教科書

新しい疾患薬理学

  • 新刊

編集 : 岩崎克典/徳山尚吾
ISBN : 978-4-524-40335-6
発行年月 : 2018年3月
判型 : B5
ページ数 : 606

在庫あり

定価7,776円(本体7,200円 + 税)

サポート情報

  • (2019年春より新薬情報を掲載予定です)
  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学生にとって必要な薬理学を過不足なく収載した、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)準拠の薬理学教科書。各診療科をイメージできる目次構成で、主要な疾患については概要を簡単に紹介。頻用医薬品を優先的に記載し、薬学部学生にとって必要な内容を厳選している。新薬を積極的に紹介するため、1年に1度南江堂HPで情報更新を実施予定。

1章 総論:薬理学を学ぶための基礎
 1 薬の作用様式と作用機序
  1 薬の作用
  2 薬の用量と作用の関係
  3 アゴニストとアンタゴニスト
 2 生理活性物質と生体内情報伝達
  1 細胞の興奮と伝導
  2 シグナル伝達
  3 薬が作用するイオンチャネル
  4 薬が作用する受容体
  5 薬が作用する酵素
  6 薬が作用するイオンポンプとトランスポーター
  7 薬の投与方法
  8 薬の体内動態と薬効発現の関わり
  9 薬物相互作用
  10 耐性と薬物依存性
3 自律神経系の機能と作用薬
  1 神経系の構成
  2 自律神経系
  3 アドレナリン作用薬
  4 抗アドレナリン作用薬
  5 コリン作動性神経系に作用する薬物
  6 神経節遮断薬
 4 体性神経系の機能と作用薬
  1 神経筋接合部の構造と興奮伝達
  2 神経筋接合部遮断薬(末梢性筋弛緩薬)
  3 局所麻酔薬
2章 神経系の疾患と治療薬
 A 精神科・神経内科領域の疾患に用いる薬物
  1 統合失調症
  2 うつ病・双極性障害(躁うつ病)
  3 不眠症
  4 不安障害・神経症
  5 脳血管疾患
  6 認知症
  7 パーキンソン病
  8 てんかん・中枢性骨格筋弛緩薬
 B 麻酔科領域で用いられる薬物
  1 全身麻酔薬
  2 鎮痛薬
  3 片頭痛
  4 中枢興奮薬
3章 免疫・炎症・アレルギーおよび骨・関節の疾患と治療薬
 1 炎症性疾患
 2 アレルギー疾患
 3 自己免疫疾患
 4 骨・関節疾患
 5 臓器移植
4章 循環器系・血液系・造血器系の疾患と治療薬
 A 循環器内科領域の疾患に用いる薬物
  1 不整脈および関連疾患
  2 急性および慢性心不全
  3 虚血性心疾患(狭心症,心筋梗塞)
  4 高血圧症
  5 その他の循環器系疾患
 B 血液・造血器内科領域の疾患に用いる薬物
  1 血液・造血器障害
5章 泌尿器系・生殖器系の疾患と治療薬
 A 泌尿器内科領域の疾患に用いる薬物
  1 利尿薬
  2 腎疾患
  3 過活動膀胱および低活動膀胱
  4 その他の泌尿器系疾患
 B 生殖器科領域の疾患に用いる薬物
  1 前立腺肥大症
  2 産・婦人科系疾患
6章 呼吸器系・消化器系の疾患と治療薬
 A 呼吸器内科領域の疾患に用いる薬物
  1 鎮咳薬,去痰薬,呼吸障害改善薬
  2 気管支喘息
  3 慢性閉塞性肺疾患(COPD)
  4 間質性肺炎
 B 消化器内科領域の疾患に用いる薬物
  1 消化性潰瘍・胃炎
  2 胃食道逆流症
  3 悪心・嘔吐
  4 腸疾患
  5 肝・膵臓疾患
7章 代謝系・内分泌系の疾患と治療薬
 A 糖尿病・代謝系内科領域の疾患に用いる薬物
  1 糖尿病
  2 脂質異常症
  3 高尿酸血症・痛風
 B 内分泌内科領域の疾患に用いる薬物
  1 性ホルモン関連薬
  2 甲状腺疾患
  3 尿崩症
  4 カルシウム代謝疾患
  5 その他の内分泌系疾患
8章 感覚器・皮膚の疾患と治療薬
 A 眼科領域の疾患に用いる薬物
  1 緑内障
  2 白内障
  3 加齢黄斑変性(AMD)
 B 耳鼻咽喉科領域の疾患に用いる薬物
  1 めまい(眩暈)
 C 皮膚科領域の疾患に用いる薬物
  1 アトピー性皮膚炎
  2 皮膚真菌症(皮膚糸状菌症,白癬)
  3 褥瘡
9章 病原微生物(感染症)・悪性新生物(がん)と治療薬
 A 感染症内科領域の疾患に用いる薬物
  1 細菌感染症
  2 ウイルス感染症
  3 真菌感染症
  4 原虫・寄生虫感染症
 B 腫瘍内科領域の疾患に用いる薬物
  1 抗悪性腫瘍薬について
  2 抗悪性腫瘍薬各論
本書における薬学教育モデルコアカリキュラム(平成25年度改訂版)対応
索引

序文

 薬理学は、薬物が疾患に対してどのように作用するか、その機序を中心に追及する学問である。疾患は生体機能の乱れによって起こるとの考えから、生理機能の正常化を目指してさまざまな薬物が開発され、薬物が作用するターゲットも疾患にかかわる臓器・組織から受容体レベルまで解明されてきた。さらには疾患の遺伝子レベルまで考慮する分子薬理学と呼ばれる分野も登場した。薬物を使わない治療はほとんどない現代の医療のなかで、薬理学の果たす役割は計り知れないところとなった。
 最新医療では、疾患の分子標的まで解明され、患者それぞれの個人差まで考慮したうえでの治療、すなわちテーラーメイド薬物治療も現実味を帯びてきている。薬物の有効性もこれまでの基本的な化学構造や作用メカニズムだけでは十分に解説できなくなり、その分子機序さらには症状との関わりまで明らかにすることが求められるようになった。そこで、本書では、そのような要求に応えるべく基本的な薬理作用はもちろんのこと、常に疾患とその治療に結びつく薬理作用を中心に解説することにした。新しい疾患薬理学という本書の名称は疾患を理解して最新の薬物治療を行うという立場に立った薬理学として名付けたものである。
 本書の構成は薬学教育モデルコアカリキュラム(平成25年度改訂版)に準じ、薬物を実際の臨床で適用される診療科ごとに分類して、それぞれの疾患に対する薬物の化学構造、作用機序から副作用まで解説している。疾患を理解するために、疾患ごとに病態生理と代表的な商品名、薬理作用ならびに副作用についての一覧表を挿入した。
 本書のもう1つの特徴に最先端の新薬情報の解説がある。毎年認可される新薬は数多く、一般の薬理学の教科書では対応しきれないのが現状であった。本書では基本的な薬物から最新の新薬までを取り上げ、その薬理作用や臨床応用を詳細に解説している。新薬の薬理作用ならびにその特徴は、発刊後も南江堂ホームページで毎年補填を行う予定である。
 本書は先端医療のなかで薬物治療の基礎となる薬物の薬理作用を、臨床現場でも即応できるように解説し、薬学生のみならず、薬剤師ならびに医師の座右の書となることを目標に編集した。この1冊が、医療に役立つ薬理学の教科書として活用されることを期待している。

2018年1月10日
岩崎克典、徳山尚吾