衛生薬学[電子版付]改訂第5版
基礎・予防・臨床
| 編集 | : 今井浩孝/小椋康光 |
|---|---|
| ISBN | : 978-4-524-40448-3 |
| 発行年月 | : 2025年3月 |
| 判型 | : B5判 |
| ページ数 | : 812 |
在庫
定価8,250円(本体7,500円 + 税)
正誤表
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2026年03月13日
第1刷
- 商品説明
- 主要目次
- 序文

「骨太」をコンセプトとした衛生薬学の教科書.基礎だけでなくアドバンストな内容や臨床現場とのつながり等も紹介した,より深い理解を目指した構成が特長.薬学教育モデル・コア・カリキュラム「E衛生薬学」,4年制薬学教育参照基準に対応.今改訂では統計値や各種基準等の情報更新を行ったほか,感染症や化学物質による健康被害などの記載を拡充.紙版の付録として電子版付き.
第1部 健康の維持・増進をはかる公衆衛生
第T章 環境要因によって起こる疾病の予防と健康被害の防止
1 疫学
2 環境要因によって起こる疾病や健康被害
3 環境要因によって起こる疾病の予防法・防止法
4 保健統計を用いた疾病の背景や原因の解析
5 疾病や健康被害に関する社会的な影響・国際的な動向
6 疾病や健康被害の予防・防止にかかわる規制・制度や関連法規
7 産業保健
第U章 人の健康を脅かす感染症の予防とまん延防止
1 人の健康を脅かす感染症の予防とまん延防止
A 感染症の病原体と感染経路
B 感染症発生の背景と原因の解析
C 感染症に対する基本的な予防法
D 感染症の予防,まん延防止にかかわる規則・制度や関連法規
E 主な感染症の特徴と発生動向
F 発生した感染症に対する予防策・まん延防止策
G ワクチンにより感染症を予防する意義と課題
H 薬剤師によるワクチン接種のコーディネート
第2部 健康の維持・増進につながる栄養と食品衛生
第V章 食品機能と疾病の予防・治療における栄養
1 健康維持・増進における栄養の役割・機能
A 五大栄養素の役割
B 栄養素の消化,吸収,代謝
C 食品中の三大栄養素の栄養的価値
2 疾病の予防・治療に向けた栄養の評価・管理
A エネルギー代謝にかかわる指標,基礎代謝量,呼吸商,推定エネルギー必要量
B 日本人の食事摂取基準(2025年版)
C わが国における栄養素摂取および健康状態の現状の把握(国民健康・栄養調査)
3 疾病の予防・治療に向けた栄養管理と方策
A 食薬区分
B 特別用途食品と保健機能食品
C ライフステージにおける栄養の必要性 アドバンス
D 栄養素の過不足と疾病
E ライフステージにおける疾患と栄養管理
F 疾病治療と栄養
第W章 健康をまもる食品衛生
1 食品の変質による健康被害と基本的な対処法
A タンパク質の変質
B 炭水化物の変質
C 油脂の変敗機構と変質試験
D 食品の変質に関与する因子と変質防止法
2 食中毒・食品汚染による健康被害と基本的な対処法
A 微生物による食中毒
B 自然毒による食中毒
C 食品成分由来の発がん物質
D 化学物質食品汚染の具体例
3 食品の安全管理
A 食品衛生に関する法的規制
B 食物アレルギーによる健康被害と安全管理
C 食品添加物
D 遺伝子組換え食品 アドバンス
第3部 化学物質の管理と環境衛生
第X章 人の健康に影響を及ぼす化学物質の管理と使用
はじめに
1 化学物質の体内動態と毒性
A 化学物質の体内動態
B 化学物質の代謝
C 化学物質の毒性発現機構と標的臓器
D 化学物質の毒性
E 化学物質に対する生体防御機構
F 化学物質による発がん
2 化学物質の安全性評価と適正使用
A 保健統計および疫学的手法を用いた化学物質影響評価
B リスクコミュニケーションに基づいたリスク回避
C 化学物質の毒性試験
D 毒性試験結果の解析
E 化学物質の安全性評価
F 有害化学物質による人体影響を防ぐための法的規制
G 化学物質による健康被害と社会影響
H 乱用薬物の健康および社会への影響
I 化学物質による中毒に対する処置
J 法中毒学と中毒原因物質の試験法
第Y章 生活環境・自然環境の保全
1 地球環境と生態系
A 地球環境と生態系
B 化学物質の環境内動態
C 地球環境問題と国際的な取り組み
D 環境分野におけるリスクコミュニケーション
2 廃棄物
A 廃棄物の種類と処理
B 廃棄物処理の問題点と対策
C 医療廃棄物
3 放射線の生体への影響
A 電離放射線の種類と性質
B 放射性核種と生体との相互作用
C 電離放射線の生体影響
D 電離放射線の防御
E 非電離放射線
4 事例から学ぶ環境保全と法的規制
A 典型七公害と四大公害
B 環境基本法
C 公害・環境汚染防止のための法規制
5 水環境
A 上水
B 下水
C 水質汚濁
6 大気環境
A 大気環境と健康
B 大気環境汚染物質の測定
C 大気環境と気象条件
7 室内環境
A 室内環境を評価するための代表的な指標
B 室内環境と健康との関係
2016 年に「衛生薬学―基礎・予防・臨床」を刊行してから,9 年で改訂第5 版を出版できることになった.薬学教育モデル・コア・カリキュラムが令和4 年度に改訂され,衛生薬学(E)は,社会と薬学(B),基礎薬学(C),医療薬学(D)において取得した基礎知識や技能をもとに,臨床薬学(F)と並行して,社会・集団における人の健康を科学し,薬剤師として身体的,精神的な健康の維持・増進に貢献するために必要な学修領域と位置付けられ,従来の基礎的な位置付けから,新型コロナウイルス感染症の流行も契機となり,臨床や実学により近くなり感染症対策など社会における衛生薬学的課題に応用できる力が求められる科目となった.本書は刊行当時から,コンセプトとして基礎・予防・臨床とまさに基礎から臨床現場での応用に役立つ学修書として,いち早く臨床栄養学や法中毒学・裁判化学,疫学などを加え内容の充実を図るととともに,本書を使用していただいた多くの方々からのご意見を反映させ,より良い学修書を目指してきた.
今回の改訂第5 版では,薬学教育モデル・コア・カリキュラムの衛生薬学における中項目(1)健康の維持・増進をはかる公衆衛生,(2)健康の維持・増進につながる栄養と食品衛生,(3)化学物質の管理と環境衛生に対応するように改訂を行った.新しいカリキュラムでは,学生が到達すべき目標のみが記載されることとなったが,本書では,重要項目に関しては何を学ぶのかの記載は残すこととした.また今回,我々は新型コロナウイルス感染症を経験し,とくに薬剤師として未知の感染症に対しての予防策・まん延防止施策の策定や将来に向けワクチン接種のコーディネートができるようになることが掲げられており,本改訂において,実際に新型コロナウイルス感染症の対応にあたった臨床医およびワクチン接種のコーディネートの実習を行っている実務教員に執筆者として加わっていただき対応している.さらに,死因究明における薬学的アプローチも新たにモデル・コア・カリキュラムの中で求められることになり,法中毒学・裁判化学の実務の観点からの記載も増やした.
衛生薬学は,疫学,保健統計学,感染症学,栄養化学,食品衛生学,毒性学,法中毒学・裁判化学,環境化学など多岐にわたる分野である.6 年制課程においては,薬剤師による健康増進,感染症や生活習慣病などの疾病予防,環境衛生の管理を理解し,公衆衛生に寄与する上で重要な知識・技術・態度を習得した上で,さらに今後新たに遭遇する公衆衛生学的課題に対して,対応策を講じ実践できる応用力が求められている.そのためには自ら社会的課題を取り上げ,国際情勢も含めて調査,情報の収集を行い,疫学,統計学的手法を取り入れ薬学的な解決策や対応策を考案し,リスクコミュニケーションに展開することが重要となる.本書の学修はもちろんのこと,その一助となることを望む.4 年制課程においては,栄養と疾病との関連,感染症への予防策,まん延防止策,創薬のみならず食品や医薬品を含めた化学物質と生体との関連,毒性発生機構や環境への影響を探究するために必要な基礎知識と基本手技を学び,自ら創薬への展開力や公衆衛生行政への参画に役立てていただきたい.改訂第5 版においても,4 年制課程および6 年制課程の両課程での学習に応えられる内容とした.
本書を利用して学修した多くの薬学生が,衛生薬学に興味をもち,衛生薬学分野で将来活躍してくれれば,編者としては望外の喜びである.
最後に,改訂にあたり本書の執筆に携わっていただいた多くの方々,編集にご尽力いただいた南江堂の野澤美紀子氏,松本岳氏に深く感謝する.
2025 年3 月
編 者




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