教科書

コンパスシリーズ

コンパス調剤学改訂第2版

編集 : 八野芳已/難波弘行
ISBN : 978-4-524-40316-5
発行年月 : 2015年3月
判型 : B5
ページ数 : 302

在庫あり

定価5,184円(本体4,800円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

薬学部のOSCE対策にも適した調剤学の教科書。ポイントをおさえたコンパクトな解説と充実した図表・カラー写真により、調剤学を基本から学ぶことができる。実習・臨床を意識した実践的で役に立つ情報を紹介し、実地でも困らない力を養成。今改訂では、各種情報を最新のものに更新したほか、改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムにも対応させ、章構成を一部改めた。

1章 くすり文化
 A 医療における薬剤師の使命
 B 医療体系の変化−チーム医療
 C 調剤(薬剤師の主な業務)の概念
  1 調剤について
  2 調剤の変遷
  3 調剤技術
 D 処方せんの基礎
  1 保険院外処方せんの形式
  2 処方せんの記載事項
  3 くすりの種類(分類)
 E 処方鑑査
  1 法的根拠
  2 処方鑑査や情報提供のための資料
 F 薬 袋
 G 薬剤の交付
 H 患者への医薬品情報提供と服薬指導
2章 調剤の実際
 A 処方せんと調剤の流れ
  1 処方せんと調剤
  2 疑義照会
  3 医薬品の管理と供給
 B 経口投与する製剤
  1 錠剤
  2 カプセル剤
  3 錠剤・カプセル剤の包装
  4 錠剤・カプセル剤の調剤における基本的注意事項
  5 錠剤・カプセル剤の調剤手順
  6 錠剤・カプセル剤の特殊な調剤
  7 散剤
  8 顆粒剤
  9 散剤・顆粒剤の包装
  10 散剤・顆粒剤の調剤における基本的注意事項
  11 散剤・顆粒剤の調剤手順
  12 配合変化
  13 分割分包
  14 希釈散
  15 経口液剤
  16 経口液剤の特徴
  17 経口液剤に必要な器具類
  18 経口液剤に用いる水
  19 経口液剤の配合変化
  20 経口液剤の調製手順
  21 一般的なシロップ剤の調剤
  22 予製液
  23 リモナーデ剤
  24 経口ゼリー剤
 C 口腔内に適用する製剤
  1 口腔用錠剤
  2 口腔用スプレー剤
  3 口腔用半固形剤
  4 含嗽剤
 D 気管支・肺に適用する製剤
  1 吸入剤
 E 目に投与する製剤
  1 点眼剤
  2 眼軟膏剤
 F 耳に投与する製剤
  1 点耳剤
 G 鼻に投与する製剤
  1 点鼻剤
 H 直腸に適用する製剤
  1 坐剤
  2 直腸用半固形剤
  3 注腸剤
 I 膣に投与する製剤
  1 膣錠
  2 膣用坐剤
 J 皮膚などに適用する製剤
  1 外用固形剤
  2 外用液剤
  3 スプレー剤
  4 軟膏剤
  5 クリーム剤
  6 ゲル剤
  7 基剤の混合可否
  8 軟膏剤の使用方法
  9 注意すべき製剤
  10 貼付剤
 K 生薬関連製剤
  1 丸剤
  2 酒精剤
  3 浸剤・煎剤
  4 茶剤
  5 チンキ剤
  6 芳香水剤
  7 流エキス剤
  8 エキス剤
 L 消毒薬・感染予防対策
  1 消毒薬
  2 感染予防対策
3章 注射剤・透析用剤
 A 注射剤の投与経路
  1 皮内注射
  2 皮下注射
  3 筋肉内注射
  4 静脈内注射
  5 点滴静脈内注射
  6 中心静脈栄養法
  7 その他の投与法
 B 安全性・品質の確保
  1 温度管理
  2 光線管理(遮光保存)
  3 注射剤の有効期間・使用期限
 C 電解質輸液、輸液療法の基本
  1 体内水分
  2 電解質について
  3 浸透圧について
  4 pHについて
  5 輸液の目的
  6 血漿と輸液の浸透圧
 D 輸液の使い方
 E 輸液の種類
  1 糖質輸液(水分補給液)
  2 等張電解質輸液(細胞外液補充液)
  3 低張電解質輸液
  4 単純性電解質輸液
  5 栄養補給製剤
 F 1日の水分出納と維持輸液量
 G 脱水
  1 ナトリウム欠乏型脱水
  2 水分欠乏型脱水
 H 注射剤・輸液の混合
  1 配合変化
  2 配合変化の種類
  3 無菌性・異物汚染防止
  4 輸液バッグ・セットへの吸着、DEHPの溶出
  5 輸液製剤の予備容量について
 I 注射剤・輸液の調剤
  1 注射剤調剤
  2 注射処方せん
  3 処方鑑査
  4 処方せんに基づいた調剤(計数調剤と計量調剤)
  5 調剤鑑査
  6 交付
  7 細胞毒性のある注射剤の取り扱い
 J 注射剤による特殊な治療法
  1 自己注射
  2 透析療法
4章 相互作用、副作用
 A 薬物動態学的相互作用
  1 消化管吸収過程における相互作用
  2 分布過程における相互作用
  3 薬物代謝過程における相互作用
  4 排泄過程における相互作用
 B 薬力学的相互作用
5章 禁忌症
 A 特定の疾病に対して禁忌の薬剤
  1 気管支喘息
  2 緑内障ならびに下部尿路閉塞性疾患
  3 高/低カリウム血症
  4 消化性潰瘍
  5 血栓・塞栓症
  6 血管浮腫
  7 糖尿病
  8 心疾患
  9 肺疾患
 B 肝障害患者・腎障害患者に禁忌の薬剤
  1 肝障害患者に禁忌の薬剤
  2 腎障害患者に禁忌の薬剤
  3 肝障害、腎障害どちらの患者にも禁忌の薬剤
  4 肝障害、腎障害を悪化させる薬剤
 C 年齢により禁忌の薬剤
  1 小児
  2 高齢者
 D 妊婦ならびに授乳婦に禁忌の薬剤
6章 TDMと処方設計
 A 薬物療法の実践
  1 処方設計と提案
  2 薬物療法における効果と副作用の評価
7章 医薬品情報と治験
 A 医薬品情報垣東英史
  1 医薬品情報源の分類
  2 行政からの情報収集
  3 製薬企業が提供する情報
  4 インターネットを活用した医薬品情報収集
  5 医薬品情報の検索の流れ
 B 治験
  1 第I相試験(Phase I)
  2 第II相試験(Phase II)
  3 第III相試験(Phase III)
  4 医師主導治験
  5 治験に関わる法律
  6 治験に関与する者および体制
 C 安全管理
  1 医療機関における医療安全対策
  2 調剤事故・調剤過誤などとその対処法
  3 調剤において注意すべき医薬品
  4 健康被害救済業務
8章 薬剤交付と情報提供・POS
 A 処方せん受付
  1 必要な情報の収集のために
 B 調剤済み医薬品の交付:必要な薬学的知見に基づく指導
  1 薬剤服用歴管理指導の目的と意義
  2 指導の実際
 C 情報の提供(共有化)と記録
  1 薬剤管理指導業務と診療録(病院)の意義
  2 必要な情報を提供・共有化するための記録
9章 地域における薬剤師
 A 薬物療法の実践と患者情報の把握
  1 フィジカルアセスメント
 B 一次救命処置
 C 地域チーム医療
  1 病院と地域の医療連携
  2 地域におけるチーム医療
 D 地域の保健・医療・福祉への参画
  1 在宅医療
  2 地域保健における薬剤師の活躍
  3 プライマリケア、セルフメディケーション
 E 災害医療と薬剤師
参考資料
本書で対応する薬学教育モデルコア・カリキュラム一覧
索引

改訂第2版の序

 今回本書を改訂するにあたり、初版刊行時から5年の間に医療環境、社会環境および周辺関連法規等が大きく変わったことを踏まえ、編者および執筆者を一新して臨んだ。その背景として、法的整備では、2011年に日本薬局方が改正され第16局となった。2014年には、薬事法が「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」と名称を伴って改正され、薬剤師法も改正された。一方、医療現場では、2012年の診療報酬改定で「病棟薬剤業務実施加算」が新設され、数年前の薬剤管理指導(服薬指導)以来の病院薬剤師業務の充実化が図られた。年の診療報酬改定では、「地域包括ケアシステム」を含めた、2025年問題を見据えた医療提供体制の在り方へのロードマップが示され、保険薬局薬剤師の役割の重要度が高まった。このように、病院薬剤師および保険薬局薬剤師のオール薬剤師のもつ力「薬剤師力」が発揮できる環境へと変化してきている。
 このような背景を踏まえ、2015年度から改訂された新薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った新たな薬学教育がスタートする。これは「本格的な薬剤師教育」を目指した“基礎から応用へ”の方向で「学習成果基盤型教育(outcome based education、OBE)」を目指した形で編成されており、実務実習教育は「薬剤師に必要な知識・技能・態度を実践的に身につける教育」としてその重要性がこれまで以上に強調され、「F薬学臨床(SBOs:176)」として反映されている。
 薬学教育に携わる者にとって、「薬剤師養成」は1つの大きな使命であり目標である。薬剤師の使命・役割は「薬剤師法第1条:薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」にあるように「調剤、薬品の供給、薬事衛生」の3つであり、本書が担う役割は大きいと認識している。これからのわが国の社会予測や、医薬品をはじめとする薬学や周辺医療における国の将来計画など、薬剤師の立ち位置を見定めた未来志向型の教育を考える上で、本書がその一助となることを期待している。

2015年2月
八野芳已、難波弘行