教科書

薬系 免疫学改訂第3版

編集 : 植田正/前仲勝実
ISBN : 978-4-524-40351-6
発行年月 : 2018年2月
判型 : B5
ページ数 : 288

在庫

定価3,672円(本体3,400円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

複雑な免疫学の知識を整理し、薬学生にとって必要な最低限の情報をシンプルにまとめた教科書。図、イラスト、用語解説を多用し、重要な情報は他章を参照しなくて済むようにくりかえし記載。囲み記事として免疫学に関連する興味深い事柄を掲載し、はじめて免疫学を学ぶ学生でも楽しく学べるよう工夫した。章構成の一部変更や、情報のアップデートでより学びやすくなった改訂版。

なぜ免疫学を学ぶのか,薬学とのつながり
第1部 免疫学への招待
 0 免疫のしくみ
 1 免疫に関する器官と細胞
  1 免疫担当器官
  2 免疫担当細胞
 2 抗原・抗体・補体
  1 抗原と抗体
  2 抗原抗体反応
  3 補 体
 3 免疫反応機構
  1 自然免疫と獲得免疫
  2 自然免疫
  3 獲得免疫
 4 主要組織適合遺伝子複合体(MHC)
  1 MHCとは
  2 MHCクラスIの抗原提示
  3 MHCクラスIIの抗原提示
  4 T細胞,B細胞,NK細胞の抗原認識の違い
  5 T細胞のシグナル伝達
  6 CD抗原
 5 リンパ球の分化と成熟
  1 T細胞の分化
  2 B細胞の分化
  3 リンパ球の循環
 6 多様性獲得機構
  1 B細胞の多様性獲得機構
  2 T細胞の多様性獲得機構
第2部 身近な免疫学
 7 サイトカインとシグナル伝達
  1 サイトカイン
  2 ケモカイン
  3 炎症
  4 シグナル伝達
 8 アレルギー
  1 I型アレルギー
  2 II型アレルギー
  3 III型アレルギー
  4 IV型アレルギー
 9 免疫と病気(成因と機序)
  1 自己免疫疾患
  2 移植と拒絶反応
  3 免疫不全
  4 がん(悪性腫瘍)
 10 感染に関する免疫のしくみ
  1 感染の概念
  2 感染の生体防御
  3 粘膜免疫
  4 感染症に対する生体防御
  5 再興感染症および新興感染症に対する免疫応答
 11 免疫応答の制御
  1 ワクチンと予防接種
  2 免疫賦活化療法
 12 免疫と妊娠,老化
  1 免疫と妊娠
  2 免疫系の老化
 13 免疫学的分析法
  1 抗体の調製法
  2 免疫学的分析法
第3部 免疫と医療
 14 免疫関連医薬品−詳細な理解をめざして
  1 免疫抑制薬
  2 抗リウマチ薬(DMARDs)
  3 ステロイド性抗炎症薬(ステロイド)
  4 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
  5 アレルギー治療薬
  6 気管支拡張薬・気管支喘息治療薬
  7 免疫学的製剤(抗毒素,抗血清など)
  8 HIV感染症(エイズ)治療薬
  9 C型肝炎治療薬
 15 先端免疫学−創薬と医療をめざして
  1 構造生物学と免疫学
  2 抗体医薬品
  3 免疫寛容
  4 がんの免疫療法
本書における薬学教育モデル・コアカリキュラム対応一覧
索引

改訂第3版のまえがき

 機会を得て2012年に前版を出版してから約5年が経過する。この間の免疫学領域での発見をあげると枚挙にいとまがない。この5年間の薬学領域における免疫学の進歩を学ぶうえで理解しておくポイントとして、免疫学を代表するともいえる免疫担当細胞の役割が整理されてきたこと、ニボルマブの上市ならびにその画期的な効果から免疫療法が「抗がん治療」として認知され、それにより「抗体医薬品」の開発がますます加速していることなどがあげられる。今版では、これらに該当する箇所について、本文の改訂・図表の追加を行った。また、読者からの要望を踏まえ、より理解しやすく、また読み進めやすいように、章の順番の入れ替えや項目の追加なども行った。
 書名に「薬系」と冠しているように、本書の特色は「薬学生にとって必要なミニマムエッセンスを抽出する」という指針にある。第1部においては、改訂第2版から、定説になりつつある免疫学領域の研究成果に対応した。第2部においてもC型肝炎や新興感染症などの解説を追加した。これに加え、著名な免疫学の成書にはほとんど記載されていない、免疫関連医薬品(最新の抗体医薬品の開発情報を含む)、新規抗体医薬品の創成に有益な知見(抗原認識の原子レベルでの解説など)、免疫学におけるタンパク質の立体構造解析の意義(第3部)などの記載も特色の一つである。免疫関連医薬品は、「薬理学」の成書とオーバーラップしている箇所も多いが、第1部、第2部の内容を踏まえて、「免疫学」の切り口から医薬品の作用機序を理解していただければ幸甚である。
 前版では、免疫学により親しんでもらえるように「囲み記事」を増やしたが、このことにより「薬学生にとって必要なミニマムエッセンスを抽出する」という当初の指針がややぶれた感があったかもしれない。免疫学領域では次々と新しい発見があり、改訂第3版でも新たに「囲み記事」を追加したが、本文を読み進めやすいように、レイアウト等に配慮した。「囲み記事」を難しく感じた場合は、いったんスキップして読んでいただいて差し支えない。その他の指針については、前版を踏襲した。繰り返しになるが、免疫学領域は日進月歩である。そのため、本書の記述内容が免疫学的事実に則さなくなった部分については、引き続き読者からのご指摘をいただければ幸いである。
 改訂第3版の出版にあたり、(株)南江堂に厚く謝意を表するとともに、ご尽力いただいた岩ア、北島両氏に感謝申し上げる。

2017年12月
植田正
前仲勝実