医療として行うに際して知っておくべき疾患の病態、薬物療法・栄養指導・生活指導の要点、運動療法と薬物療法のタイミングなどに関して、具体的かつコンサイスにまとめていただいた。本文は読者がコメディカル中心であることを踏まえて平易な表現とし、図表を多用し、ワンポイントアドバイスやQ&Aを取り入れて具体的・実際的な解説を行った。その結果、コメディカルに対して広範かつ非常にレベルの高い内容をわかりやすく伝えたわが国初の「トランスデシプリナリー・チーム医療のテキスト」を完成できたと自負している。
 本書は、医師とともに臨床現場で日々奮闘している看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、臨床検査技師などのケア・リハビリ関連職の方々、および養成校の教員、学生を対象にケアやリハビリ現場で質の高いチーム医療を行う際のスタンダードな「共通のテキスト」となることをめざして作成されている。本書が、わが国におけるチーム医療の質を上げ、さらに、内部障害のケアやリハビリの普及と質の向上に貢献できれば、編者としてこれに勝る喜びはない。
2010年5月
東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻内部障害学分野 専攻長・教授
上月正博