書籍

上手な情報検索のためのPubMed活用マニュアル改訂第2版

編著 : 縣俊彦
ISBN : 978-4-524-24047-0
発行年月 : 2005年10月
判型 : A5
ページ数 : 134

在庫なし

定価2,160円(本体2,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

文献検索システム「PubMed」の概要から活用法までをまとめた好評書の改訂版。多くの画面ショットを掲載し、読み進めるだけでPubMedの利用法を学ぶことができる。今改訂では、新機能「Cubby」や「LinkOut」など、初版上梓以降の追加・変更点から重要なものを吟味し、新たに書き加えた。論文作成・学会発表者の必読書。

第1部 PubMedの世界を知る

CHAPTER 1 情報検索の世界
 A.情報検索の重要性
 B.情報検索の流れ
 C.特定の興味、テーマの検索
  1)医学中央雑誌
  2)外国論文の検索:MEDLINE、The CINAHL Database、Current Contents、Web of science
  3)有料オンラインデータベース
  4)EBM、GCP関連資料の検索
  5)EBN、看護活動全般関連資料の検索
  6)論文の引用・被引用関係を調べる:SCI、JCR
 D.サーチエンジンによる検索
 E.インターネット検索の可能性

CHAPTER 2 PubMedを知る
 A.PubMedの概要
  1)PubMedとは
  2)MEDLINEとPubMedの関係
  3)MEDLINEとPreMEDLINEの関係
 B.PubMedへのアクセス
  1)Entrezからアクセスする
  2)NLMからアクセスする
  3)大学図書館のWebサイトからアクセスする

第2部 PubMedで検索する

CHAPTER 1 PubMed検索の基本「Search」
 基本的な検索を行いたい
 条件を絞って検索したい:「Limits」画面の活用
 検索キーワードの組み合わせを作成したい:「Preview/Index」画面の活用
 一連の検索過程を確認したい:「History」画面の活用

CHAPTER 2 雑誌について検索する「Journals Database」
 正確な雑誌名を確認したい
 関心ある領域の雑誌を探したい
 論文全文にアクセスできる雑誌のWebサイトへのリンクを探したい

CHAPTER 3 MeSH termについて調べる「MeSH Database」
 検索に使うMeSH termを調べたい
 サブヘディングを付け加えたい
 MeSH termをMeSH major topicに限定したい
 参照できる別のMeSH termや階層的なMeSH treeを表示したい
 スペルの不確かな単語で検索したい

CHAPTER 4 不完全な情報から文献を絞り込む「Single Citation Matcher」
 不完全な文献情報を完全なものにしたい
 ある雑誌の特定の巻・号の目次を得たい

CHAPTER 5 複数の文献についてPMID(PMCID)を調べる「Batch Citation Matcher」
 複数の文献情報を元に一括してPMID(PMCID)を得たい

CHAPTER 6 研究デザインに注目して検索する「Clinical Queries」
 医学研究の4つの領域(病因、診断、治療、予後)を限定し、研究デザインに注目して、絞り込んだ文献検索を行いたい:「Search by Clinical Study Category」の利用
 関心のあるテーマについての系統的レビューを検索したい:「Find Systematic Reviews」の利用
 遺伝医学に関するさまざまなトピックに関連して文献検索を行いたい:「Medical Genetics Searches」の利用

CHAPTER 7 検索式を保存して再利用する「Cubby」
 一度行った検索式を繰り返して使いたい
 新しい刊行情報が知りたい

コラム
 医学論文作成に有用なWebサイト
 メーリングリスト
 NLMの活動
 雑誌に付けられたMeSHによって検索したい
 MeSHについての詳細な情報
 キーワードとクエリーボックス:何でも入れてみよう
 フィルタの詳細

付録
 1.サーチフィールドと検索タグ一覧
 2.Publication Typeの詳細

索引

ここ15〜20年の間に情報検索の状況は一変している。そして編者らが『上手な情報検索のためのPubMed活用マニュアル』(初版)を出版して5年が経過する。
 20年以上前、研究を始めるにあたっての文献検索は非常な努力と時間を必要とするものであった。索引から医学中央雑誌、MEDLINEの該当ページを探して抄録を読み、適当なものであればさらに文献を入手するという作業で、「図書間相互貸借」で手に入れる場合などは、ときには数週間を必要とした。
 まもなく、有料オンラインデータベースが稼働するようになったが、内容は医学系が少ないなど、不十分であることもさることながら、料金が高額であるがゆえに若手研究者にはめったに利用できるものではなかった。
 15年ほど前からMEDLINEや医学中央雑誌のCD-ROMが図書館で無料で使えるようになり、文献検索がだいぶ楽になったと大いに感心したものである。
 そこでさらにこのインターネット時代である。多くの会社や研究施設などではLANが構築され、インターネットが利用できる環境が整っている。接続形態にもよるが、そこではかなり高速アクセスが可能であり、自分の机の上でPubMedなどに容易にアクセスできる。
 医学、歯学、薬学、看護学、栄養学などの生物系領域に関わる、教育者、研究者、実務者、大学院生、大学生などにとって、情報検索を考えるとPubMedほど便利なものはない。
 そして、PubMedの活用には多くのノウハウがあり、それらを十分理解すると、おもしろいほど効率的検索が可能となる。しかもその内容やPubMed本体は変化し、増殖しているので、本書の初版では対応できなくなった部分が増えた。とくに、LinkOut(第2部CHAPTER2)は大きく変化し、また新機能としてCubby(第2部CHAPTER7)が追加された。これらの変更点や新しい機能も含めたPubMedの有効な活用法を理解していただけたらと考え、数人の仲間とこの改訂第2版をまとめ上げることとした。十分活用していただきたい。
2005年9月
縣 俊彦
(一部抜粋)

本書は医学情報検索のためには必須の存在であるPubMedの使い方をわかりやすく解説した本である。さすが第2版だけあって、内容が簡潔にして要を得ている。

 筆者も基礎および臨床研究をするうえでPubMedは多用してきたが、本書を読んでまさに「目から鱗が落ちる」思いであった。要するに、日常的にPubMedは使ってはいたものの、十分に使いこなしていなかったのである。

 そもそもPubMedとは、NIH(National Institute of Health)内のNLM(National Library of Medicine)における NCBI(National Center for Biotechnology Information)によるプロジェクトで、MEDLINE(Medical Literature Analysis and Retrieval System Online)の無料検索サービスのことを指している。当初は米国民向けのサービスとしてはじまったが、今では全世界、ことに日本からの利用者が急増している。

 本書では、第1部は「PubMed の世界を知る」と題して、PubMed以外の情報検索の方法も広く紹介したうえで、PubMed の概要、アクセス方法が語られている。本書のプロローグに当たる部分である。第2部は「PubMed で検索する」と題して、実際のPubMedを用いた文献検索法が順を追って紹介されている。本書の核心部分である。はじめにPubMed検索の基本である「Search」のやり方が述べられた後、次いで「雑誌についての検索法」、「MeSH(Medical Subject Headings)termを用いての検索法」、「不完全な情報からの文献の絞り込み方」、と続いていく。そして、論文全文にアクセスできるWeb サイトへのリンクの方法と同時に、無料で閲覧可能な方法も紹介されているのもうれしい。また、研究デザインに注目して検索する「Clinical Queries」では、医学分野の5つの領域(病因、診断、治療、予後、臨床予測指針)に限定して文献検索を行う方法や、関心のあるテーマについての系統的レビューの検索方法が解説されている。本書のエピローグは、検索方式を保存して再利用する「Cubby」の紹介である。
実際のパソコン上でみることができる画面を示しながら話を進めていくために、全体的にとてもわかりやすい。

 要するに、本書ではEvidence-Based Medicine(EBM)を行うために必要なPubMedを用いた情報検索法があますところなく語られているのである。私は講演先に向かう機内でこの本を読みはじめたが、目的地に到着するまでに一気呵成に読み上げてしまった。読了後は一瞬、PubMedを征服したかのような錯覚に陥ったほどである。

 これから研究をはじめようとしている、あるいははじめたばかりの若手研究者、臨床家にとっては必携の解説書であろう。

評者● 宮坂信之(東京医科歯科大学大学院膠原病・リウマチ内科学教授)
臨床雑誌内科97巻4号(2006年4月号)より転載