書籍

ケーススタディ看護形態機能学

臨床実践と人体の構造・機能・病態の知識をつなぐ

編集 : 菱沼典子
ISBN : 978-4-524-23512-4
発行年月 : 2003年12月
判型 : B5
ページ数 : 248

在庫なし

定価4,104円(本体3,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ナースがよく出会う代表的な疾患をとりあげ、簡単な事例状況を設定して、患者の質問に答えるかたちで人体の構造と機能および病態の知識を解説。臨床と遊離しがちな解剖生理の知識を看護ケアに結びつけ、生きた知識として活用する道筋を示した画期的な試み。ケーススタディを読み進めるうちに、基礎と臨床を結びつけた考え方が自然と身につく。豊富なイラストも魅力。2色刷。

1章 栄養分を取り入れる
 Lesson1 誤嚥
 Lesson2 胃癌による胃全摘
 Lesson3 肝硬変
2章 酸素を取り入れ、二酸化炭素を排出する
 Lesson4 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)による呼吸困難
 Lesson5 急性拘束性肺疾患(肺炎)による呼吸困難
 Lesson6 貧血による呼吸困難
3章 代謝産物を尿・便によって排出する
 Lesson7 慢性腎炎による人工透析
 Lesson8 尿失禁
 Lesson9 大腸癌による人工肛門造設
4章 子どもを産む
 Lesson10 子宮筋腫による子宮全摘出
 Lesson11 卵巣嚢腫による卵巣摘出
 Lesson12 造精機能の障害による男性不妊
5章 姿勢を保ち運動する
 Lesson13 子どもの鎖骨骨折
 Lesson14 大腿骨頸部骨折による骨頭置換
 Lesson15 アキレス腱断裂
6章 血液の流れと血行路の仕組み
 Lesson16 ファロー四徴症
 Lesson17 心筋梗塞による胸痛
 Lesson18 高血圧症
7章 神経性の情報伝達の仕組み
 Lesson19 髄膜炎時の腰椎穿刺
 Lesson20 被殻出血による片麻痺
 Lesson21 椎間板ヘルニアによる下肢のしびれ
 Lesson22 パーキンソン病による歩行困難
 Lesson23 下垂体腫瘍による視野狭窄と先端巨大症
 Lesson24 高次脳機能障害
8章 ホルモンによる情報伝達の仕組み
 Lesson25 甲状腺機能低下症
 Lesson26 SLEのステロイドホルモン療法
9章 身を守る仕組み
 Lesson27 熱傷
 Lesson28 慢性骨髄性白血病
 Lesson29 後天性免疫不全症候群
10章 内部環境の恒常性を保つ
 Lesson30 下痢による脱水
 Lesson31 糖尿病による食生活の変更
 Lesson32 糖尿病による高血糖
 Lesson33 糖尿病による代謝性ケトアシドーシス
 Lesson34 呼吸性アシドーシス

人間の成長・発達過程のなかで健康生活を援助し、また疾病の診断・治療過程にある人々を支え、健康上の困難があっても毎日の生活が送れるように援助するためには、人体の構造と機能−その正常と異常、および病態の知識に基づいたケアを考える必要があります。看護職は、看護ケアに人体の構造と機能および病態を結びつける道筋を体得し、それらの知識を活用できるようにならなければ、信頼に足る情報とケアを提供していけないでしょう。
 その意味で、形態機能学は、看護学を学ぶ過程で必須の基礎知識の一つです。しかしながら、これまで解剖学、生理学、生化学、病理学などは、「難解である」「なぜ看護学の基礎知識なのかがわかりにくい」「看護学、看護実践へつなげる道筋が不明瞭である」などの理由から、実際に使える知識になりにくいといわれてきました。これは看護の基礎教育においても、また臨床の現場においても、早急に解決すべき課題だと思います。
 編者は、看護と形態機能学を結びつける一つの方法として、ケーススタディを教材に取り入れてきました。看護職が臨床で遭遇する場面から、そこに必要な知識を引き出す形で、もう一度専門基礎科目の学びを整理する方法です。形態機能学の知識を看護に結びつけるこの方法は、初学者にとっても有効であると感じてきました。
 そこで本書では、簡単な状況設定を行い、課題となる設問に答えるために必要な人体の構造と機能および病態などの知識を、「基礎知識」並びに「ついでにワンポイント」の2つのコーナーで説明する形をとりました。「基礎知識」は、設問に答えるために直接必要な知識です。「ついでにワンポイント」では、基礎知識に関連する知識や、さらに詳しい知識を提示しています。ここに示したケースを学んでいただくことによって、人体の形態機能学の知識のみならず、それらを活用する道筋も身につけてほしいと希望しています。なお基礎知識の内容に重複がありますが、必要なことはケースごとに示すことにしたためですので、ご了承ください。
 本書の執筆者はすべて、形態機能学の知識を真に生きた知識にしてほしいと切望し、それなくしては質の高い看護を保証できないと考えて、看護教育や研究に携わっている看護職です。看護実践にとって必要な知識を精選して解説していますので、解剖学、生理学、生化学、病理学として学んだ知識を、もう一度看護の視点から見直していただけると思います。看護学を学ぶ学生も、また現在看護職にある方も、本書を使って看護と形態機能学を結ぶ考え方の道筋を身につけていただき、的確なケアの提供につなげていただければ幸いです。
2003年10月
菱沼 典子