雑誌

別冊整形外科

No.62 運動器疾患の画像診断

編集 : 越智光夫
ISBN : 978-4-524-27762-9
発行年月 : 2012年10月
判型 : A4
ページ数 : 218

在庫僅少

定価6,804円(本体6,300円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

運動器疾患に対する画像診断の進歩により、より詳細で正確な術前診断が可能となった。治療の選択には、正確な術前診断は不可欠であり、保存療法か手術療法か、種々の手術療法のどの方法を選択するのかを決定するうえで、画像診断の価値は時代とともに徐々に大きくなっている。しかし一方で器機の進歩は時として極めて急速な展開を見せ、私たちを置き去りにしていることもある。運動器領域の画像診断の現状を知り、その知識を整理することが必要である。

T.X線診断
1.関節動揺性の評価
 膝蓋骨不安定症に対する非麻酔下・麻酔下での定量的膝蓋骨ストレス撮影の比較・検討
 後足部アライメント評価における荷重時距骨下関節X線撮影の有用性
2.関節機能の評価
 投球障害に対する潜在性の胸椎側方傾斜と肩甲骨位置異常への関与―立位両肩下垂位X線像を用いた検討
 T-view撮影を用いた肩甲胸郭関節機能と肩関節タイトネスとの関連性の検討
―肩甲骨5mm以上の外方化は肩関節タイトネスに関連がある
3.動作解析
 股関節X線像の自動解析評価―解析のデジタル化へ
4.その他
 近傍の骨変化を伴う筋肉内血管腫(骨表面血管腫)

U.CT診断
1.関節内骨折・腱損傷
 CTによる橈骨遠位端関節内骨折の評価
 手指腱病変における三次元CT診断の有用性と限界
2.インピンジメントの評価
 三次元解析ソフトによるfemoroacetabular impingementの診断と治療への応用
3.血流の評価
 頚椎手術における三次元CT血管造影法を用いた椎骨動脈および脳底動脈への側副血行の術前評価―致死的椎骨動脈損傷を回避するために
4.手術への応用
人工膝関節全置換術術前計画におけるCTの応用
CTを用いた外反母趾手術における種子骨複合体の評価―部分荷重状態でのCT評価

V.MRI診断
1.関節軟骨の評価
 MRIを用いた軟骨定量評価ソフトウエア
 T1ρ(rho)マッピングおよびT2マッピングMRIによる関節軟骨基質の評価
 MRI T2マッピングによる関節軟骨変性の三次元定量的評価
 変形性膝関節症における3.0T遅延相ガドリニウム造影MRI(dGEMRIC)とT2マッピングを用いた診断と足底板治療における関節軟骨の質的評価
 3.0TMRIの高精度画像診断技術を用いた遅延相ガドリニウム造影およびT2マッピング―荷重位撮像を含めて
2.関節唇損傷の評価
 投球障害肩のMRI診断
 股関節唇損傷例に対する超音波ガイド下関節注射後放射状撮像関節造影MRIの検討
3.骨・軟部腫瘍の鑑別診断
 骨・軟部腫瘍の鑑別診断―腫瘍と腫瘍様病変
 皮下発生粘液線維肉腫の画像診断と治療
4.悪性骨・軟部腫瘍の治療効果におけるMRI拡散強調画像
 骨肉腫術前化学療法効果判定におけるMRI拡散強調画像の有用性に関する研究
5.椎間板障害に対するMRI
 MRIによる椎間板変性度とT2緩和時間の関係
6.脊髄・神経根障害に対する画像検査
 腰椎神経根椎間孔部・椎間孔外部障害における斜位MRI
 拡散テンソル画像による腰椎椎間孔狭窄診断
7.脊髄・馬尾神経障害における運動・感覚機能評価としての画像検査
 慢性腰痛研究における機能的MRIの意義
8.膝関節障害に対する画像検査
 変形性膝関節症における内側半月側方偏位のMRIと超音波による評価
9.その他
 骨粗鬆症性椎体骨折新鮮例に対するMRI画像評価
 MRIによる大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の予後予測の試み
 機能的MRIを用いた膝靱帯損傷における運動認知機能の評価

W.超音波診断
 手・肘における神経・腱・関節の超音波診断
 超音波検査による手指屈筋腱損傷の診断・術後評価
 関節リウマチの超音波画像診断
 生物製剤使用下における関節リウマチ患者の関節超音波所見
 超音波三次元イメージングを用いた関節リウマチ手指関節内血流数量化の試み

X.PET診断
 腫瘍用人工関節を用いた患肢温存術後局所再発診断におけるFDG-PETの有用性と限界
 18F-fluoride PETを用いた変形性股関節症の早期診断と病期進行予測

Y.その他の画像診断
 骨SPECT/CT融合画像を用いた大腿骨頭壊死症の病態評価

運動器疾患に対する画像診断の進歩により、より詳細で正確な術前診断が可能となり、治療のための貴重な情報が得られるようになってきました。顕著な例では、脊髄髄内腫瘍、脊髄血管病変、脊髄炎症性疾患の診断にMRIは不可欠で、MRIの開発・普及がなければ診断そのものを術前に下すことはほとんど不可能に近いともいえます。椎間板ヘルニアの自然退縮もMRIにより証明されました。fMRIは主観的でしかなかった痛みを画像化でき、ある程度客観的な指標を与えることができるようになるかもしれません。超音波も器機の進歩に伴い、驚くほど鮮明度が上がり、整形外科領域できわめて有用な情報を与えてくれております。
 治療の選択には正確な術前診断が不可欠であり、保存的治療か手術的治療か、種々の手術的治療のどの方法を選択するのかを決定するうえで、画像診断の価値は時代とともに徐々に大きくなり、今後もますます利用価値が広がってくるものと思われます。しかし一方で、器機の進歩は時としてきわめて急速な展開をみせ、われわれを置き去りにしていることもあります。そこで、このたび運動器領域の画像診断の現状を知り、その知識を整理することは有意義と考え、本特集を企画いたしました。
 数多くのご応募をいただき、最終的に38編の論文を選びました。6編のX線診断、6編のCT診断、18編のMRI診断、5編の超音波診断、2編のPET診断と1編の骨SPECT/CT融合画像診断、いずれも最新の知識が盛り込まれた内容となっていることを編者として嬉しく思っております。
 本特集号が読者の皆さまの診断技術向上の一助となれば幸いです。
2012年10月
広島大学教授
越智光夫