教科書

神経内科学テキスト改訂第4版

  • 新刊

編集 : 江藤文夫/飯島節
ISBN : 978-4-524-25941-0
発行年月 : 2017年3月
判型 : B5
ページ数 : 392

在庫あり

定価5,184円(本体4,800円 + 税)

  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

難解と敬遠されがちな神経内科学を、図表を多数用いてわかりやすく解説した教科書。「理学療法士・作業療法士国家試験出題基準」に準拠。「総論」「神経診断学」「神経疾患各論」の3部からなり、知識を系統的に整理できる。全体の情報のアップデートと「リハビリテーション」に関する記述を強化し、さらに使いやすくなった改訂版。

I 神経内科学総論
 A.神経内科学とは
 B.神経・筋疾患とリハビリテーション
 C.神経解剖学の基礎
  1 神経系の起源と区分
  2 神経系の細胞構築と化学的神経回路
  3 ニューロンの細胞体と線維の分布
  4 脊髄と脊髄神経
  5 脳幹と脳神経
  6 小脳
  7 間脳
  8 大脳基底核
  9 大脳皮質
  10 機能系
  11 脳と脊髄への血液供給
 D.神経生理学の基礎
  1 静止電位
  2 活動電位
  3 シナプス
 E.神経薬理学の基礎
  1 薬物作用機序の概要
  2 薬物動態
  3 神経系に作用する薬物
 F.分子遺伝学の基礎
  1 メンデルの法則と遺伝子
  2 遺伝子とDNA
  3 遺伝子発現
  4 DNAの変異と神経疾患
  5 染色体
  6 遺伝子異常と病気
  7 原因遺伝子同定のアプローチ
  8 倫理的配慮
 G.神経免疫学の基礎
  1 神経内科学における免疫学の重要性
  2 免疫系のなりたち
  3 胸腺内選択と自己免疫
  4 まとめ
 H.神経系の発達と加齢
  1 神経系の発達
  2 神経系の加齢
II 神経診断学
 A.神経診断学とは
  1 病歴のとり方
  2 神経学的診察法
 B.各機能の診かた
  1 意識障害
  2 高次脳機能障害
  3 脳神経
  4 運動系
  5 感覚系
  6 自律神経系
  7 反射
 C.検査法
  1 画像診断
  2 電気生理学的検査
  3 筋生検・神経生検
  4 脳脊髄液検査
  5 自律神経機能検査
III 神経疾患各論
 A.脳血管障害
  1 脳血管障害とは(分類)
  2 疫学
  3 脳血管の解剖と生理
  4 脳出血
  5 くも膜下出血
  6 脳梗塞
  7 一過性脳虚血発作
  8 高血圧性脳症
  9 脳静脈・静脈洞血栓症
  10 無症候性脳血管障害
 B.変性疾患
  1 変性疾患とは
  2 大脳基底核障害を示す疾患
  3 脊髄小脳変性症
  4 運動ニューロン疾患
 C.脱髄疾患
  1 脱髄疾患とは
  2 多発性硬化症
  3 視神経脊髄炎
  4 急性散在性脳脊髄炎
  5 白質ジストロフィー
 D.末梢神経障害(ニューロパチー)
  1 末梢神経障害とは
  2 末梢神経障害各論
 E.筋疾患(ミオパチー)
  1 筋疾患(ミオパチー)とは
  2 筋疾患各論
 F.神経筋接合部疾患
  1 神経筋接合部疾患とは
  2 重症筋無力症
  3 筋無力症候群
 G.脳腫瘍
  1 脳腫瘍総論
  2 脳腫瘍各論
 H.脊髄疾患
  1 脊髄障害による神経症候
  2 脊髄血管障害
  3 脊椎疾患
  4 脊髄・延髄空洞症
  5 脊髄炎
  6 放射線脊髄症
  7 脊髄腫瘍
 I.感染性疾患
  1 髄膜炎
  2 脳炎
  3 遅発性ウイルス感染症
  4 急性灰白髄炎
  5 後天性免疫不全症候群(エイズ)
  6 HAM
  7 脳膿瘍
  8 神経梅毒
 J.先天異常,脳性麻痺
  1 先天異常
  2 脳性麻痺
  3 分娩時損傷
  4 二分脊椎
 K.代謝,中毒性疾患
  1 全身疾患
  2 欠乏症
  3 中毒性疾患
 L.外傷
  1 外傷性脳損傷
  2 脊髄損傷
  3 末梢神経損傷
 M.自律神経疾患
  1 自律神経障害をきたす疾患
 N.機能性疾患
  1 てんかん
  2 頭痛
  3 めまい
  4 睡眠障害
 O.認知症疾患
  1 認知症とは
  2 疫学
  3 診断
  4 認知症疾患各論
  5 認知症疾患の治療・介護・リハビリテーション
参考文献
索引

改訂第4版の序文

 神経内科学と神経科学に関する新しい知見は、2011年に本書改訂第3版を刊行してから数年にもかかわらず、各領域にわたり増大し続けてきた。そこで、本書がリハビリテーション医療に携わる専門職を目指す学生ならびに臨床家のための有用なテキストであるために、全体を見直し、各領域の新しい知見を加筆し、改訂を行った。学生のためには、理学療法士・作業療法士国家試験出題基準に則した項目を取り上げるように配慮し、各章の冒頭で「学習目標」を設定することで、学習意欲の向上とより効率のよい学習支援を心掛けた。また、各疾患の項では、治療に加えリハビリテーションに関する記述を含めるよう努めた。
 かつては悲観的に受け取られがちであった神経疾患の治療においては、損傷された神経機能の可塑性が着目され、構造的修復を背景にした機能回復訓練手技の開発にも熱心に取り組まれるようになった。一方で病理学的知見としては、細胞レベルでの機能強化や修復を目指す細胞を基盤とした治療による、再生医療(regenerative medicine)の分野が芽生えつつあり、発病初期あるいは症状発現以前の段階での治療介入も視野に置いた研究が展開しつつある。
 しかし、現実の臨床現場では神経疾患による固有の症状の管理と、疾患に関連した日常生活や社会生活における制限や制約の解消が最大の関心事であることに変わりはない。疾患ごとに特徴的な症状を管理し、かつ障害をもつ患者の処遇を適切に行うことが治療(treatment)であり、医学的診断に始まり、障害の評価に基づいた各専門職種による適切な対応があって、患者の健康回復とQOLの向上が達成される。医師以外の各種専門職にとっても、疾患の確実な理解が前提となる。健康が疾患による身体や精神の脆弱な状態を免れることだけでなく、社会的にも良好で幸福な状態を意味することから、社会参加の充実へのニーズが高まっている。その実現をサポートするリハビリテーション医療の発達も著しいものがある。
 今回の改訂において、いくつかの章では執筆者が交代した。最新版においても、各執筆者は第一線場面で診療や研究に携わりつつも、医療職を目指す学生の教育にも熱心にかかわり、学生の学習意欲の向上にも努めてこられた方々であり、本書が学生にとって勉学のための良き伴侶として役立つことを確信するものである。また、そのために執筆者の先生方にはしばしば加筆や修正をお願いし、ご協力をいただけたことで、時代に即した最新で充実した内容の教科書に仕上がったことを深く感謝申し上げる。
 学生諸君が、この教科書を活用して、神経内科学に慣れ親しみ、知識を確実なものとするだけでなく、神経学の面白さに目覚め、より専門的興味を抱いて、リハビリテーション領域の神経学を発展させる人材が生まれることになれば幸いである。

2017年1月
江藤文夫
飯島節