教科書

シンプルシリーズ

シンプル呼吸器学

編集 : 興梠博次
ISBN : 978-4-524-26983-9
発行年月 : 2015年1月
判型 : B5
ページ数 : 354

在庫あり

定価4,320円(本体4,000円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

今の医学生のニーズに応えた、勉強しやすい、要点をおさえた教科書。フルカラーの誌面、初学者でも全体を俯瞰できるような通読性に優れた記述と、どのような教科書を必要とするか、アンケートの結果を踏まえた「学生目線」の解説が特徴。各章末には演習問題が掲載されており、本文で学んだことについてさらに理解を深めることができる。医学生の教科書、国試対策書として第一選択となる一冊。

総論
1章 診断
 A 診断の基本
  1 呼吸器診断学:主要症候・身体所見と診断
  2 胸部診察法
 B 画像診断
  1 胸部X線(レントゲン)写真の読み方
  2 胸部CT像の読み方
 練習問題
2章 検査・手技
 A 呼吸機能検査
  1 スパイロメトリー
  2 フロー・ボリューム曲線
  3 DLco(肺拡散能)
  4 動脈血ガス分析と経皮的酸素飽和度モニター(パルスオキシメータ)
 B 気管支内視鏡検査
  1 気管支内視鏡検査の適応
  2 禁忌
  3 合併症
  4 検査後の管理
  5 気管支内視鏡による診断
 練習問題
各論
1章 感染症
 A 総論
  1 感染症の危険因子
  2 感染症の診断
  3 感染症の病原診断
  4 感染症治療薬
 B かぜ症候群とインフルエンザ
  1 かぜ症候群
  2 インフルエンザ
 C 急性気管支炎
  1 急性気管支炎
  2 急性細気管支炎
  3 慢性呼吸器疾患の(急性)増悪
 D 肺炎
  1 疫学
  2 診断
  3 市中肺炎(CAP)
  4 院内肺炎(HAP)
  5 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
  6 肺膿瘍
  7 肺炎の代表的な原因微生物と治療薬の選択
  8 ウイルス性肺炎
 E 結核と非結核性抗酸菌症(抗酸菌感染症)
  1 結核
  2 特殊な結核
  3 結核の治療
  4 結核の発病予防
  5 感染症法と結核
  6 非結核性抗酸菌症
 F 肺真菌感染症
  1 肺アスペルギルス症
  2 肺クリプトコックス症
  3 カンジダ症
  4 肺ムーコル症(肺接合菌症)
 G 日和見感染症
  1 主な日和見呼吸器感染症
 練習問題
2章 気道・肺胞疾患
 A 気管支喘息、
  1 喘息の診断
  2 喘息の治療
  3 喘息の診断・治療において忘れてはならない疾患
 B COPD(慢性閉塞性肺疾患)
  1 危険因子と病因
  2 病理
  3 分類
  4 気流制限の機序
  5 疫学
  6 症状・身体所見
  7 検査所見
  8 診断方法
  9 鑑別診断
  10 治療
  11 COPDの増悪と治療
  12 予後
 C その他の気管支・細気管支疾患
  1 びまん性汎細気管支炎(DPB)
  2 副鼻腔気管支症候群(SBS)
  3 気管支拡張症(BE)
  4 閉塞性細気管支炎(BO)
 D 嚢胞性肺疾患
  1 気管支性嚢胞
  2 肺胞性嚢胞
 E 慢性呼吸不全と在宅酸素療法
  1 慢性呼吸不全
  2 治療
  3 慢性呼吸不全の増悪
  4 CO2ナルコーシス
 F 禁煙支援
 練習問題
3章 呼吸不全
 A 総論
  1 分類
  2 病態生理
  3 基礎疾患
  4 臨床症状
  5 検査所見
  6 治療
 B ALI/ARDS
  1 基礎疾患
  2 病態生理と発生機序
  3 病理
  4 臨床診断
  5 治療
  6 予後
 C 肺水腫
  1 基礎疾患
  2 病態生理と発生機序
  3 臨床診断
  4 治療
 D 胸部外傷
  1 分類
  2 臨床症状
  3 検査所見
  4 治療
 練習問題
4章 呼吸調節障害
 A 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  1 無呼吸の分類
  2 病 因
  3 疫学
  4 症状・身体所見
  5 検査所見
  6 診断方法
  7 治療
  8 予後
  9 鑑別診断
 B 肺胞低換気症候群
  1 病因・分類
  2 病態生理・症状
  3 診断・検査所見・鑑別
  4 治療
  5 予後
 C 過換気症候群
  1 病因
  2 症状・臨床所見
  3 診断・検査所見
  4 治療
 練習問題
5章 機械的人工呼吸
 A 人工呼吸の種類
  1 陽圧式と陰圧式
  2 侵襲的人工呼吸と非侵襲的人工呼吸
 B 換気様式
  1 強制(調節)換気と補助換気
  2 従量式と従圧式
  3 各換気様式(換気モード)
 C PEEP(呼気終末陽圧)
 D 人工呼吸の合併症
  1 人工呼吸器関連肺損傷(VILI)
  2 酸素毒性
  3 人工呼吸器関連肺炎(VAP)
  4 その他
 練習問題
6章 免疫・アレルギー性肺疾患
血管炎症候群
 A 総論
 B 過敏性肺炎
  1 発症様式・臨床症状と原因
  2 身体所見
  3 検査所見
  4 肺病理組織所見
  5 診断
  6 治療
  7 予後
 C 血管炎症候群
  1 多発血管炎性肉芽腫症/ウェゲナー肉芽腫症
  2 顕微鏡的多発血管炎(MPA)
  3 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)/アレルギー性肉芽腫性血管炎
  4 グッドパスチャー症候群
 D 好酸球性肺炎
  1 慢性好酸球性肺炎
  2 アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
  3 急性好酸球性肺炎(AEP)
 練習問題
7章 間質性肺疾患・びまん性肺疾患
 A 総論:肺の間質・間質性肺炎の定義
 B 特発性間質性肺炎(IIPs)
  1 特発性間質性肺炎の診断の手順
  2 特発性肺線維症(IPF)
  3 非特異性間質性肺炎(NSIP)
  4 特発性器質化肺炎(COP)
  5 急性間質性肺炎(AIP)
  6 剥離性間質性肺炎(DIP)
  7 呼吸細気管支炎を伴う間質性肺疾患(RB-ILD)
  8 リンパ球性間質性肺炎(LIP)
 C 全身性疾患(膠原病)に伴う肺病変
  1 関節リウマチ(RA)
  2 多発性筋炎/皮膚筋炎(PM/DM)
  3 全身性強皮症(SSc)
  4 全身性エリテマトーデス(SLE)
  5 混合性結合組織病(MCTD)
  6 シェーグレン症候群(SjS)
  7 IgG4関連疾患
 D じん肺症、石綿肺
  1 じん肺の肺病変の種類と原因
  2 職歴
  3 病歴
  4 身体所見
  5 胸部X線写真
  6 肺機能検査
  7 診断
  8 鑑別診断
  9 合併症・続発症
  10 治療と労災補償
  11 主なじん肺と特徴
  12 石綿による呼吸器障害
 E サルコイドーシス
  1 疫学および病因
  2 臨床像
 練習問題
8章 腫瘍性疾患(肺、縱隔)
 A 総論
 B 肺悪性腫瘍
  1 肺癌
  2 肺癌の化学療法
 C 気管・気管支腫瘍
  1 腺様嚢胞癌
  2 気管支および肺カルチノイド
  3 粘表皮癌
 D 肺良性腫瘍
  1 肺過誤腫
  2 硬化性血管腫
 E 転移性肺腫瘍
 F 縦隔腫瘍
  1 臨床症状
  2 縦隔の部位と発生しやすい腫瘍の分類
  3 胸腺上皮性腫瘍
  4 胚細胞腫瘍
  5 神経原性腫瘍
  6 悪性リンパ腫
  7 嚢胞性疾患
 G 悪性胸膜中皮腫
 H 癌患者のQOLと緩和医療
  1 緩和ケアとは
  2 諸症状のマネジメント
 練習問題
9章 肺循環障害
 A 肺血栓塞栓症
  1 疫学
  2 危険因子
  3 発生状況
  4 病態
  5 症状・身体所見
  6 検査所見
  7 治療
 B 肺高血圧症
  1 定義
  2 分類
  3 症状
  4 身体所見
  5 検査所見
  6 治療
  7 予後
 C 肺動静脈瘻(pulmonary AVF)
  1 概念・成因
  2 病態生理
  3 臨床症状
  4 診断
  5 鑑別診断
  6 治療
 練習問題
10章 胸膜・縦隔疾患
 A 胸膜疾患
  1 気胸
  2 胸膜疾患、胸水
  3 膿胸
 B 縦隔・横隔膜疾患
  1 縦隔(洞)炎
  2 縦隔気腫
  3 横隔膜の疾患
 練習問題
11章 まれな呼吸器疾患
 A 肺胞蛋白症(PAP)
  1 病態
  2 症状・検査所見・診断
  3 治療
 B 肺分画症
  1 病態
  2 症状
  3 診断
  4 治療
 C リンパ脈管筋腫症(LAM)
  1 病因・病態
  2 疫学
  3 臨床所見
  4 検査所見
  5 画像所見
  6 病理所見
  7 診断
  8 鑑別診断
  9 治療
  10 経過・予後
 D 肺ランゲルハンス細胞組織球症(PLCH)
  1 病因・病態・疫学
  2 症状・身体所見
  3 検査所見・画像所見
  4 病理所見
  5 診断・鑑別診断・治療
 E 肺アミロイドーシス
  1 画像所見・病理所見・診断
  2 治療・予後
 練習問題
12章 薬剤性肺障害
 A 薬剤性肺障害の主な臨床病態
  1 間質性肺炎
  2 急性肺障害・急性間質性肺炎
  3 好酸球性肺炎
  4 気道系疾患
  5 肺血管疾患
  6 胸膜病変
 B 薬剤性肺障害の診断
 C 薬剤性肺障害の治療
 練習問題
参考図書
和文索引
欧文索引

序文

 本書は,第一線の臨床と教育・指導に経験豊富な医師を著者とし,医学部学生を主対象として,呼吸器内科診療の必須事項を身につけるためのテキストとして編集した.  医学教育の原点は,診療の原点とまったく同じで,病める患者を早急に救うことであり,そのためには早期に診断し,早期に治療を開始して治癒に導き,社会復帰につなげることが必要である.今日,医師国家試験には患者の問題点を解決する実践能力が求められている.医師国家試験は,医学部卒業生にとって難度は高いが,臨床例の解決の方向性が示されており,その内容は高く評価できる.したがって,医師国家試験は,医師というプロフェッショナリズムのマイルストーンでもあり,学生が医師国家試験を目指して臨床実習することは診療の原点にもつながる.そのような背景から,学生教育も実践を想定した指導に変化しており,指導者は,これまで以上に学生と接しながらベッドサイドで教育する必要性が高くなっている.
 本書は,呼吸器内科の診療の目的を達成するために,
  (1)臨床症例の問題点を病歴や身体診察所見から抽出する
  (2)診断のために検査計画をたてる
  (3)検査所見を解析する
  (4)診断に至る
という臨床の実践過程を想定して編集した.
 呼吸器学の全体を俯瞰することができるよう通読がしやすい解説内容とし,フルカラーで見やすく,臨床写真も豊富に掲載,各項目の重要事項をまとめたsimple pointを設けるなど,初学者でも勉強しやすいよう工夫している.さらに,各章末には医師国家試験類似問題を掲載し,それに解答しながら本文で学んだ内容について理解を深めると同時に臨床の実践シミュレーションを経験できるようにしてある.
 読者の皆様には,本書をしっかり読み込んでいただき,臨床の現場で診断と治療に活用して,より素晴らしい医療を実践し,より多くの患者に満足いただける医師に育っていただけたら幸いである.
 本書の編集にあたり,臨床,教育,研究で多忙な中に執筆いただき,校正を繰り返していただいた共著者の皆様,また,南江堂諸氏のご支援に感謝申し上げる.

2014年11月
興梠博次