書籍

日本消化器病学会ガイドライン

NAFLD/NASH診療ガイドライン2014

編集 : 日本消化器病学会
ISBN : 978-4-524-26558-9
発行年月 : 2014年4月
判型 : B5
ページ数 : 162

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)


正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本消化器病学会編集によるオフィシャルなガイドライン。NAFLD/NASHの診療上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、膨大な文献を吟味しGRADEシステムの考え方を取り入れたエビデンスレベルと推奨度を提示。疫学、病態、診断、治療、予後・合併症についての現時点における標準的内容がわかる。

第1章 疫学
 CQ1-1 NAFLD/NASHの有病率はどのくらいか?年齢分布は?
 CQ1-2 NAFLD/NASHの有病率、予後の性差は?
 CQ1-3 NAFLD/NASHの有病率は増加しているか?また、肥満人口増加との関連は?
 CQ1-4 慢性肝疾患および肝硬変におけるNAFLD/NASHの有病率は?また、肝細胞癌に占めるNAFLD/NASHを基盤とした肝細胞癌の割合は?
 CQ1-5 NAFLD/NASHでの罹患率と食生活との関連は?
 CQ1-6 NAFLD/NASHと糖尿病との関連は?
 CQ1-7 NAFLD/NASHと脂質異常との関連は?
 CQ1-8 NAFLD/NASHと高血圧との関連は?
 CQ1-9 NAFLD/NASHとメタボリックシンドローム増加との関連は?
 CQ1-10 小児のNAFLD/NASHの有病率は?
 CQ1-11 小児のNAFLD/NASH 発症の危険因子は?
第2章 病態
 CQ2-1 NAFLD/NASHの病因は?
 CQ2-2 アルコール性肝障害とNAFLD/NASHの病態の類似点は?
 CQ2-3 NAFLD/NASHを起こしやすい薬物は?
 CQ2-4 手術後に起こるNAFLD/NASHにはどういうものがあるか?
 CQ2-5 NAFLD/NASHは他疾患への影響があるか?
 CQ2-6 鉄過剰はNAFLD/NASHを悪化させるか?
 CQ2-7 肝臓の脂質組成はNAFLD/NASH 進展へ影響するか?
 CQ2-8 NAFLD/NASHの免疫学的な特徴は?
 CQ2-9 NASHにおける肝線維化進展のメカニズムは?
 CQ2-10 NAFLD/NASHの発症に関係する遺伝的背景は?
 CQ2-11 内分泌異常とNAFLD/NASHの関係は?
第3章 診断
 CQ3-1 NAFLD/NASHを疑う症状・身体所見は?
 CQ3-2 NAFLD/NASHと診断するための飲酒歴の基準は?
 CQ3-3 NAFLD/NASHの診断において問診で聴取すべき項目は?
 CQ3-4 NAFLD/NASHの診断においてトランスアミナーゼ値は有用か?
 CQ3-5 NAFLD/NASH症例においてメタボリックシンドロームや耐糖能異常の評価は必要か?
 CQ3-6 NASHを疑うバイオマーカーはあるか?
 CQ3-7 線維化の進行したNASHを疑う臨床所見や臨床検査値はあるか?
 CQ3-8 NASHあるいは線維化進展例を推測するスコアリングシステムはあるか?
 CQ3-9 NAFLD/NASHと診断するために除外すべき肝疾患は?
 CQ3-10 NAFLD/NASHの診断に腹部USは有用か?
 CQ3-11 NAFLD/NASHの診断に腹部CTは有用か?
 CQ3-12 NAFLD/NASHの診断に腹部MRI 検査は有用か?
 CQ3-13 NAFLD/NASHの診断にエラストグラフィーは有用か?
 CQ3-14 NASHと診断するための病理学的診断基準は?
 CQ3-15 NASHの診断における肝生検の位置づけとその適応基準は?
 CQ3-16 小児のNAFLD/NASHの診断において成人との相違点は?
第4章 治療
 CQ4-1 体重減少はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-2 NAFLD/NASHの改善に勧められる食事内容は?
 CQ4-3 運動療法はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-4 チアゾリジン誘導体はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-5 ビグアナイドはNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-6 HMG-CoA還元酵素阻害薬はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-7 エゼチミブは高コレステロール血症を有するNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-8 アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-9 ビタミンEはNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-10 pentoxifyllineはNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-11 betainはNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-12 常用量のUDCAはNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-13 瀉血はNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-14 減量手術は高度肥満のNAFLD/NASHに有効か?
 CQ4-15 NASH 進展肝不全に肝移植は有効か?
第5章 予後・合併症
 CQ5-1 NAFLD/NASHは生命予後に影響するか?その死因は?
 CQ5-2 NAFLD/NASHにおいて、心血管イベントの発症は高率か?
 CQ5-3 NAFLD/NASHの何割で、肝線維化が進行するか?
 CQ5-4 糖尿病は、NAFLD/NASHの予後・肝発癌に関連するか?
 CQ5-5 NAFLD/NASHは慢性腎臓病(CKD)に関連するか?
 CQ5-6 過去の飲酒または少量飲酒は、NASHの進行・肝発癌に影響するか?
 CQ5-7 NAFLD/NASHの予後予測因子は?
 CQ5-8 NASH 肝硬変とC 型肝硬変は、予後・合併症に関して異なるか?
 CQ5-9 NAFLDおよびNASHからの肝発癌率は?
 CQ5-10 NASH肝硬変からの肝発癌率は?アルコール性肝硬変との発癌率に違いがあるのか?
 CQ5-11 NASHを基盤とした肝細胞癌の予後は?治療後の再発率は?
 CQ5-12 NASHに、他臓器発癌の合併は多いか?
索引

NAFLD/NASHの患者数は、肥満人口の増加に伴い全世界的に急増している。わが国においても、生活習慣の西欧化に伴いメタボリックシンドロームの患者数が増加し、同シンドロームの肝臓での表現型と考えられているNAFLD/NASHの患者数も増加を示している。検診や人間ドックのデータを調べると30%ほどの受診者に脂肪肝がみられる。
 NASHの病態においては、単に肝細胞に脂肪が蓄積するだけでなく、肝臓に炎症や線維化が惹起されやすくなり、最終的に肝硬変や肝癌に進行することが知られている。C型肝炎を代表とするウイルス性肝炎の治療法が急速に進歩して、将来的にウイルスによる肝癌患者数の減少が見込まれるなか、NASHを基盤にした肝癌の増加が懸念されている。
 このような背景のもと、日本消化器病学会では、日本肝臓学会と協力してNAFLD/NASHの診療ガイドラインを作成することになった。このガイドラインは、両学会より推薦された作成委員12名と評価委員5名により、1983年から2012年1月の期間内に出版された文献をもとに作成された。日本消化器病学会ガイドライン統括委員会の指示により、他のガイドラインと共通の形式で作成され、GRADEシステムを参考にエビデンスを評価し、推奨の強さを決定した。
 本ガイドラインの作業手順は、クリニカルクエスチョン(CQ)の作成に始まり、CQに対する文献検索、採用文献の決定、文献データベース作成、文献のエビデンスレベルの決定、推奨文の作成、解説文の作成の順に進められた。作成したガイドライン案は、その後に評価委員会による詳細な評価が行われた。評価委員会の答申を受けて作成委員会で推奨文、解説文の修正を行い、パブリックコメントを求めた。寄せられたパブリックコメントを検討するため、最終の作成委員会を開き、推奨文、解説文の改変を行い、評価委員会の評価を受けて今回の診療ガイドラインとした。
 本ガイドラインでは、全世界から文献を収集して解析し、インターナショナルに通用するガイドラインを目指した。それゆえ、国別、人種差などによるバリエーションは考慮に入れていないが、将来的にはそのような観点からの検討も必要になるかも知れない。
 また、文献検索期限である2012年1月以降に出版された重要文献に関しては、今回の推奨文には反映させていないが、解説文においては言及し参照できるようにしている。
 本ガイドラインを作成中に、疫学、診断、治療など多くの分野で、わが国における大規模な研究が少ないことを痛切に感じた。
 本ガイドラインが多くの先生方に参照され、日常臨床の場においてお役に立てれば幸いである。

2014年4月
日本消化器病学会NAFLD/NASH診療ガイドライン作成委員長
渡辺純夫