書籍

中心静脈ポートの使い方改訂第2版

安全挿入・留置・管理のために

編著 : 荒井保明/森田荘二郎/谷川昇/間中大/竹内義人/稲葉吉隆/新槇剛
ISBN : 978-4-524-26796-5
発行年月 : 2014年8月
判型 : 新書
ページ数 : 168

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

ポートシステムを安全に使いこなすために必要な知識をコンパクトにまとめた好評書の改訂版。ポートの概念・種類から、留置の基本、各社製品の特徴や注意点、トラブルシューティング、さらには不具合の取扱いまでを解説。巻末には、製品一覧、造影CTに関する添付文書記載内容、ポート関連手技料保険関連資料を収録。ポートに携わる医師・メディカルスタッフ必携の一冊。

I ポートとは.定義、歴史、構造、利点と欠点
 A.定義
 B.歴史
 C.構造
 D.利点と欠点
II ポート留置の基本
 1 留置の基本
  A.準備
  B.手技の注意点
  C.カテーテル先端位置
  D.その他の注意点
 2 鎖骨下静脈留置
  A.長所・短所
  B.留置方法
  C.留置に際しての注意点
  D.有害事象への対応
 3 内頸静脈留置
  A.長所・短所
  B.留置方法
  C.留置に際しての注意点
  D.有害事象への対応
 4 前腕部留置
  A.長所・短所
  B.留置方法
  C.留置に際しての注意点
  D.有害事象への対応
 5 上腕部留置
  A.長所・短所
  B.留置方法
  C.留置に際しての注意点
III 各社ポートの挿入法、特徴、注意点
IV ポートの管理方法
 A.ポート穿刺に使用するべき針
 B.穿刺時の消毒
 C.穿刺にあたっての注意点
 D.針の固定
 E.薬液注入ポンプ
 F.ポート使用の実際
 G.ポート使用後の抜去方法
V 合併症とその対策
 1 まず合併症に気づく
 2 感染対策
 3 滴下不良・閉塞
 4 カテーテル先端の逸脱
 5 カテーテル断裂時の対応
 6 薬液漏れ
 7 皮膚欠損
 8 静脈血栓
 9 フィブリンシース
VI Q&A.トラブルシューティング
VII 不具合の取り扱いと一般的な流れ
 A.不具合とは
 B.不具合報告制度とその目的
 C.報告対象と報告様式
 D.不具合の評価と情報提供
付録1 ポート製品一覧
付録2 造影CTに関する添付文書記載内容
付録3 ポート関連手技料保険関連資料
 A.在宅医療
 B.注射
 C.第2款 無菌製剤処理料
 D.手術
索引

血管内に留置したカテーテルと接続してシステム全体を皮下に埋没する器具であるポートがこの世に出現して30年以上が経過した。変革の激しい医療機器の世界では、むしろ古典的な器具の類に属するかもしれない。わが国で爆発的に使用されるようになった契機は、大腸癌の化学療法におけるFOLFOX療法の導入であった。しかし、使ってみれば、その便利さが理解され、以後FOLFOX療法に限らず様々な化学療法に、そして化学療法以外の治療にも使用されるようになった。今や、外来化学療法や在宅療法を行ううえで、「なくてはならない」医療機器となっている。
 このように診療上なくてはならない医療機器となったポートであるが、困った点もある。それは、シンプルであるがゆえに、誰でも「何とか使うことができる」という点である。しかし、医療機器は「何とか使うことができる」と「本当に使いこなす」とでは、結果に雲泥の差が生じる。そして、まずいことに、そのしわ寄せは必ず患者さんに跳ね返ってくる。
 この結果、ポートが普及するにつれて、これを取り扱う各企業に種々のクレームや質問、あるいは不具合の報告が寄せられることとなった。いくら単純な構造の機器とはいえ、「何とか使うことができる」というレベルで、互いの情報交換もなく、自己流でポートを使用していれば、これは当然の結果である。幸い、わが国には肝動注化学療法という特殊な治療に携わり、長年ポートを扱ってきた熟練医がいたため、企業は彼らに相談したが、実は企業に寄せられた種々の問題は、「ほんの少し知っていれば、問題は起こらなかった」という類のものばかりであった。
 そこで、各企業が連携して、ポートのノウハウについての解説書を作ろうという企画が持ち上がった。特筆すべきは、これが特定の企業単独ではなく、企業が連携してという点であり、ともすれば営利が優先しそうな領域で、「患者さんのために、ポートをよりよく使ってもらいたい」という企業の姿勢に、相談を受けた熟練医も共感した。さらに、それならば医療機器の安全確保の要である行政側にも参加してもらい、現時点で最も現場に即した解説書にしようということになった。
 こうしてまとめられたのが本書であり、言うまでもなく、その目的はこの単純な医療機器である中心静脈ポートを「本当に使いこなし」、ポートの恩恵を最大限患者さんに提供していただくことにある。2008年10月に初版が発行され、多くの医療従事者に歓迎されたことを踏まえ、今回さらに内容を充実させ、改訂版を発刊することとなったが、本書の目的は何ら変わるものではない。このような熱意は伝わり、本書が真に患者さんのためになるポートの普及に役立つことを願って止まない。

2014年7月
荒井保明