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日本消化器病学会ガイドライン

消化性潰瘍診療ガイドライン

こちらの商品は改訂版・新版がございます。

編集 : 日本消化器病学会
ISBN : 978-4-524-26221-2
発行年月 : 2009年10月
判型 : B5
ページ数 : 174

在庫なし

定価3,240円(本体3,000円 + 税)

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正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

日本消化器病学会編集によるオフィシャルなガイドライン。消化性潰瘍に関わる膨大な文献を吟味して、診療上で問題となるクリニカルクエスチョン(CQ)に対して、推奨グレードとエビデンスレベルを明記して診療の指針を示す。内視鏡的治療・非内視鏡的治療、H.pylori除菌治療、非除菌治療、薬物性潰瘍、外科的治療、窄孔・狭窄に対する内科的治療の現時点の標準的治療を記載。

クリニカルクエスチョン一覧
1.出血性胃潰瘍・出血性十二指腸潰瘍
(1)内視鏡的治療
 CQ1-01 出血性潰瘍に対する内視鏡的治療は有用か?
 CQ1-02 出血性潰瘍に対する内視鏡的止血法はどのような潰瘍を対象とするか?
 CQ1-03 出血性潰瘍に対する最適な内視鏡的止血法はどれか?
 CQ1-04 止血確認のための内視鏡検査(セカンド・ルック)は必要か?
(2)非内視鏡的治療
 CQ1-05 内視鏡的治療後に酸分泌抑制薬を用いる意義はあるのか?
 CQ1-06 内視鏡的治療後に防御因子増強薬を用いる意義はあるのか?
 CQ1-07 どのような場合に輸血を行うべきか?
 CQ1-08 食事療法を行う必要はあるのか?
 CQ1-09 入院加療を行う必要はあるのか?
 CQ1-10 止血後の抗凝固薬・抗血小板薬の再開時期の目安は何か?
 CQ1-11 interventional radiology(IVR)はどのような場合に行うべきか?
 CQ1-12 再出血予防にH.pylori除菌療法を行う意義はあるのか?

2.H.pylori除菌治療
(1)初期治療
【胃潰瘍】
 CQ2-01 H.pylori除菌は胃潰瘍の治癒を促進するか?
 CQ2-02 H.pylori除菌治療は活動期胃潰瘍の疼痛緩和に有効か?
 CQ2-03 H.pylori除菌前のPPI前投与は胃潰瘍の除菌率に影響を与えるか?
 CQ2-04 開放性胃潰瘍に対してH.pylori除菌治療後の潰瘍追加治療は必要か?
【十二指腸潰瘍】
 CQ2-05 H.pylori除菌は十二指腸潰瘍の治癒を促進するか?
 CQ2-06 H.pylori除菌治療は活動期十二指腸潰瘍の疼痛緩和に有効か?
 CQ2-07 H.pylori除菌前のPPI前投与は十二指腸潰瘍の除菌率に影響を与えるか?
 CQ2-08 開放性十二指腸潰瘍に対してH.pylori除菌治療後の潰瘍追加治療は必要か?
(2)レジメン
 CQ2-09 どのようなレジメンを選択すべきか?
(3)二次除菌
 CQ2-10 二次除菌治療は何を選択すべきか?
(4)再発防止
 CQ2-11 除菌後の潰瘍再発はH.pylori除菌療法により抑制されるか?
 CQ2-12 除菌成功例に潰瘍再発予防療法を行う必要があるのか?
 CQ2-13 除菌後のH.pyloriの再陽性化は?
 CQ2-14 除菌後のGERD発症は?
 CQ2-15 除菌後の上部消化管検査は必要か?

3.非除菌治療
(1)初期治療
【胃潰瘍】
 CQ3-01 胃潰瘍に対する非除菌治療(初期治療)の薬剤選択は?
 CQ3-02 胃潰瘍に対する酸分泌抑制薬と防御因子増強薬の併用療法は有効か?
【十二指腸潰瘍】
 CQ3-03 十二指腸潰瘍に対する非除菌治療(初期治療)の薬剤選択は?
 CQ3-04 十二指腸潰瘍に対する酸分泌抑制薬と防御因子増強薬の併用療法は有効か?
(2)維持療法
【胃潰瘍】
 CQ3-05 胃潰瘍の非除菌治療において維持療法は必要か?
 CQ3-06 胃潰瘍の維持療法に何を用いるのか?
 CQ3-07 胃潰瘍に対して防御因子増強薬の併用療法は行うべきか?
 CQ3-08 胃潰瘍に対する維持療法はいつまで続けるのか?
【十二指腸潰瘍】
 CQ3-09 十二指腸潰瘍の非除菌治療において維持療法は必要か?
 CQ3-10 十二指腸潰瘍の維持療法に何を用いるのか?
 CQ3-11 十二指腸潰瘍に対して防御因子増強薬の併用療法は行うべきか?
 CQ3-12 十二指腸潰瘍に対する維持療法はいつまで続けるのか?

4.薬物性潰瘍
(1)NSAIDs潰瘍
【病態】
 CQ4-01 NSAIDsによる上部消化管傷害の病態は?
【治療】
 CQ4-02 NSAIDsを服用する患者は服用しない患者と比べて、消化性潰瘍、上部消化管出血のリスクは高いか?
 CQ4-03 NSAIDs潰瘍の治療はどうするか?
 CQ4-04 H.pylori除菌治療は他の治療法と比べて、NSAIDs潰瘍の治癒率を高めるか?
【予防】
 CQ4-05 NSAIDsの種類によって潰瘍発生率に差があるか?
 CQ4-06 NSAIDsの投与量によって潰瘍発生率に差があるか?
 CQ4-07 NSAIDsの経口投与と坐薬で潰瘍発生率に差があるか?
 CQ4-08 NSAIDsの単剤投与と多剤投与で潰瘍発生率に差があるか?
 CQ4-09 H.pylori陽性の場合、除菌治療すべきか?
 CQ4-10 短期投与(3ヵ月未満)での一次予防はどうするか?
 CQ4-11 長期投与(3ヵ月以上)での一次予防はどうするか?
 CQ4-12 高リスク群の一次予防はどうするか?
 CQ4-13 高リスク群の二次予防はどうするか?
【低用量アスピリン(LDA)】
 CQ4-14 LDAを服用する患者では服用しない場合と比べ、消化性潰瘍発症率、有病率が高いか?
 CQ4-15 LDAを服用する患者ではどのような併用薬を用いれば、用いない場合と比べ、消化性潰瘍発症率、有病率が低くなるか?
 CQ4-16 LDAを服用する患者では服用しない患者に比べ、上部消化管出血リスク、頻度は高いか?
 CQ4-17 LDAを服用する患者はどのような併用薬を用いれば、併用薬のない場合と比べ、上部消化管出血発症率、有病率が低くなるか?
 CQ4-18 上部消化管出血既往歴がある患者がLDAを服用する場合、どのような併用薬を用いれば、用いない場合と比べ上部消化管再出血率が低くなるか?
 CQ4-19 LDA常用者におけるNSAIDs投与は潰瘍発症のリスクを上げるのか?
 CQ4-20 LDA常用者におけるCOX-2選択的阻害薬は通常のNSAIDsより潰瘍リスクを下げるのか?
 CQ4-21 LDA常用者におけるNSAIDs併用時の潰瘍予防法はあるか?
【COX-2選択的阻害薬】
 CQ4-22 COX-2選択的阻害薬は潰瘍発生を減少させるか?
 CQ4-23 COX-2選択的阻害薬は心・血管系へのリスクを増加させるか?
 CQ4-24 通常のNSAIDsを服用する患者は服用しない場合と比べて、心血管イベントのリスク、頻度が高いか?
(2)その他の薬物
 CQ4-25 NSAIDs以外にどのような薬物が潰瘍発症のリスクを高めるか?
 CQ4-26 糖質ステロイド投与は、消化性潰瘍発症(再発)の有意なリスクファクターか?

5.外科的治療
(1)手術適応
【消化性潰瘍穿孔の手術適応】
 CQ5-01 消化性潰瘍穿孔の手術適応は何か?
【消化性潰瘍出血の手術適応】
 CQ5-02 消化性潰瘍出血の手術適応は何か?
(2)手術術式
【消化性潰瘍穿孔に対する手術術式】
 CQ5-03 消化性潰瘍穿孔に対する手術術式は何か?
【消化性潰瘍出血に対する手術術式】
 CQ5-04 消化性潰瘍出血に対する手術術式は何か?
【消化性潰瘍による狭窄に対する手術術式】
 CQ5-05 消化性潰瘍による狭窄に対する手術術式は何か?
(3)術後維持療法
 CQ5-06 消化性潰瘍の術後に除菌療法は必要か?

6.穿孔・狭窄に対する内科的治療
【穿孔】
 CQ6-01 穿孔に対する内科的治療の適応は?
 CQ6-02 穿孔に対する内科的治療はどのように行うべきか?
 CQ6-03 穿孔に対する内科的治療から外科的治療に変更するタイミングは?
【狭窄】
 CQ6-04 狭窄に対する内科的治療の適応は?
 CQ6-05 狭窄に対してどのような治療を選択すべきか?

日本消化器病学会では、作成委員会と評価委員会の共同作業により「消化性潰瘍診療ガイドライン」を作成した。すなわち、作成委員会はガイドライン案を作成し、評価委員会が問題点などを評価し、作成委員会に報告し、修正・追加などを行い、答申案を作成した。作成順序は、(1)問題設定(クリニカルクエスチョン:CQ)の作成と評価(追加修正)、(2)それに対する文献検索の実行と配布、(3)採用文献の決定と分担者の決定、(4)文献データベースの作成、(5)勧告案の作成と評価、である。この他に、同時にガイドラインを作成した6疾患[消化性潰瘍、胃食道逆流症(GERD)、炎症性腸疾患(クローン病)、肝硬変、胆石症、慢性膵炎]の責任者、作成委員長、評価委員長により統括委員会が組織された。統括委員会は各ガイドライン作成における共通の問題について討議し、ガイドライン相互連絡などの調整や、各ガイドライン委員会からの疑問点について適宜助言する役割を果たした。最後に、答申案は日本消化器病学会のホームページに2009年3月10日より5月11日の2ヵ月間掲載され、パブリックコメントを求めた。それらを作成・評価合同委員会にて検討し、「消化性潰瘍診療ガイドライン」は最終的に完成された。
 ガイドラインの作成方法はEBMの方式に従って系統的文献検索を行い、検索範囲と検索法の公開、検索データベースの明示、文献データベースの作成、文献採用基準の統一、文献評価の統一(エビデンスレベルの統一)、文献採用基準の統一を行った。これは文献エビデンスの再現性を保証することを目的としている。そして、勧告の強さ、基準の明示、エビデンスレベルの明示、エビデンスがわが国のものか、外国のものかを明示した。勧告には内視鏡的潰瘍治癒率を中心に、医療経済的評価、有害事象なども勘案した。また、保険で診断、治療が可能かについても明示した。しかし、ガイドラインは標準的治療を提示し、個別医療を目指すことを否定しない立場に立っている。文献のエビデンスレベルは「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007」により、推奨グレードは「Minds診療ガイドライン作成の手引き2007」p43の1)Minds推奨グレードを一部改変してつけられた。
 文献採用の目安は研究デザインを同時対照においたランダム化対照試験(RCT)以上を原則とし、文献がない場合には非ランダム化同時対照試験も採用可能とした。採用文献の採用の基準は脱落例が有効症例数の20%以下であること、intention‐to‐treat analysis(治療企画試験)で脱落例は無効例として扱っていることであるまた、研究エントリー症例数は各群30例以上を目安とすると定めた。検索される文献はMedlineおよび医学中央雑誌を検索データベースとして1983年から2007年までに行い、英文抄録があれば可としたが、英文、和文文献に限定した。
2009年8月
日本消化器病学会消化性潰瘍診療ガイドライン作成委員長
芳野純治