教科書

CE技術シリーズ

呼吸療法

編集 : 渡辺敏/宮川哲夫
ISBN : 978-4-524-22405-0
発行年月 : 2005年6月
判型 : B5
ページ数 : 330

在庫あり

定価5,616円(本体5,200円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

呼吸療法について、現場の臨床工学技士、看護師、理学療法士が知っておくべき手技や技術を中心に、医学的基礎知識とともにわかりやすく解説。人工呼吸療法、酸素療法、吸入療法、給湿療法について臨床の視点から取り上げた。機器を理解して適切かつ安全に行うために、機器の原理・構造、操作方法、安全対策、保守管理、起こりやすいトラブルなどを紹介。

第1章 呼吸療法とは
 I.歴史
  A.人工呼吸療法
  B.酸素療法、吸入療法
 II.現状
 III.呼吸療法に携わる医療関係者−臨床工学技士と呼吸療法認定士−
  A.臨床工学技士の誕生
  B.呼吸療法認定士
 IV.今後の動向
  A.病める患者の立場で行動する
  B.資質の向上に努める
  C.「安全」を第一に考える
  D.呼吸療法に用いられる手順、マニュアルなどの継続的な見直し
  E.「考える力」をもつこと

第2章 呼吸療法に必要な呼吸生理
 I.解剖
  A.気道と肺実質
  B.肺胞
  C.胸郭
  D.肺循環
  E.死腔
  F.肺気量分画
  (1)肺気量
  (2)機能的残気量
 II.呼吸運動
  A.呼吸筋と呼吸運動
  B.コンプライアンス
  C.気道抵抗
  D.呼吸仕事量
 III.呼吸調節機構
  A.神経性調節
  B.化学的調節
 IV.ガス交換
  A.血液の酸素化
  (1)肺胞気
  (2)肺胞膜
  (3)動脈血酸素分圧
  (4)酸素分圧(Po2)と酸素飽和度(So2)
  B.二酸化炭素の呼出
 V.血液ガス
  A.正常値
  B.血液ガスに異常をきたす呼吸障害の病態
  (1)肺胞低換気
  a.分時換気量の減少
  b.肺胞死腔の増大
  (2)肺内シャント
  (3)換気・血流の不均等分布
  C.血液ガスのみかた
  D.Pao2の評価
 Y.酸塩基平衡
  A.pH
  B.pH調節のしくみ
  C.BE
  D.酸塩基平衡の異常と代償
  (1)呼吸性アシドーシスと代謝性因子による代償
  (2)呼吸性アルカローシスと代謝性代償
  (3)代謝性アシドーシスと呼吸性代償
  (4)代謝性アルカローシスと呼吸性代償

第3章 呼吸不全
 I.呼吸不全とは
  A.定義
  B.原因
  C.病態
  D.呼吸不全を呈する疾患

第4章 モニタリング
 I.呼吸循環のアセスメント:理学所見
  A.視診
  (1)チアノーゼ
  (2)体位
  a.起座呼吸
  b.側臥呼吸
  c.仰臥呼吸
  (3)胸郭の形状
  (4)呼吸パターン
  (5)胸壁陥凹
  (6)副呼吸筋の使用
  (7)口すぼめ呼吸
  (8)異常呼吸運動
  a.rapidshallowbreathing
  b.奇異性呼吸
  c.交互呼吸
  d.ばち状指
  (9)頚静脈怒張
  a.吸気時のみの怒張
  b.右心不全
  c.吸気時、呼気時とも怒張
  (10)Kussmaul徴候
  (11)上大静脈症候群
  (12)羽ばたき振戦
  (13)下腿浮腫
  B.触診
  (1)気管の偏位
  (2)気管短縮
  (3)皮下気腫
  (4)Rattling:rhonchalfremitus(水泡性振盪)
  (5)触覚振盪、声音振盪
  (6)胸郭の動き
  (7)心拍最強点
  C.打診
  (1)打診の感受性
  (2)横隔膜位の動きの打診
  D.聴診
  E.主な疾患の特徴
  (1)気管支喘息
  (2)COPD
  (3)肺炎
  a.大葉性細菌性肺炎
  b.間質性肺炎・肺線維症
 II.呼吸循環モニタリング
  A.観血的動脈圧モニタリング
  (1)観血的動脈圧モニタリングとは
  (2)カテーテル挿入ならびに持続フラッシュ回路の準備
  a.持続フラッシュ回路
  b.カテーテル挿入
  c.圧トランスデューサとゼロ点設定
  d.採血
  e.合併症
  (3)測定
  a.動脈圧モニタ
  b.動脈血液ガス分析
  (4)測定上の問題点
  B.肺動脈カテーテル
  (1)肺動脈カテーテルとは
  (2)カテーテル挿入
  a.挿入部位
  b.挿入方法
  c.挿入時の注意事項
  d.ゼロ点調整
  e.合併症
  (3)測定項目
  a.心拍出量
  b.右心房圧
  c.肺動脈圧
  d.肺動脈楔入圧
  e.混合静脈血酸素飽和度
  f.連続的心拍出量のモニタリング
  (4)検査結果の評価
  a.Forresterの分類
  b.血行動態パラメータ
  c.酸素運搬モニタリング
  (5)測定上の注意
  a.心内圧測定
  b.心拍出量測定
  C.動脈血酸素飽和度
  (1)酸素飽和度とは
  (2)酸素解離曲線
  (3)Sao2とSpo2
  (4)測定原理
  (5)回路原理
  (6)適応
  (7)使用上の問題点
  D.呼気二酸化炭素モニタ
  (1)測定原理
  (2)適応
  (3)使用上の注意
  (4)カプノグラムの異常波形
  a.突然のカプノグラム消失、平坦化
  b.呼気の延長
  c.吸気の延長
  d.alveolarplateauの揺れ
  e.基線の上昇
 III.画像により何がわかるか
  A.ポータブル胸部X線撮影と胸部CT撮影
  B.呼吸器合併症の診断
  (1)無気肺
  (2)血胸、胸水貯留
  (3)肺炎・肺膿瘍
  (4)急性呼吸促迫症候群
  (5)肺水腫
  (6)気胸・人工呼吸関連肺傷害
  (7)横隔神経麻痺
  C.気管チューブ・カテーテルの位置確認
  (1)気管チューブ
  (2)中心静脈カテーテル
  (3)Swan−Ganzカテーテル
  (4)胸腔ドレーン
  (5)胃管

第5章 人工呼吸療法
 I.成人の人工呼吸療法
  A.人工呼吸療法とは
  (1)人工呼吸療法とは
  (2)人工呼吸療法の生理的影響
  a.平均気道内圧への影響
  b.肺への影響
  c.心臓への影響
  d.腎への影響
  e.肝臓・消化管への影響
  f.栄養管理との関連
  g.神経への影響
  B.人工呼吸器のしくみ
  (1)基本的構成とマイクロプロセッサ
  (2)呼吸回路と吸気弁・呼気弁
  (3)流量測定装置(フロートランスデューサ)
  (4)モニタリング・アラーム機能とリスクマネジメント
  (5)その他の機能
  (6)その他の人工呼吸器
  C.換気様式(容量換気と圧換気)
  (1)容量換気
  (2)圧換気
  (3)容量換気と圧換気のどちらを選択するか
  D.換気モード
  (1)調節機械換気
  (2)補助調節換気、Assist/Control換気
  (3)同期式間欠的強制換気
  (4)持続気道陽圧
  (5)圧支持換気、プレッシャーサポート換気
  E.操作手順
  (1)人工呼吸療法開始基準
  (2)人工呼吸が適応となる背景病態
  a.換気障害
  b.酸素化障害
  (3)人工呼吸器の初期設定
  a.モード
  b.容量換気か圧換気か
  c.換気回数
  d.Fio2とPEEP
  F.ウィーニング
  (1)ウィーニングとは
  (2)ウィーニングの開始条件と成功の因子
  a.酸素化からの離脱
  b.換気からの離脱
  (3)ウィーニングの成功を予測する方法
  (4)ウィーニングの方法
  a.SIMV、圧支持換気によるウィーニング
  b.T−ピースなどの吹き流しと換気補助を交互に繰り返すウィーニング方法(オン・オフ法)
  (5)抜管
  G.トラブル対策
  (1)トラブルの原因
  a.動力源によるトラブル
  b.機器本体によるトラブル
  c.呼吸回路によるトラブル
  d.酸素濃度によるトラブル
  e.加温加湿器によるトラブル
  f.電気による危険性
  g.電磁波障害
  h.誤使用(ヒューマンエラー)による危険性
  (2)トラブル対策
  a.適切な操作、設定
  b.使用中の注意点
  c.保守点検の適切な実施
  d.生体情報モニタの併用
  e.トラブルマニュアルの作成
  f.用手蘇生器の準備
  H.保守管理
  (1)使用前点検
  a.呼吸回路の組み立て
  b.駆動源の点検
  c.加温加湿器の点検
  d.呼吸回路のリークテスト
  e.テスト肺による作動点検
  (2)使用中点検
  a.使用中の点検
  b.呼吸回路の交換
  (3)使用後(終業)点検
  (4)定期点検
  おわりに
 II.新生児・乳幼児の人工呼吸療法
  A.新生児・小児における人工呼吸療法の特徴
  (1)新生児・小児の呼吸器系の解剖学的・生理学的特徴
  (2)乳幼児の呼吸障害の徴候
  (3)新生児期に呼吸不全をきたす疾患の分類と診断
  (4)新生児・小児での人工呼吸療法の目標
  a.適切な血液ガスとは
  B.人工呼吸器のしくみ
  (1)基本構成と回路
  (2)加温加湿器
  C.換気様式
  D.換気モード別の適応・操作手順・ウィーニング
  (1)TCPLV
  a.換気条件設定
  b.人工換気条件の下げ方
  c.人工換気からの離脱
  (2)部分的補助換気
  a.換気モード
  b.理論的利点
  c.新生児でのPTVの問題点と対策
  d.適応
  e.SIMVモードとA/Cモードの使い分け
  f.PTV中のモニタ
  g.人工換気条件の下げ方
  h.人工換気からの離脱
  (3)nasalCPAP
  a.適応
  b.nasalCPAPのメリット
  c.使用上の注意
  d.ウィーニングの進め方
  (4)HFOV
  a.適応疾患の選択
  b.適切なMAP方針の設定(highMAPstrategyとlowMAPstrategyの選択)
  c.換気パラメータ
  d.SIの安全な活用法
  e.体位と体位変換
  f.気管内吸引
  g.人工換気条件の下げ方
  h.人工換気からの離脱
  E.トラブル対策
  (1)人工呼吸器アラームの役割
  (2)定期的な観察と記録
  (3)アラーム対処
  (4)人工呼吸器モニタの波形
  F.保守点検
  (1)保守点検の必要性
  (2)使用前(始業)点検
  (3)使用準備
  (4)使用中点検
  (5)使用後(終業)点検
  (6)オーバーホール、定期点検の時期

第6章 酸素療法
 I.酸素療法
  A.酸素療法とは
  B.低酸素症
  (1)低酸素症と低酸素血症
  (2)低酸素症の原因による分類
  a.吸気酸素濃度の低下
  b.肺胞低換気
  c.動静脈シャント
  d.換気−血流不均等
  e.拡散障害
  f.貧血性
  g.うっ血性
  h.組織中毒性
  C.術後低酸素血症
  (1)術後低酸素血症の発生メカニズム
  a.機能的残気量の減少
  b.気道分泌物の増加と清浄機構の障害
  c.体の震え(シバリング)
  d.換気量の減少、深呼吸の制限
  e.長期臥床
  f.睡眠時無呼吸
  g.その他
  (2)酸素投与の基準
  a.モニタ
  b.酸素投与の中止
  D.酸素療法の適応
  (1)低酸素血症の治療
  (2)心循環異常
  (3)意識障害
  (4)体内ガスを縮小させる
  (5)気管挿管を安全にする
  (6)鎮静薬投与時
  (7)一酸化炭素中毒
  E.医療施設内での酸素投与器具
  (1)酸素ボンベ
  (2)液体酸素
  (3)酸素投与器具の種類
  a.低流量系
  b.高流量系
  c.ヘリウム酸素混合ガス(ヘリオックス)
  d.小児の酸素療法
  F.酸素投与中のモニタ
  G.酸素療法の注意点
  (1)火災
  (2)吸収性無気肺
  (3)呼吸抑制
  (4)気道と眼の乾燥
  (5)酸素中毒
  H.トラブル対策
  (1)流量計およびアウトレット
  (2)酸素投与器具
  (3)酸素ボンベ
  (4)その他
  I.保守管理
  (1)アウトレット
  (2)流量計
  (3)酸素ボンベ
  (4)ヒータ
 II.高気圧酸素治療
  A.高気圧酸素治療とは
  B.高気圧酸素治療機器のしくみ
  C.操作手順
  (1)治療装置の点検
  (2)加圧操作
  a.操作の基本
  b.治療プログラム
  c.患者の所持品点検
  d.使用記録
  e.加圧操作
  f.治療圧力維持の操作
  g.減圧操作
  D.トラブル対策
  (1)装置火災事故防止
  (2)気圧障害防止
  E.保守点検
  F.定期検査

第7章 吸入療法
 I.吸入療法
 II.下気道への薬物エアロゾルの効率的沈着の課題
 III.発生装置によるエアロゾル沈着パターン
 IV.吸入療法に使用される装置や方法
  A.ジェット加圧型ネブライザ
  (1)効果と特徴
  B.超音波ネブライザ
  (1)効果と特徴
  C.IPPB
  (1)効果と特徴
  D.肺内パーカッションベンチレータ
  (1)効果と特徴
  (2)不適応の場合
  E.高頻度換気によるネブライザ
  (1)効果と特徴
  F.定量吸入器
  (1)効果と特徴
  G.ドライパウダー吸入方法
  (1)効果と特徴

第8章 給湿療法
 A.給湿療法の基礎
  (1)気道加湿の必要性
  (2)湿度の表現方法
  a.絶対湿度
  b.相対湿度
  c.気体の温度
 B.給湿療法に用いる機器のしくみ
  (1)加温加湿器
  a.フィッシャー&パイケル社MR型シリーズ
  b.カスケード加湿器
  c.水蒸気透過膜型
  (2)常温気泡型加湿器
  (3)人工鼻
  (4)HMEブースター(HME−Booster(R))
 C.操作手順
  (1)加温加湿器
  (2)人工鼻
  (3)常温気泡型加湿器
 D.加温加湿の評価
 E.注意点など
  (1)多いインシデント・アクシデント
  (2)オーバーヒートに注意
  (3)保育器での使用
  (4)人工鼻とネブライザ
  (5)酸素ボンベ用加湿器
  (6)接続部の特殊構造
 F.事例からみるトラブル
 G.トラブル対策と保守管理
  (1)加温加湿器のトラブル対策
  a.加温加湿ができない
  b.加温加湿器からアラームが発生した
  c.呼吸回路内に水分が貯留した
  d.呼吸回路に穴があいた
  (2)加湿加温器の保守管理
  a.使用前
  b.使用中
  c.終業点検
  d.定期点検
  (3)人工鼻
  (4)ネブライザ
  (5)常温気泡型加湿器(酸素湿潤器)

第9章 気道管理
 I.気道管理の目的
  A.自発呼吸に際しての通路を確保するため
  B.人工呼吸を行うため
 II.標準的な気道確保の手技
  A.体位による気道確保
  B.用手による気道確保
  C.エアウェイによる補助
  D.気管挿管
 III.気道管理の機材
  A.マスク
  B.エアウェイ
  C.LMA
  D.コンビチューブ、EGTA、WBチューブ、ラリンジアルチューブ
  E.経口・経鼻気管チューブ
  F.気管切開チューブ
  G.輪状甲状膜切開
  H.用手人工呼吸器
  (1)用手蘇生器
  (2)Jackson−Rees回路
  I.挿管器具
  (1)喉頭鏡
  (2)気管支ファイバースコープ
  (3)スタイレットスコープ(R)
  (4)ライトワンド付きスタイレット
  J.挿管確認器具
  (1)カプノメータ
  (2)食道検知器
  K.消毒と滅菌

第10章 排痰法
 A.気道クリアランス法のエビデンス
  (1)体位排痰法に関するCochraneReview
  (2)ICUにおける呼吸理学療法
  (3)外科術後の呼吸理学療法
  (4)小児の人工呼吸中の体位排痰法
  (5)小児の体位排痰法
  (6)心臓外科術後の予防的呼吸理学療法
  (7)成人の人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防
 B.気道クリアランス法のメタアナリシス
  (1)術後呼吸不全および急性呼吸不全に関する呼吸理学療法
  (2)新生児に対する呼吸理学療法
  (3)慢性呼吸不全に対する呼吸理学療法
 C.気道クリアランス法のエビデンスのまとめ
  (1)呼吸理学療法のエビデンスに関する問題点
  (2)有効な排痰方法とは
 D.EBMの手法を用いた症例への応用
 E.EBMの適応
  (1)排痰体位および体位変換のまとめ
  (2)baggingによる肺過膨張手技のまとめ
  (3)肺炎および無気肺のまとめ
  (4)体位排痰法の呼吸・循環・代謝に及ぼす影響のまとめ
  (5)体位排痰法の実際と効果判定
 おわりに

第11章 薬物療法
 A.呼吸療法で必要な薬理学
 B.呼吸療法で使用される薬剤
  (1)気管支拡張薬
  a.適応
  b.種類と作用機序
  (2)鎮咳薬
  a.鎮咳・去痰薬の適応
  (3)去痰薬
  (4)副腎皮質ホルモン
  a.種類と作用機序
  (5)抗アレルギー薬
  a.適応
  b.種類と作用機序
  (6)抗微生物薬
  a.抗菌薬
  b.抗ウイルス薬
  c.主な抗結核薬
  d.抗真菌薬
  (7)呼吸促進薬
  a.種類と作用機序
  b.適応と使用方法
  c.副作用
  (8)鎮静薬
  a.主な鎮静薬・筋弛緩薬

第12章 在宅療法
 I.在宅酸素療法
  A.在宅酸素療法とは
  (1)在宅酸素療法の歴史
  (2)わが国のHOT適応
  a.適応基準
  b.保険上のHOT適応疾患
  B.HOTに使用される機器のしくみ
  (1)液化酸素装置の原理と構造
  a.設置型液化酸素装置の構造
  b.携帯型液化酸素装置の構造
  (2)膜型酸素濃縮装置の原理と構造
  a.原理
  b.膜型酸素濃縮装置の構造
  (3)吸着型酸素濃縮装置の原理と構造
  a.原理
  b.吸着型酸素濃縮装置の構造
  C.操作手順
  (1)液化酸素装置の操作手順
  a.移充操作手順の一例
  (2)吸着型酸素濃縮装置の操作手順
  D.トラブル対策
  (1)液化酸素装置のトラブル対策
  (2)吸着型酸素濃縮装置のトラブル対策
  a.機械的トラブル
  b.操作上のトラブル
 II.在宅人工呼吸療法
  A.在宅人工呼吸療法とは
  (1)在宅人工呼吸療法の歴史
  (2)HMVの適応基準
  B.HMVで使用される機器のしくみ
  (1)TIPPVに使用される人工呼吸器
  (2)NPPVに使用される人工呼吸器
  C.操作手順
  (1)換気モードの設定
  a.CMVモード
  b.Assist/Controlモード
  c.SIMVモード
  (2)1回換気量の設定
  (3)呼吸回数(換気回数)の設定
  (4)吸気時間(吸気流速)の設定
  (5)トリガ感度の設定
  (6)気道内圧下限アラームの設定
  (7)気道内圧上限アラームの設定
  D.トラブル対策
  (1)在宅療法に移行する前に行うべきこと
  (2)使用機種にあったトラブルシューティングの作成(一機種を例に)

第13章 呼吸療法で必要な感染対策
 I.人工呼吸器関連感染とその予防策
  A.概要
  B.人工呼吸器関連肺炎の起因菌
  C.肺炎の発生機序
  (1)口腔内・咽頭へ定着した微生物の誤嚥
  (2)胃に定着した微生物の誤嚥
  (3)微生物を含むエアロゾルの吸入
  (4)汚染された手や手袋による交差感染
  (5)バクテリアル・トランスロケーションによるもの
  D.人工呼吸器に由来する肺炎の防止策
  (1)口腔内・咽頭へ定着した微生物の誤嚥の予防
  a.気管内挿管による誤嚥の予防
  b.経管栄養に伴う誤嚥を防ぐ
  (2)微生物を含む汚染エアロゾルの吸入の予防
  a.人工呼吸器関連器材の適切な再処理
  b.人工呼吸器回路の交換
  c.加湿器の取り扱い
  d.回路内の結露(水滴)の除去
  e.気道分泌物の吸引
  f.スタンダードプリコーション(標準予防策)の遵守
  E.その他
 II.基本となる感染対策の考え方:スタンダードプリコーション
  A.概要
  B.対策の実際
  (1)手洗い(手指消毒)
  (2)防護用具の使用
  a.手袋
  b.マスク、アイプロテクション(ゴーグル)、フェイスシールド
  c.ガウン
  (3)周囲環境対策
  a.使用した器材の取り扱い
  b.環境表面
  c.リネン
  (4)血液媒介病原体対策
  a.鋭利器材の取り扱い
  b.救急蘇生・人工呼吸
  (5)患者配置
 III.洗浄・消毒・滅菌
  A.概要
  B.E.H.Spauldingによる消毒と滅菌の原則
  (1)クリティカル器材
  (2)セミクリティカル器材
  (3)ノンクリティカル器材
  C.洗浄
  (1)洗浄効果と必要性
  (2)洗浄方法
  (3)洗浄における留意点
  D.消毒
  (1)熱による消毒法
  (2)消毒薬による消毒法
  a.消毒薬の分類
  b.消毒方法
  c.消毒薬使用時の注意点
  E.滅菌
  (1)滅菌法の選択
  a.滅菌方法の選択にあたっては、高圧蒸気滅菌を最優先する
  b.EOガス滅菌は取り扱い上の注意点を熟知し、使用は必要最小限にする
  c.器材の材質との適合性や形状などを考慮して、過酸化水素ガスプラズマ滅菌を選択する
  (2)滅菌工程における留意点

第14章 呼吸療法を支える電気設備・医療ガス設備
 I.電気設備・医療ガス設備と医療従事者
 II.電気設備
  A.保護接地
  B.非常電源
  C.起こり得る問題点と取り扱い上の注意点
  (1)生命維持に関連する医療機器は非常電源に接続する
  (2)テーブルタップは使用しない
  (3)使用する医療機器の消費電流と供給側の電気容量を確認する
 III.医療ガス設備
  A.中央配管方式
  (1)定置式超低温液化ガス貯槽による供給装置
  (2)可搬式高圧ガス容器による供給装置(マニフォールド)
  (3)圧縮空気供給装置
  (4)吸引供給装置
  (5)医療ガス設備の能力
  a.標準圧力、標準流量
  b.医療ガスの貯蔵量
  c.供給能力
  (6)配管器具
  a.配管
  b.遮断弁(シャットオフバルブ)
  (7)配管端末器(アウトレット)
  (8)ホースアセンブリ(耐圧管)
  B.個別方式
  (1)可搬式高圧ガス容器
  (2)移動用エアコンプレッサ
  (3)移動用電気吸引器
  C.起こり得る問題点と取り扱い上の注意点
  (1)配管端末器およびアダプタプラグの異常はないか
  (2)配管端末器と確実に接続されているか
  (3)供給停止時の対応が確保されているか
  (4)ボンベに異常はないか

第15章 呼吸療法で必要な知識いろいろ
 A.血液ガス記号
 B.血液ガスの評価に有用な式
  (1)換気量の評価
  a.換気式
  b.死腔換気
  c.死腔換気率
  (2)酸素化の評価
  a.肺胞気式
  b.肺胞−動脈血酸素分圧較差(a−aDo2)
  c.P/Fratio
  d.シャント率
 C.酸塩基平衡の評価
  (1)Henderson−Hasselbalch式
 D.血液運搬の評価
  (1)血液酸素含量
  (2)酸素供給量
 呼吸療法に関連する略語表

第16章 呼吸療法に関係する基準・規格・法律など
 I.呼吸療法機器および関連する設備と基準、規格および法律
 II.医療機器に関する基準・規格・法律など
  A.薬事法による規定
  B.工業標準化法による規定
  (1)国際規格の組織
  (2)日本工業規格
 III.医療ガスに関する基準・規格・法律など
  A.薬事法による規定
  B.JIST7101「医療ガス配管設備」
  C.高圧ガス保安法による規定
  D.医療ガス安全・管理委員会について
 IV.医療機器の保守に関する規定
  A.保守点検の実施主体について
  B.医療機器の保守点検の適切な実施

索引

「呼吸」は人間が生命を維持していくためにはなくてはならない重要な機能の一つである。すなわち、「呼吸」が何らかの原因で障害されると円滑な日常生活が行えなくなるばかりか、ときには生命維持そのものが難しくなる。この「呼吸」が障害された場合に行われるのが呼吸療法で、酸素療法、吸入・加湿療法、人工呼吸療法、呼吸理学療法、薬物療法などがある。呼吸療法は、医学・医療の著しい進歩とともに新生児から高齢者までの広範な医療分野での患者管理に用いられているが、最近では一部の疾患患者に対して在宅でも用いられ、患者のQOL向上に貢献している。
 呼吸療法がこのように各分野で有効性を発揮するためには、医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士などによるチームが円滑に機能する必要があり、個々の職種のレベルアップがたえず図られなければならない。本書は呼吸療法に従事する医療関係者のために計画されたもので、主たる読者は呼吸療法に関する臨床経験1〜3年目程度の初心者(医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士など)を対象としている。
 本書では、呼吸療法に必要な手技・技術を中心に現場の医療関係者が知っていなければならない事項を網羅しているが、とくに看護師などの頭痛の種となっている人工呼吸器などの各種呼吸療法用機器については、担当執筆者に原理、構成、操作手順、安全対策、保守管理をできる限りわかりやすく書いていただいたので、ぜひ実際の現場で利用していただきたい。
 本書により、効果的かつ安全な呼吸療法が行われ、それにより一人でも多くの呼吸障害で悩める人たちが救われ、その人たちのQOLが向上がするようになりうるならば、望外の喜びである。
2005年5月
渡辺 敏
宮川 哲夫

呼吸は、循環とともに生命の源である。したがって、呼吸を適切に管理することは生命維持の第一原則といっても過言ではない。欧米では、救命救急医療(critical care medicine)が、呼吸器科と同じ部門(pulmonary and critical care medicine)で取り扱われるのが一般的である。

 評者は、1985〜1986年に、米国シアトル市のHarborview Medical Centerで呼吸管理(respiratory care)を学ぶ機会を得た。この病院は、米国の中でも救命救急医療のメッカとして著明で、とくに急性呼吸促迫症候群(ARDS)を中心とした急性重症呼吸不全の呼吸管理では全米一の定評をもつ病院であった。このとき、もっとも強い印象を受けたのが、RT(respiratory therapist)と呼ばれる職種の存在であった。RTは看護師と同様に3交代制で24時間呼吸管理が必要な患者を担当する。もちろん看護師と同様な国家資格をもっており、呼吸に関してのエキスパートである。

 一方、わが国においては、血液ガス採取をはじめ、気管内挿管、人工呼吸器の設定まですべて医師の手に委ねられており、呼吸管理時における医師の負担には著しいものがある。ようやく1996年に、米国のRTのような呼吸管理を専門とする人材を育成する目的ではじめられたのが、3学会(日本呼吸器学会、日本麻酔科学会、日本胸部外科学会)合同呼吸療法士認定制度である。年々、応募者が増え続け、最近では応募者が3,000人を超える盛況である。

 さて、ようやく本論であるが、このたび、北里大学の渡辺 敏名誉教授と昭和大学の宮川哲夫助教授の編集により、「呼吸療法」が上梓された。この本の最初にも述べてあるが、本書が刊行された目的の一つが、呼吸療法士の育成のためであることは明らかである。

 編者の一人である宮川助教授は、米国でトレーニングを受けたRTであり、呼吸管理に精通したエキスパートである。各項目の内容は、呼吸管理に必要な治療の実際的なやり方が過不足なく簡潔に記載されており、これから呼吸管理を学ぼうとする人や、ある程度の知識がある人の両方にとって有益な書と考えられる。

 内容でいうと、ただ一つの不満は、HOT(home oxygen therapy)に関する部分で、HOT器機の説明が中心になっており、HOTの生理学的、臨床的有効性の説明が不十分である点である。HOTは、わが国でもすでに10万人以上の人が恩恵に浴している慢性呼吸不全に対する中心的治療の一つである。その重要性を考え、ぜひ、改訂時により詳しい記述をしていただきたいと思う。

評者● 赤柴恒人(日本大学医学部呼吸器内科助教授)
臨床雑誌内科97巻2号(2006年2月号)より転載