書籍

よくわかる人工呼吸管理テキスト改訂第6版

編集 : 並木昭義/氏家良人/升田好樹
ISBN : 978-4-524-26793-4
発行年月 : 2014年1月
判型 : B5
ページ数 : 338

在庫あり

定価5,184円(本体4,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文

人工呼吸管理の知識と技術をわかりやすく網羅した定本の改訂第6版。人工呼吸管理を円滑に行うための一般的知識から実際的知識や技術、症例ごとの特殊性などをわかりやすく解説。今改訂では、「人工呼吸セミナー」の現役講師に合わせ執筆者が交代し、図表を増やして2010年以降の最新知見を盛り込んだ。コメディカルスタッフ、若手医師に向けた短時間で読めて臨床にすぐ役立つ一冊。

第I章 総論
 1.人工呼吸管理とチーム医療
  A.医療チーム
  B.人工呼吸に携わる医療従事者
  C.患者および家族に対する支援
  D.チーム医療の向上を目指して
 2.人工呼吸管理の歴史と新しい方向性
  A.人工呼吸管理の夜明け
  B.間欠的陽圧換気法とその対象疾患
  C.調節呼吸から自発呼吸を交えた換気方法へ
第II章 人工呼吸管理の基礎知識
 1.呼吸生理と呼吸不全の病態生理
  A.呼吸の解剖・生理
  B.血液ガス分析の基礎とその解釈
  C.呼吸不全の病態生理
 2.人工呼吸器とその作動方式
  A.人工呼吸器の基本構造
  B.人工呼吸の各時相とその作動方式
第III章 人工呼吸管理の実際
 1.人工呼吸の適応と人工呼吸器の設定
  A.人工呼吸の適応
  B.人工呼吸の開始基準
  C.人工呼吸器の設定
 2.人工呼吸モードとその適応
  A.調節機械換気
  B.補助換気
  C.間欠的強制換気
  D.自発呼吸
  E.高頻度換気
  F.高頻度振動換気法
  G.吸気呼気比逆転換気、permissive hypercapnia、非侵襲的陽圧換気および部分液体換気
  H.人工呼吸管理の新しい方向性
 3.非気管挿管下の人工呼吸管理
  A.NPPVの概要
  B.NPPVの適応
  C.NPPVの機器
  D.NPPV 導入と離脱
  E.体外式人工呼吸の機器
  F.今後の課題
 4.人工呼吸中のモニタリングとトラブル対処
  A.人工呼吸管理中のモニタリング
  B.人工呼吸器のモニタリング
  C.トラブルと対処法
 5.人工呼吸中の気道管理
  A.気管挿管の適応と注意点
  B.気管挿管に伴うトラブルと対策
  C.気道の生理的機能をバイパスすることによるトラブルと対策
 6.人工呼吸中の感染対策
  A.人工呼吸中の感染症の特徴
  B.人工呼吸中の感染の成立
  C.人工呼吸器関連肺炎
  D.感染の診断
  E.感染の原因菌
  F.感染対策
 7.人工呼吸中の鎮静対策
  A.人工呼吸中の鎮静の目的
  B.鎮静に用いられる薬剤
  C.各病態における人工呼吸中の鎮静法
 8.人工呼吸中の看護−成人
  A.人工呼吸器装着中の患者のアセスメント
  B.人工呼吸が身体へ与える影響
  C.基本的欲求充足に向けての援助
 9-1.小児の人工呼吸の特徴
  A.人工呼吸管理の準備
  B.人工呼吸中の主な観察点
  C.おわりに
 9-2.人工呼吸中の看護−小児
  A.身体的ケア
  B.精神的ケア
 10.人工呼吸からのウィーニング
  A.ウィーニングの変遷
  B.ウィーニングの実際
  C.ウィーニングの失敗と対処法
  D.人工呼吸期間を短縮する戦略
 11-1.人工呼吸中の呼吸理学療法−基礎編
  A.呼吸理学療法とは
  B.各手技の目的と方法
  C.Progressive MobilityとABCDEバンドル
 11-2.人工呼吸中の呼吸理学療法−臨床編
  A.ICUにおける呼吸理学療法
  B.疾患別呼吸理学療法
  C.近年の腹臥位療法の動向
  D.呼吸理学療法とチーム医療
 12.人工呼吸器の保守点検
  A.保守管理体制の必要性
  B.保守管理体制の実際
  C.人工呼吸器の各種点検
  D.人工呼吸器の具体的な点検項目
 13.RCT(respiratory care team)
  A.RCTとは
  B.RCTの目的
  C.RCT立ち上げ
  D.RCTの活動内容
  E.RCTのリスクマネジメント
  F.地域医療への貢献
  G.おわりに
第IV章 体外式膜型人工肺(ECMO)
  A.ECMOの導入基準
  B.ECMOの施行のための種々の機器選択
  C.ECMOセットアップの手順
  D.ECMOの管理
  E.ARDSに対するECMOの未来
  F.おわりに
第V章 症例から学ぶ人工呼吸管理
 1.ARDS患者の人工呼吸管理
  A.ARDS(急性呼吸促迫症候群)の診断と病態
  B.ARDSの人工呼吸管理の特徴
  C.その他の人工呼吸・ガス交換方法
  D.ARDSの薬物治療
 2.外傷に伴う呼吸不全
  A.頭部外傷
  B.頚髄損傷
  C.胸部外傷
  D.腹部外傷
  E.骨折
  F.多発外傷
  G.輸血
  H.その他
 3.COPDと気管支喘息の呼吸管理
  A.COPDと気管支喘息の急性増悪時の呼吸管理の原則
  B.COPDの人工呼吸療法
  C.気管支喘息の呼吸管理
 4.高齢者の人工呼吸管理
  A.考慮すべき高齢者特有の問題点
  B.高齢者呼吸不全の特徴
  C.高齢者の人工呼吸管理上の注意点
 5.新生児の人工呼吸管理
  A.中枢性無呼吸
  B.呼吸促迫症候群
  C.胎便吸引症候群
  D.先天性横隔膜ヘルニア
  E.先天性心疾患
 6.在宅人工呼吸管理
  A.長期人工呼吸の選択肢
  B.在宅人工呼吸コーディネート
  C.在宅サポートチーム
  D.フォローアップ
  E.今後の課題
第VI章 各種人工呼吸器−その特徴と使用方法
 1.人工呼吸器回路の基本とその管理
  A.呼吸回路について
  B.人工呼吸器回路の構成部品
  C.呼吸回路の管理
 2.各種人工呼吸器
  1)ニューポートベンチレータ モデルe360
  2)インファントベンチレータ SLE5000
  3)サーボベンチレータ Servo i
  4)ベンチレータ Puritan Bennett 840
  5)V60ベンチレータ
  6)ラップトップベンチレータ LTV1200
  7)Evita Infinity V500
  8)搬送用人工呼吸器 パラパック 200DMRI
  9)集中治療用人工呼吸器 HAMILTON-G5
  10)Trilogy02
第VII章 人工呼吸管理で使用される記号、略語とその解説
索引

急性、慢性を問わず、呼吸不全患者に対して人工呼吸管理を円滑に行っていくためには、医師だけでなく看護師をはじめ理学療法士、臨床工学技士、さらに医療器械メーカーの方々を含めたチーム医療が必要である。そのためには呼吸療法に関わる方々が同じ場所に集まり、研修を受けながらお互いの役割を確認し合うことが大切である。そのような趣旨で発足したのが「人工呼吸セミナー」であり、北海道呼吸管理研究会が24年にわたって開催してきた。このセミナーは人工呼吸管理を適切に指導し、広めたいとする講師陣と、人工呼吸管理の知識、技術を正しく習得したいという医師、看護師、さらに理学療法士や臨床工学技士の方々、そして自社の人工呼吸器を的確に紹介し、安全に使用してもらいたいとする医療器械メーカーの方々の一致した熱意と願望に基づいて行われてきた。講師陣は本書の執筆者であり、北海道内の各大学および基幹病院の臨床の場で実際に活躍している医師、看護師、理学療法士、臨床工学技士の方々である。このセミナーのテキストとして本書第1版を1997〜2000年、改訂第2版を2001〜2003年、改訂第3版を2004〜2006年、改訂第4版を2007〜2009年、そして改訂第5版を2010〜2013年まで使用してきた。しかし、最近の人工呼吸管理に関する知識、技術の進歩は著しく、そして人工呼吸器も改良あるいは新しくなり、受講者の要望にも変化がみられていることから、このたび講師陣を充実させて改訂第6版を出版することにしたわけである。
 本書は大きく7章に分かれる。各項目の内容が容易に理解できるよう覚えるべきPointsを明示し、写真および図表を多用する。
 I章は「総論」で2項目(チーム医療と、歴史と新しい方向性)、II章は「人工呼吸管理の基礎知識」で2項目(呼吸生理と呼吸不全の病態生理、人工呼吸器と作動方式)、III章は「人工呼吸管理の実際」で13項目(人工呼吸の適応と呼吸器の設定、人工呼吸モードと適応、非気管挿管下の管理、患者モニタリング、トラブル対処法、気道管理、感染対策、鎮静対策、成人と小児の看護、ウィーニング、呼吸理学療法の基礎と臨床、保守点検、新項目のrespiratory care team)、IV章は新設の「体外式膜型人工肺(ECMO)」、V章は「症例から学ぶ人工呼吸管理」で6項目(ARDS、外傷、COPD・喘息、高齢者、新生児、在宅患者)を取り上げた。この項目ではまず症例提示を行い、そしてその病態に対する人工呼吸管理についてまとめた。VI章は「各種人工呼吸器−その特徴と使用方法」で2項目(人工呼吸器回路の基本とその管理、各種人工呼吸器)を取り上げ、8社10種類の人工呼吸器について、各医療器械メーカーの担当責任者の方々がそれぞれ特徴、使用法、組み立て手順、注意すべき点を分かりやすく解説した。VII章は本書の理解と利用しやすさを考え、人工呼吸管理で使用される「記号、略語とその解説」とした。
 以上、本書は人工呼吸管理に携わっている方々の間で通用する知識、技術や操作など実際面のこと、そして患者への対応など、すべてのことを網羅したつもりである。人工呼吸管理のことを学びたい人、および現場で働いている人に、共通の書として大いに利用され、役立てば幸いである。本書が長きにわたり多くの読者から好評を得ていることを喜ばしく思う。

2014年1月
並木昭義