書籍

クリティカルケア アドバンス看護実践

看護の意義・根拠と対応の争点

編集 : 山勢博彰
ISBN : 978-4-524-26829-0
発行年月 : 2013年6月
判型 : B5
ページ数 : 310

在庫あり

定価4,104円(本体3,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

高度な診療技術や侵襲的な処置が多く行われるクリティカルケアにおいて、看護師に求められる必須の技術と知識を、豊富な文献・根拠を基に解説。臨床で対応方法に議論のある「クリニカル・クエスチョン」に、エキスパートが根拠と臨床知をもって「myサジェスチョン」を提示する。クリティカルケアのベストプラクティスがわかる一冊。

序章 実践的クリティカルケア看護とは
1.実践的クリティカルケア看護とは
 A クリティカルケアを受ける対象の特徴
 B クリティカルケアにおける看護の役割
 C クリティカルケア看護師に求められる実践的能力
 D アドバンスな看護実践をするために
第1章 全身管理の技術
1.気管挿管介助と挿管後のケア
 A 気管挿管の目的
 B 看護師が気管挿管を介助する意義
 C 気管挿管介助の実際
  1 気管チューブの選択
  2 患者体位のポイント
  3 気管チューブ挿入時のポイント
  4 カフエア注入時のポイント
 D 気管挿管後のケアのポイント
  1 カフ圧の管理におけるポイント
  2 気管チューブ固定のポイント
2.気管切開介助と気管切開チューブの管理
 A 気管切開の目的
 B 看護師が気管切開を介助する意義
 C 気管切開の実際
  1 気管切開の種類
  2 気管切開の合併症
  3 気管切開の手技と介助
  4 気管切開患者の管理上の問題
3.人工呼吸器装着患者の管理
 ■人工呼吸器の装着
 A 人工呼吸器の装着の目的
 B 人工呼吸器装着中の看護の意義
 C 人工呼吸器装着中の看護の実際
  1 人工呼吸器の基本設定と換気モニタ
  2 換気の評価
  3 設定の評価
 D 人工呼吸器の換気モード
  1 一般的なモード
  2 換気様式
  3 特殊なモード
 ■グラフィックモニタ
 A グラフィックモニタの目的
 B グラフィックモニタを看護師が読み取る意義
 C グラフィックモニタの実際
  1 圧-時間曲線
  2 流量-時間曲線
  3 換気量-時間曲線
 ■血液ガス分析
 A 血液ガス分析と判断の目的
 B 血液ガス分析と判断を看護師が行う意義
 C 血液ガス分析と判断の実際
 ■ウィーニングと抜管後の管理
 A ウィーニングの重要性
 B ウィーニングの方法
  1 SBT(自発呼吸試験)
  2 ウィーニングプロトコル
 C ウィーニングの評価
 D 抜管とその後の管理
  1 抜管の評価(気道評価,カフリークテスト)
  2 非侵襲的陽圧換気療法(NPPV)
4.急性期呼吸リハビリテーションの実際
 A 急性期呼吸リハビリテーションの目的
 B 急性期呼吸リハビリテーションを看護師が行う意義
 C 急性期呼吸リハビリテーションの実際
  1 ポジショニング
  2 用手的呼吸介助
  3 胸郭可動域運動
  4 呼吸訓練
  5 関節可動域運動
5.口腔ケアの実際
 A 口腔ケアの目的
 B 口腔ケアを看護師が行う意義
 C 口腔ケアの実際
  1 アセスメント
  2 視野の確保
  3 ブラッシング
  4 洗浄もしくは清拭
  5 保湿のためのケア
6.経皮的心肺補助法の管理と実際
 A 経皮的心肺補助法の目的
 B PCPS管理を看護師が行う意義
  1 合併症の観察と対応
  2 主な合併症
 C PCPS管理とケアの実際
  1 機器の構造と管理上の注意点
  2 患者の全身管理
  3 PCPS挿入と離脱
  4 安全への対策
7.血液浄化法の実際
 A 血液浄化法の目的
 B 血液浄化法の管理を看護師が行う意義
 C 血液浄化法の実際
  1 血液浄化法の仕組み
  2 抗凝固薬
  3 バスキュラーアクセス
  4 血液浄化法の管理
8.栄養管理の実際
 A 栄養管理の目的
 B 栄養管理を看護師が行う意義
 C 栄養管理の実際
  1 栄養アセスメント
  2 栄養のプランニング
  3 血糖管理
  4 栄養投与の実際
  5 栄養評価
9.深部静脈血栓症予防の実際
 A 深部静脈血栓症予防の目的
 B 深部静脈血栓症予防を看護師が行う意義
 C 深部静脈血栓症予防の技術の実際
  1 早期離床および積極的な運動
  2 弾性ストッキング
  3 間欠的空気圧迫法
10.鎮痛・鎮静管理の実際
 A 鎮痛・鎮静管理の目的
 B 鎮痛・鎮静管理を看護師が行う意義
 C 鎮痛・鎮静管理の実際
  1 疼痛スケールと痛みの評価体制構築
  2 鎮静スケール(RASS)
11.脳低温療法の管理と実際
 A 脳低温療法の目的
 B 脳低温療法の管理を看護師が行う意義
 C 脳低温療法の看護の実際
  1 脳低温療法の種類と必要物品
  2 看護手順
第2章 ライン・カテーテル・ドレーン管理の技術
1.血行動態モニタリングの管理と実際
 ■観血的動脈圧モニタリング
 A 観血的動脈圧モニタリングの目的
 B 看護における観血的動脈圧モニタリング活用の意義
 C 観血的動脈圧モニタリングの実際(注意点)
 ■肺動脈カテーテルによるモニタリング
 A 肺動脈カテーテルによるモニタリングの目的
 B 看護における肺動脈カテーテル活用の意義
 C 肺動脈カテーテル管理の実際(特徴)
 ■低侵襲血行動態モニタリング
 A 低侵襲血行動態モニタリングの目的
 B 看護における低侵襲血行動態モニタリング活用の意義
 C 低侵襲血行動態モニタリング技術の実際
2.脳室・脳槽ドレナージの管理と実際
 A 脳室・脳槽ドレナージの目的
  1 脳室ドレナージ
  2 脳槽ドレナージ
 B 脳室・脳槽ドレナージの管理を看護師が行う意義
 C 脳室・脳槽ドレナージの管理の実際
  1 ドレーン管理
  2 感染管理
  3 患者ケア
3.胸腔ドレナージの管理と実際
 A 胸腔ドレナージの目的
 B 胸腔ドレナージの管理を看護師が行う意義
 C 胸腔ドレナージの管理の実際
  1 胸腔ドレーン挿入前に知っておきたいスキル
  2 気胸患者で不安徴候が強いときの対応
  3 胸腔ドレーン挿入による合併症
  4 ドレーン挿入時の観察ポイント
  5 ドレーン固定のしかた
  6 閉塞・屈曲の防止
  7 抜去の条件
  8 ドレーンによるトラブル
4.腹腔ドレナージの管理と実際
 A 腹腔ドレナージの目的
 B 腹腔ドレナージの管理を看護師が行う意義
 C 腹腔におけるドレナージの分類と実際
  1 目的別ドレナージ
  2 開放式ドレナージと閉鎖式ドレナージ
 D 腹腔ドレナージの管理の実際
  1 腹腔ドレナージの適応
  2 各ドレナージの管理の実際
  3 ドレーンの固定
  4 ドレーンの管理
第3章 創傷管理の技術
1.創傷洗浄・消毒の実際
 A 創傷洗浄・消毒の目的
 B 創傷洗浄・消毒を看護師が行う意義
 C 創傷洗浄・消毒の実際
  1 創傷洗浄
  2 創傷消毒
  3 創傷洗浄・消毒のスキル
2.デブリードマン介助の実際
 A デブリードマンの目的
 B デブリードマン介助を看護師が行う意義
 C デブリードマン介助の実際
  1 デブリードマンの種類
  2 デブリードマン時の創の評価
  3 デブリードマンのスキル
第4章 画像評価の技術
1.X線単純撮影検査と判断の実際
 A X線単純撮影検査の目的
 B X線単純画像を看護師が読みとる意義
 C X線単純撮影検査の注意点
  1 X線単純画像の評価に向けて
  2 読影時のリスクマネジメント
  3 X線単純撮影時の介助のポイント
 D 胸部X線単純画像の読影の実際
  1 肺野透過性の亢進
  2 胸水
  3 気胸
  4 皮下気腫
  5 その他,胸部X線単純画像でわかること・知るべきこと
 E 腹部X線単純画像の読影の実際
  1 腸閉塞の所見:ニボー,腸管ガス管
  2 消化管穿孔の所見:腹腔内遊離ガス(フリーエア)
  3 その他,腹部X線単純画像でわかること・知るべきこと
2.CT検査と判断の実際
 A CT検査の目的
 B CT検査の看護における意義
 C CT検査の実際
  1 CT検査時の介助
  2 有害反応の説明と問診,有害反応の観察
 D CT画像の読影の実際
  1 頭部CT検査の読影
  2 胸部CT検査の読影
  3 腹部CT検査の読影
3.エコー検査と判断の実際
 A エコー検査の目的
 B エコー画像を看護師が読みとる意義
 C エコー検査の実際
  1 エコー検査の準備
  2 エコー検査の基本
  3 心エコー検査の目的
  4 心エコー検査の所見
  5 腹部エコー検査の目的と所見
[付録] クリティカルケア領域で必須の指標
 A 中枢神経系に関する評価指標
  1.意識障害の重症度評価
  2.鎮痛スケール
  3.鎮静スケール
  4.せん妄の診断スケール
 B 呼吸に関する評価指標
  1.酸素化能
  2.ウィーニングに関する評価指標
  3.人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防指針
  4.NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)の適応
 C 循環に関する評価指標
  1.急性心不全の重症度評価
  2.敗血症に関する評価・治療指針
  3.肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症の予防に関する指標
 D 多臓器不全の評価指標
  1.SOFAスコア
  2.ARDS(急性呼吸窮迫症候群)診断基準:ベルリン定義

命にかかわる重症患者を対象とするクリティカルケアでは、集中治療を行うための高度な診療技術や侵襲的処置が多い。看護師の業務も、日常生活援助に比べ、身体管理、処置介助、注射薬の投与などの看護実践が多くを占める。こうした実践は、基本的な看護の知識と一般的な看護技術だけでまかなえるわけではなく、より専門的な知識と技術が求められる。しかも、医療技術は日々進歩しており、常に新しい実践に目を向ける必要がある。また、看護界では「看護師特定能力認証制度」が話題になっており、医療行為における看護の役割が拡大することが予測される。医療行為が多いクリティカルケアでは、看護師が特定行為を実施する可能性がどの領域よりも高く、より専門性の高い看護実践に注目が集まることになる。
 本書は、クリティカルケアにおけるこのような専門的かつ先進的な看護実践技術を解説した専門書である。本書の編集にあたり、次の2点を基本コンセプトとした。
 1つは、専門性の高い看護実践に焦点を当て、目的と看護の意義を踏まえて高いケアスキルのポイントを解説したことである。本書のタイトルにある「アドバンス」はここに由来している。解説には、国内外の文献から導いたエビデンスを随所に入れた。クリティカルケアではチーム医療がより求められるため、医師との協働作業が円滑に実践できるよう、医師が実施する医療行為も網羅した。
 2点目は、臨床で迷いやすい実践上の疑問を「クリニカル・クエスチョン」として取り上げ、その回答を「myサジェスチョン」として解説したことである。執筆者自身が臨床で経験している実際の方法やコツ、文献に基づいた根拠などを紹介しながら理解が進むように工夫した。
 各項目で解説した内容には、かなり専門的な事柄も含まれているため、看護の初学者にとっては難しいイメージをもたれるかもしれない。しかし、クリティカルケアという専門性の高い現場で看護実践を磨くには、本書で紹介した知識が必要となることも多いはずである。もちろん、ベテランの看護師や認定看護師・専門看護師、さらにそれを目指す人にとっては、非常に利用価値の高い専門書になったと自負している。クリティカルケアまたは救急領域の認定看護師や専門看護師の教育では、良きテキストにもなるだろう。クリティカルケアに携わる看護師が、本書を手にすることによって、より質の高い看護実践を提供することができれば幸いである。

2013年6月
山勢博彰