書籍

Cure and Care Series

糖尿病の治療と看護

編集 : 葛谷英嗣
ISBN : 978-4-524-21937-7
発行年月 : 2003年8月
判型 : B5
ページ数 : 280

在庫なし

定価3,780円(本体3,500円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

糖尿病とはどんな病気か、その病型や診断をやさしく解説。そのうえで、各種療法、各種合併症、シックディ対策はもちろん、歯周病・口腔ケア、アルコールやタバコなど嗜好品への対応、患者の会・糖尿病協会、予防、医療経済学等、糖尿病の最新情報を網羅。看護ポイントや、用語解説等の付録も充実。ナースに不可欠な知識を満載して、患者教育を成功に導く。カラー写真も駆使して、理解を助ける2色刷。

1.糖尿病の理解のために
  1.糖尿病とはどんな病気か
  2.糖尿病の病態:血糖の調節と高血糖のメカニズム
  3.糖尿病の症状
  4.糖尿病の病型と成因
  5.糖尿病の診断
  6.インスリン抵抗性症候群

2.糖尿病の治療と看護
 A.治療の目標と経過観察に必要な検査
 B.治療の実際
  1.食事療法
  2.運動療法
  3.経口薬療法
  4.インスリン療法
  5.低血糖とシックデイ
  6.肥満と糖尿病
  7.高血圧と糖尿病
  8.高脂血症と糖尿病
  9.妊娠と糖尿病
  10.小児糖尿病
  11.高齢者糖尿病
  12.外科手術と糖尿病
C.糖尿病の患者教育
  1.患者教育の必要性と実際
  2.糖尿病療養指導士の役割
  3.患者ヘの心理的アプローチ
  4.嗜好品への対応―1. アルコール
           ―2. タバコ
  5.糖尿病患者友の会と日本糖尿病協会


3.糖尿病の合併症とその対策、看護
 A.糖尿病性昏睡
 B.慢性合併症
  1.網膜症
  2.腎症
  3.神経障害
  4.心合併症
  5.脳血管合併症
  6.末梢血管合併症
  7.足病変
  8.性機能障害
  9.歯周病

4.糖尿病の予防と医療経済学
  1.糖尿病の予防
  2.糖尿病の医療経済学

付録
1.糖尿病の分野でよく使われる略語
2.糖尿病の分野で使われる用語の解説
3.糖尿病の主な薬剤の一覧

今や糖尿病人口は著しく増加している。1997年に厚生省(当時)によって行われた全国調査の結果によると、「糖尿病が強く疑われるもの」が、実に20歳以上の男性の9.8%、女性の7.2%もいることがわかった。この数字から「糖尿病が強く疑われるもの」は全国で690万人と推定された。さらに「糖尿病の可能性を否定できないもの」を含めると1370万人に及ぶという。
 成人における視力障害の原因として、また、腎不全のための血液透析導入の原因として、糖尿病は第1位である。外傷を除くと糖尿病性足病変(潰瘍・壊疽)は足切断の原因としてやはり第1位ということである。さらに糖尿病は虚血性心疾患や脳梗塞などの重要なリスクファクターである。糖尿病やその合併症は患者の生活の質を低下させ、社会生活を制約する。また最近の医療費の高騰の一因ともなっている。糖尿病は21世紀における国民の最も大きな健康問題であるといっても過言ではない。
 近年の医学の著しい進歩はいうまでもないが、視力障害や腎不全など重篤な合併症を有する患者の増加をみると、こと糖尿病の治療に関してはまだまだ十分な成果が上がっているとはいいがたい。糖尿病の治療はそれほどむずかしいといえるのかもしれない。生活習慣が深くかかわっており、長期にわたって患者自身による自己管理が欠かせない病気である。
 糖尿病の治療で成功するためにはチーム医療が不可欠である。患者と医療スタッフがパートナーシップをもって治療にあたるのである。最近、わが国においても糖尿病療養指導士の制度が発足したが、療養指導士や医療スタッフによる継続した療養指導が医者とのかかわり以上に患者にとって必要である。糖尿病の療養指導にあたる看護師、コメディカルヘの期待はきわめて大きい。よい糖尿病ケアを提供するために、医療に携わる専門職としてまず十分な知識を身につけることが第一歩であり、新しい進歩にも遅れないようにしなければならない。
 本書『糖尿病の治療と看護』は、糖尿病患者の看護や療養指導に必要な糖尿病についての知識を、基本的なこととともに最近の知見を含めて学んでもらうことをねらいとして企画された。編集にあたっては、わかりやすい解説書となり、実際の臨床現場で役立つものとすることに主眼をおいた。看護師ばかりでなく、糖尿病患者のケアにかかわっているすべての職種の人に広く利用していただければと願っている。
2003年7月
葛谷 英嗣