雑誌

別冊整形外科

No.64 小児整形外科疾患診断・治療の進歩

編集 : 岩本幸英
ISBN : 978-4-524-27764-3
発行年月 : 2013年10月
判型 : A4
ページ数 : 246

在庫あり

定価6,804円(本体6,300円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

小児整形外科疾患の診断と治療は近年めざましい進歩を遂げ、画像診断ではMRIやCTの応用で軟骨・腫瘍病変の描出が飛躍的に向上した。治療においては脊椎側彎矯正の進歩は目を見張るものがあり、また最近のトピックスである内反足に対するPonseti法の導入に関して、本号では矯正のコツと治療成績、さらには遺残変形への対処まで充実した特集を組んでいる。本号によって新しい知識が整理されることを期待する。

I.診断・評価の進歩
1.MRI
 投球肘障害の高分解能MRI
 離断性骨軟骨炎と鑑別を要する小児大腿骨遠位部骨端核不整像
 発育性股関節形成不全における三次元MRIを用いた三次元的評価
2.CT、PET−CT
 Volume rendering CTによる離断性骨軟骨炎患者の軟骨評価
 CTによる発育性股関節形成不全の三次元的形態解析と治療への応用
 小児期の悪性骨・軟部腫瘍に対するPET−CTを用いた診断・治療の現状と今後の展望
3.超音波、その他
 新生児に対する超音波股関節検診
 思春期特発性側弯症の術中X線像から術後肩バランスは予測できるか

II.保存的治療の進歩
1.頚椎
 環軸関節回旋位固定に対する新たな治療法−リモデリング療法
 環軸関節回旋位固定に対する牽引治療
2.四肢
 小児肘内障に対する前腕回内整復法に関する治療成績−従来法との比較による有用性の検討
 Perthes 病の入院免荷管理の重要性と外転装具適用法−免荷装具開始と荷重装具移行・終了時のポイント
3.脳性麻痺
 麻痺性下肢変形に対するボツリヌストキシン療法
 重症脳性麻痺例の骨代謝に対する発光ダイオード(LED)照射の影響

III.手術的治療の進歩
1.脊椎疾患
 思春期特発性側弯症の後方矯正固定法の進歩
 特発性脊柱側弯症に対するuniplanar screwを用いたdirect vertebral rotation 法による変形矯正
 内視鏡と経皮的椎弓根スクリューを用いた低侵襲分離部修復術
2.上肢の疾患
 術中所見にて外側型の上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する病巣掻爬+自家骨軟骨柱移植術の治療成績
 先天異常手指に対する仮骨延長術の治療成績
3.股関節疾患
 歩行開始後に診断された発育性股関節脱臼の手術−広範囲展開法
 Salter骨盤骨切り術におけるT−sawの応用
 安定型大腿骨頭すべり症に対するin situ pinning
 大腿骨頭すべり症に対するHansson ピンによるin situ pinning
 高齢発症Perthes病に対する大腿骨転子部屈曲骨切り術の短期成績
4.先天性内反足の初期治療と遺残変形への対処
 先天性内反足に対するPonseti法
 先天性内反足における従来法とPonseti法の初期治療成績の検討
 足根骨バイオメカニクスを重視したPonseti法
 月出法を行った先天性内反足ギプス終了時のMRI所見と長期治療成績
 先天性内反足の遺残変形に対する手術的治療
 先天性内反足遺残変形の病態と創外固定による治療
 特発性先天性内反足遺残変形に対する観血的軟部組織解離を併用したIlizarov法の臨床成績
 先天性内反足の遺残変形に対する距骨下関節全周解離術
 先天性内反足治療後の遺残変形
5.足部疾患
 距骨離断性骨軟骨炎に対する関節鏡視下骨穿孔術
 足根骨癒合症に対する癒合部切除・遊離脂肪移植術の治療成績
6.外傷
 小児前腕両骨骨幹部骨折に対する髄内固定法
 小児大腿骨骨幹部骨折に対する治療法の選択
7.腫瘍性疾患
 小児の色素性絨毛結節性滑膜炎の診断と治療
 小児期に発生した類骨骨腫に対するCT ガイド下経皮的手術
8.脳性麻痺
 脳性麻痺児の痙縮に対する選択的後根切断術
9.変形矯正など
 多発性軟骨性外骨腫症の前腕再建
 成長障害による下肢短縮変形に対する骨延長術の臨床成績−創外固定装着期間と合併症発生リスクの予測に関する検討
 難治性先天性脛骨偽関節症に対する緩徐矯正後内固定術

小児整形外科の対象疾患は、ここ20年程の間に大きく様変わりしました。かつて小児の三大疾患といわれた筋性斜頚、先天性股関節脱臼、内反足が減少の一途をたどる一方、大腿骨頭すべり症のように増加傾向を示している疾患もあります。対象とする年齢も拡大傾向にあり、小児疾患に続発する成長終了後の問題は小児整形外科関連学会のメインテーマの1つになっています。
 この間、小児整形外科領域における診断と治療の進歩にはめざましいものがありました。そこで、日々進歩する小児整形外科に関する知識を最新のものにする目的で、本特集「小児整形外科疾患診断・治療の進歩」を企画いたしました。幸い、経験豊富な先生方より多くのご投稿を得まして、レベルの高い内容に仕上がっています。「診断・評価の進歩」の項では高分解能MRIやCTの応用によって軟骨病変、腫瘍病変の描出が飛躍的に向上したことが示されています。脊椎側弯矯正の進歩には目を見張るものがありますし、内視鏡を用いた手術の低侵襲化はさらに進化しそうです。小児整形外科領域の最近のトピックスの1つは内反足に対するPonseti 法の導入でしょう。本特集号では「先天性内反足の初期治療と遺残変形への対処」として、Ponseti 法による矯正のコツと治療成績、さらには遺残変形への対処まで充実した特集を組むことができました。
 昨今の少子化傾向に伴い、小児整形外科を研修する機会が少なくなっています。本特集号によって小児整形外科領域の新しい知識が整理され、皆様の日常診療に役立つことを祈念いたします。

2013年10月
九州大学教授
岩本幸英