教科書

薬系免疫学改訂第2版

編集 : 植田正/前仲勝実
ISBN : 978-4-524-40296-0
発行年月 : 2012年9月
判型 : B5
ページ数 : 272

在庫あり

定価3,672円(本体3,400円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学とのつながりを重視し、薬学コアカリキュラムの内容を網羅した免疫学の教科書。学生にとって難しい免疫学をストーリー性のある記述とともにわかりやすく解説。12〜15回の講義で完結する構成内容。病態と医薬品を結びつけた応用編では、具体的な免疫疾患を挙げ、成因・機序を解説、薬学に特化するよう治療と薬品の役割を解説している。今改訂では「サイトカインとシグナル伝達」、「抗体医薬品」の項目を新設し、より薬学部生の理解に配慮した。

なぜ免疫学を学ぶのか、薬学とのつながり

第1部 基礎編:免疫学への招待
0 免疫のしくみ
1 免疫に関する器官と細胞
 1 免疫担当器官
 2 免疫担当細胞
2 抗原・抗体・補体
 1 抗原と抗体
 2 補体
 3 抗原抗体反応
3 免疫反応機構
 1 自然免疫と獲得免疫
 2 自然免疫
 3 獲得免疫
4 主要組織適合遺伝子複合体(MHC)
 1 MHCとは
 2 MHCクラスIの抗原提示
 3 MHCクラスIIの抗原提示
 4 T細胞、B細胞、NK細胞の抗原認識の違い
 5 T細胞のシグナル伝達
 6 CD抗原
5 多様性獲得機構
 1 B細胞の多様性獲得機構
 2 T細胞の多様性獲得機構
6 リンパ球の分化と成熟
 1 T細胞の分化
 2 B細胞の分化
 3 リンパ球の循環と維持
 第1部の要点

第2部 身近な免疫学
7 アレルギー
 1 I型アレルギー
 2 II型アレルギ一
 3 III型アレルギ一
 4 IV型アレルギー
8 サイトカインとシグナル伝達
 1 サイトカイン
 2 ケモカイン
 3 炎症
 4 シグナル伝達
9 免疫と病気(成因と機序)
 1 自己免疫疾患
 2 移植と拒絶反応
 3 免疫不全
 4 がん(悪性腫瘍)
10 感染に関する免疫のしくみ
 1 感染の概念
 2 感染の生体防御
 3 腸管免疫
 4 細菌感染に対する免疫応答
 5 ウイルス感染に対する免疫応答
 6 真菌・原虫・寄生虫感染に対する免疫応答
11 免疫応答の制御
 1 ワクチンと予防接種
 2 免疫賦活化療法
12 免疫学的分析法
 1 抗体の調製法
 2 免疫学的分析法
13 免疫と妊娠、老化
 1 免疫と妊娠
 2 免疫系の老化

第3部 上級編:免疫と医療
14 免疫関連医薬品一詳細な理解をめざして
 1 免疫抑制薬
 2 抗リウマチ薬(DMARDs)
 3 ステロイド性抗炎症薬(ステロイド)
 4 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
 5 アレルギ一治療薬
 6 気管支拡張薬・気管支目指息治療薬
 7 免疫学的製剤(抗毒素、抗血清など)
 8 HIV感染症(エイズ)治療薬
15 先端免疫学一創薬と医療をめざして
 1 構造生物学と免疫学
 2 抗体医薬品
 3 免疫寛容
 4 がんの免疫療法

本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引

囲み記事
 アジュバント
 抗体の糖鎖の役割
 Fab医薬品
 HER2遺伝子
 調節性T細胞(Treg)
 疾患感受性とMHCの多型
 転写
 スプライシング
 翻訳
 結合部多様性
 体細胞高頻度突然変異
 クラススイッチとサイトカイン
 胸腺をもたないマウス
 機能的再構成
 ダブルポジティブT細胞の運命決定
 受容体編集
 造血幹細胞ニッシェ(ニッチ)
 造血幹細胞から未熟B細胞まで
 リンパ球の維持
 後遅発型反応と気管支喘息
 薬物アレルギー
 食物アレルギー

日進月歩の免疫学領域をどのあたりまでを薬学生に教えればよいかと編者らが逡巡していたおりに、本書の編集の機会を得て、2007年10月に初版第1刷が刊行された。出版担当者と編者との話し合いで、薬学生にとって必要なミニマムエッセンスを抽出し、わかりやすいテキストを目指すという方針で作成したところ、薬学部で免疫学の講義を担当される多くの先生に採択していただいた。採択された先生からは、多数のご指摘をいただき、増刷の際に必要な部分は修正してきた。ここに初版出版から5年を経て、改訂第2版を出版する機会を得たので、初版のコンセプトを引き継ぎつつ改訂を行った。
 具体的な改訂点は、初版出版時から現在までの間、免疫学で定説となった内容に沿って一部の事項を改訂したこと、項目・図表の追加、章・項目の順番の入れ替えなどである。さらに、わが国でも臨床現場で、抗体医薬品の使用が広がっていること、免疫システムを分子、原子レベルで理解できる時代になったことから、改訂第2版第3部の上級編では、抗体が抗原をどのようなしくみで見分けるかなど、薬学のみならず創薬を志す学生諸君に是非知ってもらいたい項目を新たに設けた。また、免疫学のなかでとくに進歩が著しい免疫制御に関して最近の定説を含め大幅に改訂した。
 今版においては、より免疫学に興味をもってもらえるように囲み記事を増やした。これにより免疫学に関心が高まったなら、編者にとっては幸甚である。一方、囲み記事のなかには、高度な内容を含むものもあるので、難しく感じた場合は、一旦スキップして読んでいただいても差し障りない。
 改訂第2版においても、初版と同様に、意図的にわかりやすさを優先して執筆した部分もある。たとえば、科学論文のなかでは、生体内のあるタンパク質が「ある」か「なし」というような二者択一的な表現は用いられないが、本書では、タンパク質の量が少ないものなどはあえて「なし」と表現している。また、ある現象に複数のタンパク質がかかわっている場合もあるが、本書では主としてかかわっているタンパク質名のみをあげている。その結果、免疫学的事実に則していない部分については、初版に引き続き読者からのご指摘をいただければ幸いである。
2012年8月
植田正
前仲勝実