雑誌

別冊整形外科

No.51 整形外科office based surgery

一人でできるテクニック

編集 : 高岡邦夫
ISBN : 978-4-524-27751-3
発行年月 : 2007年4月
判型 : A4
ページ数 : 250

在庫なし

定価6,480円(本体6,000円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

鏡視下手術を始めとする低侵襲手術の発展により今後大きな広がりをみせる“office-based surgery”を特集。各種神経ブロックの実際や骨折の経皮的ピンニング法、創外固定法および麻酔法など、外来でできる手術手技の基本と最新技術に関する論文を幅広く収載し、日常診療に基づいた外来手術の工夫や成績についての貴重な経験を紹介する。

1.脊椎
 脊椎疾患での各種神経ブロック
 神経根性疼痛に対するブロック療法
 選択的神経根造影・ブロック
 腰椎疾患患者への椎間板内ステロイド注入術と神経ブロックの治療効果の比較
 腰椎椎間板ヘルニアに対する加圧注射療法―椎間板内加圧注射療法とヘルニア腫瘤内加圧注射療法
 椎間板ヘルニアに対するレーザー椎間板減圧術

2.肩、肘、手関節
 肩のday surgery
 いわゆる透析肩の日帰り内視鏡手術
 後方型野球肘の治療―肘頭過労性骨軟骨障害
 局所麻酔下による内視鏡視下肘部管開放手術
 小児上腕骨顆上骨折に対する経皮鋼線固定術
 橈骨遠位端骨折に対する創外固定法
 橈骨遠位端骨折に対するピン固定法―整復、固定効果についてのX線学的検討  西尾昭彦(一寿会西尾病院)
 橈骨遠位端骨折に対する掌側ロッキングプレートの工夫
 整復困難な関節外橈骨遠位端骨折に対するmodified condylar stablizing法
 三角線維軟骨複合体損傷(尺側部断裂)に対する鏡視下縫合手術
 新鮮手舟状骨骨折に対する経皮的screwing 正富 隆(大阪厚生年金病院)

3.手
 指節骨骨折に対する治療
 小皮切による手根管開放術―手術器具とその術式
 小皮切による手根管症候群の治療
 手根管症候群に対する内視鏡を用いた日帰り手術
 有鉤骨鉤骨折の治療
 指関節内骨折の手術
 近位指節間関節脱臼骨折に対する注射針外套を用いた簡易創外固定法
 マレット骨折に対する経皮ピンニング
 腱鞘炎に対する内視鏡を用いた腱鞘切開手術
 痙性手における手掌部直視下正中、尺骨神経鞘内ブロック法の手技

4.足、足趾
 筋区画症候群
 腓骨外果骨折の局所麻酔下骨接合術
 巻き爪に対する爪形成術と趾(指)神経ブロックの工夫

5.腫瘍
 良性腫瘍切除
 中空ピンによる骨嚢腫の治療
 骨・軟部腫瘍に対する針生検の方法と有効性

6.麻酔法
 上肢手術での麻酔法―Kulenkampff変法
 透視下腕神経叢ブロック
 斜角筋間ブロックの工夫―肩外転肢位で直接神経叢を触知する方法
 26G針による動脈貫通法での腋窩ブロック
 局所静脈麻酔法

最近、offie-based surgeryという言葉が使われ出している。簡単にいえば1人の外科医が対処できる手術的治療ということであろう。従来は入院して行っていた手術が、手技や手術器具の進歩によって入院なしに治療可能となってきている。とくに最近は治療期間の短縮傾向が目立ち、どの病院でも在院日数短縮がすすめられている。治療期間短縮の極端な例として、手術の非侵襲化による日帰り手術(day surgery)が多くの専門病院で普及している。国民皆保険制度や医療制度改革は今や大きな社会問題、政治問題となっていることは周知の通りである。いろいろな批判はあるものの、国民総医療費抑制をめざした施策も大きな圧力となって、入院治療の減少や在院日数の短縮へと向かっているようにも感じられる。しかし、office-based surgeryはday surgeryとは趣が異なるようであり、平たくいえば診療所でも対応できるday surgeryとも理解できる。鏡視下手術などをはじめとした低侵襲手術の発展によって、今後はoffice-based surgeryの対象が今より広がってくることが予想される。
 1人で対応できる整形外科手術には限界があるとはいえ、整形外科を標榜するからには外来でできる手術的治療を熟知し、安全性を担保にしながらそうした手技を広げていかなければとの気概に満ちた整形外科医も意外に多いのではないかと思われる。外来手術の基本的な麻酔法、骨折の経皮的整復固定、創外固定法、新鮮外傷での血管・神経・腱損傷の対処法などの基本と最新技術を習得することはきわめて有意義であろう。さらに従来から行われてきた診療所での外来手術、たとえばガングリオン摘出、各種神経ブロックなどの最新の手技を体得することに加えて、さらなる新しい技術と工夫によって新しい対象を模索することも意義深いであろう。
 このような企画趣旨に賛同いただき、多くの先生方から原稿を寄せていただいたことを感謝する。著者によって様々な工夫を加えられた診断・治療技術が読者諸氏の明日からの診療に応用されれば幸いである。
2007年3月
大阪市立大学教授
高岡邦夫