教科書

看護学テキストNiCE

災害看護改訂第2版

看護の専門知識を統合して実践につなげる

編集 : 酒井明子/菊池志津子
ISBN : 978-4-524-26688-3
発行年月 : 2014年3月
判型 : B5
ページ数 : 342

在庫あり

定価2,484円(本体2,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

実践に即した災害看護テキストの改訂第2版。重要な知識や考え方を学ぶ「総論」と、8つの専門領域別に災害看護を学ぶ「各論」で構成。今改訂では、@東日本大震災等により深まった知見・情報への対応、A災害看護の実際を写真とともに伝えるコラム「現場発」の充実、B事例をもとに考える力を育む「演習」の創設、C最新の看護師国家試験への対応と練習問題の追加を行った。

はじめに
第1部 総論
第I章 災害および災害看護に関する基礎的知識
 1.災害・災害看護の歴史
  A.歴史のなかで、人々は災害をどのようにとらえたか
  B.近・現代の災害と医療・看護活動
  C.世界の災害と看護
 2.災害・災害看護の定義
  A.災害の定義の意味
  B.災害および災害看護の定義
  C.災害看護の定義の明確化
  D.災害における連携
 3.災害の種類、疾病構造、災害サイクル、災害関連死
  A.災害の種類
  B.災害種類別の疾病構造
  C.災害サイクル
  D.災害関連死
 4.災害時要援護者
  A.災害時要援護者とは
第II章 災害発生時の社会の対応やしくみ、国際看護
 1.災害に関する制度−災害対策基本法・災害救助法・防災計画など
  A.災害対策基本法および防災行政の基本制度
  B.災害の予防に関する法律と制度
  C.災害応急対策に関する法律と制度
  D.災害救助法
  E.災害復旧と復興に関する法律と制度
  F.災害時の活動の保険制度
 2.災害情報と伝達のしくみ
  A.災害情報とは
  B.災害医療活動のための情報体制
  C.災害時の通信手段
 3.災害関係各機関の支援体制と国際化時代の災害看護
  A.国内における災害関係各機関の支援体制
  B.国際社会における災害関係各機関の支援体制
  C.国際化時代における災害看護
 4.災害時のボランティア活動
  A.ボランティアの活動内容
  B.ボランティア活動時の心構え
  C.活動に必要な物品
  D.ボランティア活動の安全管理
第III章 災害時の被災者および援助者の心理
 1.被災者および援助者のストレスとこころのケア
  A.災害はストレス事態である
  B.被災者と援助者のストレスとその反応
  C.被災者と援助者の心理的回復
第IV章 災害各期における看護活動
 1.災害サイクル各期における看護活動
  A.超急性期(災害発生〜72時間)
  B.急性期(災害発生後72時間〜7日間)
  C.亜急性期(災害発生後7日〜1ヵ月間)
  D.慢性期(復旧復興期)(災害発生後1ヵ月〜3年)
  E.静穏期(災害発生後3年〜)
 2.在宅療養・避難所・仮設住宅・復興住宅における看護
  A.在宅療養患者に対する災害対策のための指導
  B.避難所における看護
  C.福祉避難所の設置
  D.仮設住宅における看護
  E.復興住宅における看護
第V章 災害時への備え
 1.個人の備え
  A.災害時の備えとしての個人の心構え
  B.災害種類別の個人対策
  C.非常用の物品準備
  D.情報収集・伝達方法の確認
 2.地域アセスメント
  A.地域アセスメント
  B.地域ネットワーク
 3.地域住民との連携
  A.地域防災に関する基本的知識
  B.実例にみる教育機関・病院・自主防災組織の連携の必要性と実際
第VI章 災害時に必要な技術
 1.トリアージ
  A.トリアージとは
  B.具体的なトリアージ方法
  C.トリアージタグ
 2.治療・搬送
  A.治療
  B.搬送
第VII章 病院における災害看護
 1.病院における災害への備え、初動体制、災害訓練
  A.病院における災害への備え
  B.病院における災害時の初動体制
  C.災害訓練
第VIII章 災害看護における倫理・教育・研究
 1.災害看護における倫理原則
  A.自律尊重の原則
  B.無害の原則
  C.善行の原則
  D.正義の原則
 2.災害看護における教育
  A.災害看護を学ぶ
  B.災害看護に期待される能力
  C.援助者の基本姿勢
 3.災害看護における研究
  A.災害看護研究の意義
  B.災害看護の現象に即した研究疑問
  C.文献検索と文献整理方法
  D.研究疑問の絞り込み
  E.災害看護研究の課題
 4.災害看護における理論
  A.災害看護における活動理論
  B.災害看護における時間論
第2部 各論
 1.地域看護と災害
  A.災害に対する保健師の役割
  B.災害時の市町村、保健所、都道府県(本庁)における保健活動体制
  C.災害に対する平常時の予防活動
 2.母性看護と災害
  A.災害に遭遇した妊産褥婦と児の心身の状態と健康問題
  B.避難生活環境と母子
  C.災害に遭遇した妊産褥婦への看護
  D.母性看護と災害への備え
  E.さまざまなライフステージにある女性への支援
 3.小児看護と災害
  A.災害が子どもに及ぼす影響と対応
  B.災害時の子どもへの対応
  C.子どもが受けるストレスとこころのケア
  D.被災した子どもの家族への援助
  E.復興期・静穏期における子どもへの看護
 4.高齢者看護と災害
  A.日常生活上の問題と看護
  B.健康問題と看護
 5.精神看護と災害
  A.災害時に起こりうるこころの問題とそのケア
  B.災害時の精神障害者のケア
 6.慢性期看護と災害
  A.慢性疾患看護と災害看護のかかわりの特徴
  B.災害時の慢性疾患患者への看護のポイント
  C.災害時における慢性肺疾患をもつ人への看護
  D.災害時における糖尿病をもつ人への看護
  E.災害時における慢性腎不全をもつ人への看護
 7.感染看護と災害
  A.災害と感染症
  B.災害時における感染症対策の基本
  C.発災後に注意すべき感染症
  D.災害における感染看護の実際
 8.障害のある人、外国籍の人と災害
  A.東日本大震災で高かった障害のある人の死亡率
  B.多様な障害のある人への災害時に必要な備え
  C.外国籍の人
付録
 演習 解答への視点
 練習問題
 練習問題 解答と解説
索引

本書のタイトルは、『災害看護−看護の専門知識を統合して実践につなげる(改訂第2版)』である。本書の初版を企画した頃は、災害看護は看護基礎教育に導入されていなかった。このため、各看護学領域の専門知識を統合して災害時の実践につなげていけるように総論と各論の二部構成とし、2008年に出版した。実践的な内容をコンパクトにまとめた総論と、教育で活用しやすいよう看護領域別に解説した各論という特長により、大方の好評を得てきた。
 あれから約5年が経過し、2011年には東日本大震災が発生した。地震、津波、火災、原子力災害などにより、さまざまな被害が複合的に発生し、多数の死者、行方不明者、負傷者が発生した。被害地域が広範囲であり、自治体や地域社会が壊滅的な被害を受けたため、適切な支援や対策が進まなかった。過酷な生活環境により、災害関連死が増加し、被災者は長期的にいのちと生活が脅かされたため、慢性期や復旧復興期の支援の重要性が認識された。その後も各地で、大規模な地震、水害、噴火などが繰り返し発生している。
 改訂第2版では、東日本大震災などの災害により深まった知見や災害による教訓を活かし、今後も多発するであろう災害や、予想されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震などに応用できるよう内容を充実させた。また、改訂の具体的な特長は、災害看護の実際を写真とともに伝えるコラム「現場発」の充実、事例をもとに考える力を育む「演習」の創設、最新の看護師国家試験への対応と練習問題の追加である。
 基礎教育の看護学生はもちろん、多くの看護職、近い将来誕生する災害看護専門看護師、大学院生の方々が、発展していく災害看護の基礎的知識を本書で学び、災害看護に関心を持ち続け、いのちと生活を守ることの大切さが伝わっていくことを願っている。本書を読まれた方々からご意見やご批判、ご指導をいただければ幸いである。
 最後に、本書の改訂にあたっては、実践・教育・研究に精通した多くの執筆者にご参画いただいた。お忙しい中ご協力いただいた執筆者の方々には心から感謝を申し上げる。

2014年1月
酒井明子
菊池志津子