書籍

チャートでわかる糖尿病治療薬処方のトリセツ

未来を護るベストチョイス!

  • 新刊

: 野見山崇
ISBN : 978-4-524-25153-7
発行年月 : 2017年9月
判型 : A5
ページ数 : 172

在庫あり

定価3,456円(本体3,200円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

近年飛躍的に選択肢が広がり、各治療法に関する科学的根拠の蓄積も進む糖尿病の薬物療法について、各薬剤の基礎知識を押さえつつ、合併症・併存疾患の有無や高齢者等、患者さんの病態や状況に応じた処方のノウハウが学べる実践書。第1部では項目ごとにわかりやすいチャートを図示し、治療選択の考え方が視覚的に理解できる。第2部では一歩進んだ診療内容について専門医の視点から解説。いずれも単なるガイドライン等の基本事項を超えた著者ならではの診療のコツが随所に散りばめられている。

第1部 チャートでわかる!糖尿病治療薬処方のトリセツ
 第1章 スタンダードな2型糖尿病治療ストラテジー
  1 ファーストチョイスin Japan:DPP-4阻害薬vs.メトホルミン
  2 次の一手は増量か,併用か?
  3 インスリン分泌促進薬を乗せるなら
  4 立ち位置がよくわからないGLP-1受容体作動薬
  5 SGLT2阻害薬は禁断の果実か?
 第2章 食後高血糖を狙い打て!
  1 グリニド薬vs.α-グルコシダーゼ阻害薬
  2 3回飲まなきゃいけないの?
  3 α-グルコシダーゼ阻害薬と他剤のコラボ
  4 グリニド薬と他剤のコラボ
  5 こちらも食後を抑えます
 第3章 高齢者糖尿病の人生設計
  1 目標値はいくつか?
  2 DPP-4阻害薬からいきますか
  3 メトホルミンはどうでしょう
  4 高齢者でもインスリンは必要か?
  5 内服コンプライアンスと家族の手間を考える
 第4章 とにかく私はやせたいの〜肥満2型糖尿病の対策〜
  1 欧米化してメトホルミンからいきましょう
  2 違いがわかるGLP-1受容体作動薬
  3 SGLT2阻害薬はやせ薬ではありませんが,太りません
  4 身近にできるやせる対策
 第5章 糖毒性を解除せよ!
  1 発症初期の1型糖尿病
  2 2型糖尿病の強化インスリン療法
  3 空腹時血糖値200mg/dL以上,まず何からするべきか
  4 血糖値400mg/dL以上でも入院したくない患者さん
 第6章 そろそろ腎機能が悪化してきた!どうしよう?
  1 腎不全時の2型糖尿病治療ストラテジー
  2 腎不全でも使用可能な糖尿病治療薬
  3 eGFRを測定するべき糖尿病治療薬
  4 わかりやすい腎不全時のDPP-4阻害薬の選択
第2部 +αの知識とトリセツ〜さらなる血糖コントロールの境地を求めて〜
 1 心血管疾患を悪化させないための注意点
 2 認知症を悪化させないための注意点
 3 がんを避ける糖尿病診療のポイント
 4 低血糖を避ける糖尿病診療のポイント
 5 見逃せない歯周病〜多職種連携のポイント〜
 6 ステロイド投与時の血糖コントロール
 7 SPIDDMは1型とするか2型とするか
 8 血糖値とHbA1cのかい離をどう捉えるか
 9 正常血糖ケトアシドーシス
 10 インスリン・エコノミクス
 11 残心〜患者さんをやる気にさせる対話〜
索引

序文

 いま、糖尿病診療は激動の時代を迎えました。
 1921年にバンティング&ベストがインスリンを発見して以来、病態に基づいた医科学的糖尿病診療が行われてきましたが、最近20年間で種々の新たなメカニズムを介した糖尿病治療薬が開発され、血糖値やHbA1cを“どれだけ”下げるかではなく、“どのように”下げるかが問われる時代になりました。私が医師になりたての頃は、スルホニル尿素薬とヒトインスリン(R:速効型とNPH:中間型)しか臨床上使用されておらず、患者さんをいかに強化インスリン療法へと導き、厳格な血糖コントロールをさせるかが、糖尿病診療の醍醐味でした。しかし現在は、糖尿病の二大病態であるインスリン分泌能低下とインスリン抵抗性増大をそれぞれ改善する薬剤に加えて、糖吸収・排泄調節系を変化させることで、糖尿病の病態とは独立して高血糖を改善する薬剤も現れています。たくさんのツールを手に入れたと同時に、どのような患者さんにどの薬剤をどの順番で投薬することがベストなのか悩むことができる、贅沢な時代になったのです。
 さらに、糖尿病の三大合併症である網膜症、腎症、神経障害に加えて、心血管イベントをはじめとした動脈硬化性疾患を、いかに抑制しながら血糖コントロールを遂行するかが重要な命題と認識されるようになり、そのためには血糖値を下げるのみならず、低血糖や体重増加を避けられる治療ストラテジーを組めるかが問われるようになりました。また、がんや認知症といった患者さんの生命予後や生活の質を著しく損なう疾患も糖尿病と関連することがわかり、糖尿病診療においては血糖コントロールに留まらず、患者さんの“トータル・ケア”が重要といえます。
 今回、国内外の最新のエビデンスに私見をまじえ、野見山流の治療ストラテジーを一冊の本にまとめてみました。お読みいただいた医師や医療スタッフの皆様の診療に、少しでもお役立ていただければ幸いです。また、今回執筆の機会を与えてくださいました南江堂の皆様と、今まで私を教育してくださいました河盛隆造先生・柳瀬敏彦先生をはじめとした先生方、患者さんの皆様に心から感謝申し上げます。

2017年8月
野見山崇