書籍

日本整形外科学会診療ガイドライン

腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン改訂第2版

文献アブストラクトCD-ROM付

監修 : 日本整形外科学会,日本脊椎脊髄病学会
編集 : 日本整形外科学会診療ガイドライン委員会/腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会
ISBN : 978-4-524-26486-5
発行年月 : 2011年7月
判型 : B5
ページ数 : 108

在庫あり

定価2,808円(本体2,600円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

改訂第2版では、「疫学」「病態」「診断」「治療」「予後」について34のクリニカルクエスチョンを設け、新たに2007年12月までの文献から信頼性と有益性を評価し、最新のエビデンスに基づいた推奨・要約と解説を示した。診断・治療の指針、また患者への説明のよりどころとなる整形外科医必携の書。付録のCD-ROMに文献アブストラクトを収載。

前文
CQ1.1 はじめに
CQ1.2 診療ガイドライン第2版の作成方法
CQ1.3 文献検索の結果
CQ1.4 まとめと今後の課題

第1章 疫学・自然経過
CQ1.有病率、性差、好発年齢、好発高位はどのようであるか
CQ2.腰椎椎間板ヘルニアの発生に影響を及ぼす環境因子は何か
CQ3.自然退縮する腰椎椎間板ヘルニアの画像上の特徴は何か
CQ4.腰椎椎間板ヘルニアはどのくらいの割合で、どのくらいの期間で退縮するのか

第2章 病態
CQ1.高齢者における腰椎椎間板ヘルニアは青壮年と相違があるか
CQ2.若年性腰椎椎間板ヘルニアは青壮年と相違があるか
CQ3.ヘルニアの大きさは症状の程度に関連するか
CQ4.腰椎椎間板ヘルニア退縮の機序は何か
CQ5.腰椎椎間板ヘルニアの発症に遺伝的背景はあるか

第3章 診断
CQ1.診断に必要な問診や病歴は何か
CQ2.診断における特徴的な所見(理学所見および神経学的所見)は何か
CQ3.単純X線写真は腰椎椎間板ヘルニアの診断に必要か
CQ4.脊髄造影は腰椎椎間板ヘルニアの診断に必要か
CQ5.椎間板造影は腰椎椎間板ヘルニアの診断に必要か
CQ6.MRIの診断的価値はどの程度か
CQ7.神経根造影・ブロックは障害神経根の同定のために必要か
CQ8.電気生理学的検査は障害神経根の同定のために必要か

第4章 治療
CQ1.腰椎椎間板ヘルニアに対する硬膜外副腎皮質ステロイド薬注入療法は有効か
CQ2.腰椎椎間板ヘルニアの治療にspinal manipulationは有効か
CQ3.腰椎椎間板ヘルニアの治療において非副腎皮質ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は有効か
CQ4.腰椎椎間板ヘルニアに対する牽引療法は有効か
CQ5.顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術、内視鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術と通常のヘルニア摘出術の間に、術後結果に関して有意差が存在するか
CQ6.経皮的椎間板摘出術は顕微鏡視下腰椎椎間板ヘルニア摘出術よりも優れた術式か
CQ7.術式間に成績の差はあるか
CQ8.腰椎椎間板ヘルニアにおける馬尾障害では緊急手術が必要か
CQ9.若年者腰椎椎間板ヘルニアに対して手術適応はあるか
CQ10.腰椎椎間板ヘルニア後方摘出術における手技の工夫は瘢痕形成予防や術後臨床症状に関係するか
CQ11.腰椎椎間板ヘルニア摘出術で術中の硬膜外への副腎皮質ステロイド薬投与は術後経過に影響を及ぼすか
CQ12.腰椎椎間板ヘルニア摘出術における閉創前の硬膜外へのモルヒネの投与は有効か

第5章 予後
CQ1.腰椎椎間板ヘルニア患者のなかでどの程度の患者が手術にいたるか
CQ2.保存的治療と手術的治療による予後の差はあるか
CQ3.術前の病状のなかで予後を予測できる要因は何か
CQ4.手術後の後療法の内容により予後が変わるか
CQ5.再手術率と再発率はどの程度か

索引

2005年6月に腰椎椎間板ヘルニアの診療ガイドラインが刊行されて以来すでに6年の歳月が経過した。その間には発症に関する遺伝的要因の研究、内視鏡手術の発展、保存的治療と外科的治療の予後の比較についてなど新しい研究結果が報告されるなか、改訂版作成の必要性が求められてきた。日本整形外科学会診療ガイドライン委員会のもとに腰椎椎間板ヘルニアガイドライン策定委員会が設けられ、日本脊椎脊髄病学会の全面的な支援のもとに2008年5月から活動を開始した。
 委員会の組織は流れを引き継ぐ形で小森博達先生と私がメンバーとして参加した。多くの時間を共有して作業を進める必要があることから委員は関東地方から選出することとし、本疾患の診療、研究に精通した委員構成とした。改訂のコンセプトは、臨床一般医を対象として本疾患の概念や診療に必要な事項を理解しやすいように平易に表現するものとし、専門に偏りすぎないように配慮した。推奨グレードの定義は初版を継承する方針とし、クリニカルクエスチョンは検索された論文を吟味した結果から一部を整理し、一部を新設した。章担当者は採用された論文を加えて設問に対する回答を再検討し、推奨と解説文に修正を加えた。委員全員で繰り返し読み直し、内容を推敲した。誠に多くの時間を費やして作成に関わっていただいた委員全員に心よりの感謝を申し上げる次第である。
 日常生活に密着した運動器の健康に国民の関心が高まるなか、腰椎椎間板ヘルニアは激しい痛みや著しい生活力の低下をきたすものとして多くの人の知るところであるが、正しい理解が十分に得られているとは言いがたいのが現状である。本ガイドラインは一般臨床医に向けて作成されており、特定の団体に利益が偏らないように細心の注意が払われている。本疾患の治療にあたる際に参考とし、正しい医療が行われるために活用していただきたいと考えている。ただし、本ガイドラインはあくまでも診断や治療における指針であり、個々の患者に短絡的に当てはめてはならない。担当医の知識と経験からそれぞれの状況に応じて適切な判断をすることが最も重要であり、この際に医師の裁量や患者個人の価値観が尊重されることが前提である。また、診療の実践内容を否定するための材料として使用すべきでなく、医療提供者の活動を拡大したり、制限したりする目的で使用してはならない。
2011年5月
日本整形外科学会
腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン策定委員会
委員長 宮本雅史