教科書

柔道整復

衛生学・公衆衛生学改訂第6版

監修 : (社)全国柔道整復学校協会
: 鈴木庄亮/小川正行/横山和仁/黒沢美智子/竹内一夫/谷川武
ISBN : 978-4-524-26198-7
発行年月 : 2015年12月
判型 : B5
ページ数 : 294

在庫あり

定価5,400円(本体5,000円 + 税)

正誤表

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

柔道整復師を目指す学生向けに、衛生学・公衆衛生学習得に必要な基礎知識を解説した教科書。今改訂では統計数値の更新と法規・基準・制度の改変を反映した記述の見直しを行った。さらに全国柔道整復学校協会加盟校からの要望を可能な限り取り入れ,わかりやすく利用しやすい教科書となった。

1 衛生学・公衆衛生学の歴史と公衆衛生活動
 A 衛生学・公衆衛生学の歴史
 B 公衆衛生活動
  1 人口統計および保健衛生統計
  2 健康教育
  3 試験検査と環境保健
  4 保健福祉サービスおよび保健福祉事業
  5 保健医療計画と行政
  6 公衆衛生活動の分類
2 健康の概念
 A 健康の語源と理解
 B 健康を維持するうえでの生活の役割
 C 慢性疾患と生活
  1 生活環境
  2 食物と食事
  3 アルコール性飲料
  4 喫煙
  5 運動
  6 睡眠
 D 健康の測定
  1 人口統計
  2 健康水準
  3 健康指標
3 疾病予防と健康管理
 A 疾病の自然史と予防
 B 病因と危険因子
 C 疾病予防の段階
  1 一次予防
  2 二次予防:早期発見と早期治療
  3 三次予防
 D 加齢・生活習慣と疾病
 E 健康管理のスペクトラムと活動の構成
 F 集団検診
 G 健康管理の技法
 H 健康管理の今後
4 感染症の予防
 A 感染症とは
  1 感染と発病
  2 感染症成立の条件
  3 ウイルス感染症
  4 細菌感染症
  5 その他の感染症
  6 院内感染
  7 最近の感染症の動向
 B 感染症の予防対策
  1 感染症予防の原則
  2 感染源対策
  3 感染経路対策
  4 感受性宿主対策
  5 予防接種
5 消毒
 A 消毒とは
  1 消毒の意義
  2 消毒法の目的による分類
  3 消毒法の条件
  4 消毒実施上の注意
  5 微生物の種類と消毒に対する強さ
 B 消毒の種類と方法
  1 理学的消毒法
  2 化学的消毒法
 C 消毒法の応用
  1 手指の消毒法
  2 皮膚の消毒法
  3 施術における消毒
  4 水の消毒
  5 院内感染対策と消毒(感染症の予防)
6 環境衛生(環境保健)
 A 環境とは
  1 非生物的環境(無機的環境)
  2 生物的環境(有機的環境)
  3 人工的環境
 B 人間(主体)−環境系
 C 生体における量−影響関係
 D 環境問題
  1 世界人口の急増
  2 地球環境の温暖化
  3 再生不能な資源の枯渇
  4 熱帯雨林の消失
  5 生物種の減少(生物多様性の保全対策)
  6 砂漠化
  7 酸性雨
  8 フロンによるオゾン層の破壊
 E 環境の把握
 F 環境の評価
 G 物理的環境要因
  1 気温,湿度,気流,輻射熱
  2 気候−気候と疾病
  3 騒音
  4 電離放射線
 H 化学的環境要因
  1 化学物質に対する考え方
  2 化学的環境要因
  3 喫煙と健康
 I 生物的環境要因
 J 公害
 K 空気の衛生と大気汚染
 L 環境のアセスメントとモニタリング
 M 環境基準とその設定
 N 環境政策と環境行政
 O 地球環境の管理
 P 最近の環境問題
7 生活環境・食品衛生活動
 A 水の衛生と水質汚濁
  1 上水
  2 下水
  3 水質汚濁
 B 衣服
  1 衣服の目的と求められる質
  2 衣料用繊維の性質と皮膚の衛生
  3 繊維の加工剤の皮膚への影響
 C 住居
  1 健康な住居の原則
  2 屋内の空気汚染による健康影響
  3 住居内のカビ,害虫,ネズミと健康被害
  4 住宅のバリアフリー化
 D 食品
  1 食品中の病原微生物による健康被害
  2 食品中の有害化学物質による健康被害
  3 動物性自然毒,植物性自然毒による中毒
 E 食品衛生活動
  1 監視施設
  2 輸入食品の監視
  3 食品の安全対策
 F 栄養改善活動
  1 制度の概要
  2 栄養対策の現状
  3 日本人の食事による栄養摂取量の基準(栄養所要量)
 G 廃棄物処理
  1 廃棄物の種類
  2 廃棄物処理
 H 消費者保健活動
8 母子保健
 A ライフサイクルと母子保健
  1 ライフサイクル
  2 ライフサイクルと有害因子
 B 母と子のかかわり
  1 母体と胎児
  2 母子相互作用
 C 母子保健の指標
  1 乳児死亡
  2 周産期死亡
  3 幼児死亡
  4 死産
  5 妊産婦死亡率
  6 母性保健
  7 小児保健
 D 母子保健行政
 E 母子保健対策
 F 家庭保健の現状
 G わが国の母子保健事業の成果と今後の動向
9 学校保健
 A 学校保健の意味
 B 学校保健対策(領域と構成)
 C 保健教育と保健管理の特質
 D 学校保健の組織と運営
  1 学校保健関係職員
  2 学校保健組織活動
 E 学校保健管理
  1 健康診断
  2 健康相談
  3 感染症予防
 F 学校環境管理
 G 保健教育
  1 教育課程における保健教育の構成
  2 保健学習
  3 保健指導
 H 学齢期の健康状況の統計
 I 応急手当(応急処置)
 J 健康異常の新しい傾向
10 産業保健
 A 産業保健の目的
 B 働く人々の健康問題史
 C 最近の職場の特徴
  1 就業者と雇用者
  2 失業率,フリーター,ニート
  3 産業別人口の推移
  4 労働時間
  5 職場ストレスの増加
  6 労働者の自殺
  7 睡眠時無呼吸症候群
 D 労働災害の動向
  1 労働災害と業務上疾病の発生状況
  2 産業疲労
  3 メンタル・ヘルス不調による労災
  4 労災補償
 E 職業病とその対策
  1 物理的環境因子による健康障害
  2 化学的な要因による障害
  3 作業態様に起因する障害
 F 職場における健康診断と健康増進
  1 一般健康診断
  2 特殊健康診断
  3 臨時の健康診断
  4 健康保持増進事業
  5 作業関連疾患
 G 勤労者の生活と余暇
 H リハビリテーションと職場復帰
  1 労災リハビリテーション作業所
  2 職場復帰(復職)
11 成人・高齢者保健
 A 成人・高齢者の健康状態
 B 成人・高齢者の有訴者率,受療率
 C 成人保健(成人病から生活習慣病へ)
  1 がん(悪性新生物)
  2 脳血管疾患(脳血管障害)
  3 心疾患(心臓病)
  4 高血圧性疾患
  5 糖尿病
  6 ロコモティブシンドローム(運動器症候群)
 D 高齢者の生活と高齢者保健・福祉対策
  1 後期高齢者医療制度
  2 認知症高齢者支援対策
  3 高齢者福祉対策
  4 介護保険
12 精神保健
 A 精神保健の定義と歴史
 B 精神の病気
  1 統合失調症
  2 心身症
  3 不安障害
  4 発達障害
  5 摂食障害
  6 物質関連障害
  7 パーソナリティー障害
  8 認知症
  9 気分障害
  10 神経症
  11 その他の精神障害
13 地域保健と国際保健
 A 地域とその特徴
 B 地域社会のとらえ方
  1 都市化・情報社会化
  2 核家族化・単身世帯化
 C 地域保健とは
 D 地域保健活動
  1 保健活動の対象者
  2 地域保健活動の進め方
  3 地域保健活動の現状
 E 保健に関する国際協力と世界保健機関
  1 WHOの活動
  2 わが国とWHOとの関係
  3 国際的な環境保全戦略
  4 二国間医療協力
  5 国際協力の経済的側面
14 衛生行政と保健医療の制度
 A 衛生行政の考え方
 B わが国の衛生行政機構(組織)の概要
  1 国
  2 都道府県
  3 保健所
  4 市区町村
 C 関連機関の役割
 D 保健医療行政の財政
  1 国の予算
  2 地方公共団体の保健医療行政予算
 E 医療施設
  1 病院
  2 診療所
  3 最近の動向
 F 保健医療従事者
 G 医療保険
  1 制度の概要
  2 保険給付
 H 公費(負担)医療
 I 国民医療費
  1 国民医療費の動向
  2 国民医療費の分析
 J 健康づくり
 K 保健・医療・福祉関係の法規
15 医療の倫理と安全の確保
 A 医療および公衆衛生活動の問題と倫理
 B 医療の安全の確保
  1 国の対策
  2 用語の解説
  3 医療事故の防止
  4 医療裁判
16 疫学
 A 疫学とは
  1 疫学の意義
  2 疫学の方法
 B 病因論:疾病の成り立ち
 C 集団の健康状態の把握
  1 調査対象(全数調査と標本調査)
  2 異常者数の把握
  3 危険曝露人口の把握
  4 比と割合と率
  5 有病率,罹患率,死亡率
  6 標準化(年齢調整)
 D 調査方法
  1 記述疫学
  2 分析疫学
  3 既存資料を用いた生態学的研究
  4 調査方法によるエビデンスのレベル
 E 調査結果の解釈と評価
  1 バイアス
  2 交絡
  3 因果関係
 F 国際疾病分類ICD−10
索引

改訂第6版の序

 本書、公益社団法人全国柔道整復学校協会監修の教科書『衛生学・公衆衛生学』の初版は、1986年初版の『シンプル衛生公衆衛生学』(南江堂)を母体にして柔道整復学校の教育課程に準じて再編し、1995(平成7)年に出版されて現在に至っている。その間、1998、2003、2007、2011年と4.5年に1回の改訂を重ね、出版20周年を超えた。今回の改訂は2011年以来4年ぶりである。
 本書の初版からの約20年間に、柔道整復師の養成校は大幅に増加している。それだけに本書の責任も大きくなったと身を引き締めて第6版の大改訂を行った。今改訂では著者を全4名から6名体制とし、章の構成は変えなかったが、各章に著者を2名ずつ配置し、うち編集兼任担当を2名から3名に増やして、衆知を集めかつ偏りの無い内容と記述になるよう配慮した。
 また、全国柔道整復学校協会の教科書委員会からは衛生学公衆衛生学のご専門のあるいは関係の深い委員(教授)から、国家試験出題基準も踏まえて、旧版から本改訂についての詳しいご意見、要望、貴重なご提案を頂いたので、それらの内容と表現を検討して、その大方を取り込むことが出来た。記してお礼を申し上げる。
 この5年の社会情勢では、わが国の人口の少子高齢化はますます顕著になり、保健、医療、福祉、介護、リハビリ等の領域では介護保険法の下に「地域包括支援センター」の整備が進められている。医療介護総合推進法(2014年)では、各種専門機能(接骨院も含む)が連携した総合的、効率的な管理を目指している。さらに、生活習慣病では高度専門医療に対して、全人的かつ連携重視の統括医療の重要性が再認識されている。職域では過重労働や過労死防止、心の健康保持増進が重要課題となり、学校ではいじめ防止対策が急がれている。環境保健では新しい感染症と消毒薬、地球温暖化の影響、原発事故による放射能汚染の評価と対策が重要課題となった。
 第6版では、これらの課題に対する法令化、法や基準の改正などを書き加え、必要性の薄れた記述を割愛し、保健医療統計数値の全面的更新を行った。
 出来上がった本書は必要十分な最新の内容が盛られ、適切に記述されたと自負しているが、本書の利用者である教員諸兄姉と学生諸君には引き続きご愛用とご叱声を頂き、さらに良い本にしていきたい。

2015年12月吉日
著者代表 鈴木庄亮