教科書

リハビリテーション医学テキスト改訂第4版

  • 新刊

監修 : 三上真弘
編集 : 出江紳一/加賀谷斉
ISBN : 978-4-524-26549-7
発行年月 : 2016年8月
判型 : B5
ページ数 : 414

在庫あり

定価5,724円(本体5,300円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

理学療法士・作業療法士養成課程学生を対象とした教科書。総論ではリハビリテーション医学全体を概観し、各論では各疾患にリハビリテーションがどのようにかかわるのかを平易かつ詳細に解説している。今改訂では各校の講義担当者から寄せられた意見・要望を盛り込みつつ、各ガイドライン改訂への対応、サルコペニア、転倒予防の追加など行い、全面的に刷新。体裁も変更しさらに読みやすくなっている。

I リハビリテーション医学総論
 A.歴史と定義
  1 リハビリテーションという言葉の由来
  2 リハビリテーションの歴史
  3 リハビリテーションの定義と理念
   a.総合的リハビリテーション
   b.自立生活
   c.完全参加と平等
 B.障害とその分類
 C.リハビリテーションの分野
  1 リハビリテーション医学
  2 リハビリテーション医学の対象
  3 リハビリテーション医療
  4 障害の3つのレベルに対するアプローチ
   a.機能障害(形態異常を含む)に対するアプローチ
   b.能力低下に対するアプローチ
   c.社会的不利に対するアプローチ
  5 障害の受容
 D.医療従事者とチーム
  1 リハビリテーション科医
  2 理学療法士
  3 作業療法士
  4 看護師
  5 言語聴覚士
  6 臨床心理士
  7 ソーシャルワーカー
  8 義肢装具士
 E.関係法規と保健医療福祉行政
  1 社会福祉法
  2 身体障害者福祉法
  3 児童福祉法
  4 老人福祉法
  5 障害者総合支援法
  6 高齢者の医療の確保に関する法律(旧老人保健法)
  7 介護保険
II リハビリテーション医学における診断・評価と治療
 A.障害の評価
  1 意識障害
   a.意識障害の程度
   b.脳波による評価
  2 運動障害
   a.運動麻痺
   b.筋力低下
   c.持久力低下
   d.ROMの制限
   e.運動失調
   f.筋トーヌスの異常
  3 感覚障害
   a.障害部位による感覚障害
   b.疼痛の評価
  4 反射
   a.反射
   b.クローヌス(間代)
  5 知能障害
   a.一般的な知能検査
   b.認知症の検査
  6 言語障害
   a.構音障害
   b.発語失行
   c.失語症
  7 高次脳機能障害
   a.失認
   b.失行
   c.注意力障害
   d.記憶障害
   e.遂行機能障害
  8 心理障害
   a.性格検査
   b.うつの評価
  9 発達障害
   a.成長の評価
   b.発達の評価
   c.新生児の診察
   d.反射の異常
  10 廃用症候群
  11 排尿障害
   a.病態による評価
   b.検査による評価
  12 摂食嚥下障害
  13 心機能障害
   a.一般的検査
   b.冠動脈疾患の評価
   c.胸痛・不整脈の評価
   d.心機能障害に伴う能力低下の評価
  14 呼吸機能障害
   a.一般的評価
   b.呼吸不全の評価
   c.能力低下の評価
  15 歩行障害
   a.歩行に関する用語
   b.異常歩行の評価
   c.疾患や障害部位に特徴的な歩行
  16 上肢機能の評価
   a.臨床的評価
   b.器械を用いた評価
  17 ADL障害
  18 APDL障害
  19 職業前評価
 B.臨床検査
  1 電気生理検査
   a.脳波検査
   b.誘発電位
   c.筋電図
   d.神経伝導検査
   e.神経興奮テスト
  2 呼吸機能検査
  3 心機能検査
   a.心電図
   b.運動負荷試験
  4 腎・膀胱機能検査
   a.腎機能検査
   b.膀胱尿道機能検査
  5 自律神経検査
   a.血圧
   b.心電図
  6 画像診断
   a.X線
   b.コンピューター断層撮影
   c.磁気共鳴画像
   d.超音波
   e.シンチグラフィー
   f.ポジトロン断層撮影法
   g.単一フォトン断層撮影法
   h.嚥下造影検査
 C.治療
  1 疾病治療とリハビリテーション医療
   a.慢性疾患
   b.リスクファクター
   c.脳卒中の急性期のリスク管理
   d.ハイリスク
   e.リスク管理の1つとしての感染症対策
   f.リハビリテーション医療の原則
  2 理学療法
   a.運動療法
   b.物理療法
  3 作業療法
   a.身体障害の作業療法
   b.精神障害の作業療法
  4 言語療法
   a.言語障害の種類
   b.言語障害および摂食障害の治療
  5 補装具
   a.義肢
   b.装具
   c.座位保持装置
   d.車いす
   e.歩行補助具
   f.自助具
  6 心理的アプローチとカウンセリング
   a.障害の受容
   b.カウンセリング
  7 社会資源と環境整備
III リハビリテーション医学疾患各論
 A.脳疾患
  1 脳血管障害
  2 脳外傷
  3 低酸素脳症
  4 遷延性意識障害
 B.脊髄疾患
  1 脊髄損傷
  2 二分脊椎
  3 脊髄血管障害
  4 脊髄空洞症
  5 HTLV関連脊髄症
 C.関節リウマチとその近縁疾患
  1 関節リウマチ
  2 関節リウマチ近縁疾患のリハビリテーション
 D.小児疾患
  1 脳性麻痺
  2 筋緊張低下児
  3 重症心身障害児
 E.神経筋疾患
  1 パーキンソン病
  2 多発性硬化症
  3 重症筋無力症
  4 運動ニューロン疾患
  5 脊髄小脳変性症
  6 筋ジストロフィー
  7 多発性筋炎・皮膚筋炎
 F.末梢神経障害
  1 腕神経叢麻痺
  2 多発神経障害
  3 単神経障害
 G.関節疾患
  1 肩関節周囲炎
  2 腱板損傷
  3 変形性股関節症
  4 発育性股関節脱臼
  5 変形性膝関節症
  6 血友病性膝関節症
  7 神経病性関節症
 H.外傷
  1 早期リハビリテーションの重要性
  2 骨折
  3 高齢者の骨折
  4 スポーツ外傷とスポーツ障害
  5 複合性局所疼痛症候群
  6 手の外傷
 I.脊椎疾患
  1 腰痛症
  2 椎間板ヘルニア
  3 脊椎退行変性疾患
  4 脊柱靱帯骨化症
  5 側弯症
  6 頸肩腕症候群
  7 鞭打ち損傷(外傷性頸部症候群)
 J.内部疾患
  1 心疾患
  2 メタボリックシンドローム
  3 呼吸器疾患
  4 周術期・ICU
  5 腎不全
  6 肝疾患
 K.末梢循環障害
  1 慢性動脈閉塞
  2 静脈血栓塞栓症
  3 リンパ浮腫,リンパ管炎,リンパ節炎
 L.切断
  1 切断者の疫学
  2 切断部位と義肢の名称
  3 切断部位の選択の原則
  4 切断術
  5 義足
  6 義手
  7 幻肢
 M.高齢者のリハビリテーション
  1 高齢者のリハビリテーションとは
  2 高齢者の特性
  3 リハビリテーションの進め方
  4 QOL
  5 地域リハビリテーション
  6 高齢者医療
 N.その他の疾患
  1 熱傷
  2 がん・悪性腫瘍
  3 AIDS
  4 ヒステリー(解離性あるいは転換性障害)
  5 痙性斜頸
付録
参考図書
索引

改訂第4版の序文

 超高齢社会を迎えてリハビリテーション医療はさらなる充実が求められている。本書は、そのようなリハビリテーション医療を担う優秀な人材を養成することを目的として企画された。2000年に初版が出版され、2005年に改訂第2版、2010年に改訂第3版と版を重ねてきたことからも分かるように、幸い多くの方々の支持を頂くことができた。改訂第3版から約6年が経過し、今版では、主対象とする理学療法士・作業療法士養成課程の学生向けに、リハビリテーション総論から評価、疾患の概念とリハビリテーションの対策をコンパクトに分かりやすくまとめるという初版の編集方針を踏襲しながら、医学・医療の進歩と広がりを反映させて全体を改訂した。
 急性期と回復期におけるリハビリテーション医療の発展と普及は目覚ましく、早期からの継ぎ目のないリハビリテーションによって最大限の回復を目指すことが当たり前のこととなった。そのため運動負荷、転倒予防、合併症対策などのリスク管理がますます重要となる。また中枢神経系の可塑性を基盤とした回復の原理、サルコペニアなどの新しい概念がリハビリテーションに応用されている。これらは本書の中でも新しいトピックスとして解説されている。
 一方で慢性期、あるいは維持期、生活期と呼ばれる時期におけるリハビリテーションは、地域包括ケアという大方針が示されているものの、手探りの状態である。地域包括ケアシステムとは、「住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される」システムと述べられている。定説となっている情報を提供するという教科書の性格上、記述に限界はあるだろうが、執筆陣の目は退院後の生活にも充分に向いているものと思われる。生活期を支えるこれからのリハビリテーション・ケアを構想し、立案し、実践する若い読者に本書が役に立つことを願っている。
 さて、本書改訂第4版には新しい共同編者を迎えたいという三上真弘先生のご意向により、加賀谷斉先生に共同編者をお願いした。三上真弘先生には監修の労をおとりいただいて改訂作業を進めていたが、誠に残念なことに本書の刊行を待たずして逝去された。本書を生み育ててこられた故三上真弘先生、故石田暉先生のご冥福を祈り、本書を世に出されたことに最大限の敬意と感謝の気持ちを捧げたい。
 最後に、執筆を快くお引き受け下さった諸先生方、全体の内容の整合性と読みやすさに意を尽して下さった南江堂の出版部各位に厚く御礼を申し上げる。

2016年7月
編集者代表 出江紳一