書籍

患者さんとともに理解するCKDと血液透析

Q&Aで理解する

: 門川俊明
ISBN : 978-4-524-26616-6
発行年月 : 2015年7月
判型 : B5
ページ数 : 150

在庫あり

定価3,024円(本体2,800円 + 税)


  • 商品説明
  • 主要目次
  • 序文
  • 書評

「慢性腎不全と診断された人がどうしたら透析導入を延期できるか」「どうしたら不安なく透析を始められるか」など正確な透析の知識について、読みやすいQ&A形式で、本領域の第一人者が初心者向けにやさしく解説。透析室スタッフ、腎臓内科医、透析医だけでなく、患者とその家族にもおすすめ。

第1章 CKD(慢性腎臓病)とは何ですか?
 Q1 腎臓はどのような働きをしていますか?
 Q2 血清クレアチニンとは何ですか?
 Q3 GFR(糸球体濾過量)とは何ですか?
 Q4 eGFRとは何ですか?
 Q5 尿蛋白はどのように考えたらよいでしょうか?
 Q6 CKDとは何ですか?
 Q7 慢性腎不全と急性腎不全とは何でしょうか?
 Q8 透析をしている人はどのくらいいますか?
 Q9 透析導入の原因となる主な疾患は何ですか?
 Q10 CKDの経過はどのようでしょうか?
 Q11 CKDの重症度分類とは何ですか?
 Q12 CKDは治るのでしょうか?
 Q13 CKDは腎臓専門医に診てもらったほうがよいのでしょうか?
 Q14 CKDの症状を教えてください
 Q15 CKDの検査データの読み方を教えてください
第2章 CKDの治療.透析導入を遅らせるために.
 Q16 CKDの治療について教えてください
 Q17 原因疾患に対する治療を教えてください
 Q18 高血圧の管理目標を教えてください
 Q19 家庭での血圧のはかり方を教えてください
 Q20 高血圧に対する治療を教えてください
 Q21 腎性貧血の治療を教えてください
 Q22 利尿薬はどのようにして使いますか?
 Q23 クレメジンはどのように使いますか?
 Q24 カルシウム,リンの異常に対する治療を教えてください
 Q25 高カリウム血症に対する治療を教えてください
 Q26 高尿酸血症に対する治療を教えてください
 Q27 糖尿病に対する治療を教えてください
 Q28 CKDの食事療法を教えてください
 Q29 CKDで気をつけなければいけない薬はありますか?
 Q30 CKD患者が生活で注意することを教えてください
第3章 透析導入に向けての準備
 Q31 透析になるまでの流れを教えてください
 Q32 ぎりぎりまでシャントをつくるのを待ちたいのですが
 Q33 透析に向けて不安が大きいです
 Q34 家族はどうしたらよいでしょうか?
 Q35 透析は一度始めたら,一生続けなければいけないのですか?
 Q36 透析をすれば,病気が治るのでしょうか?
 Q37 透析をしていても,子どもを産むことはできますか?
 Q38 透析を始めても,働くことはできますか?
 Q39 透析時間や曜日は変更できますか?
 Q40 通院ができそうもないのですが,透析はできますか?
 Q41 透析開始しても旅行にいけますか?
 Q42 いつ透析導入になるのでしょうか?
 Q43 血液透析以外の選択肢にはどのようなものがありますか?
 Q44 腹膜透析とはどのようなものですか?
 Q45 腎移植とはどのようなものですか?
 Q46 在宅血液透析とはどのようなものですか?
 Q47 シャントとは何ですか?
 Q48 シャントをつくる部位はどこですか?
 Q49 シャント手術はどのようにしておこないますか?
 Q50 シャントで気をつけることは何でしょうか?
 Q51 シャントはいつつくりますか?
 Q52 シャント以外のバスキュラーアクセスにはどのようなものがありますか?
第4章 血液透析の基礎知識
 Q53 血液透析とはどのような治療法ですか?
 Q54 血液透析の原理を教えてください
 Q55 血液透析の役割を教えてください
 Q56 透析液について教えてください
 Q57 抗凝固薬とは何ですか?
 Q58 HDとHDFの違いについて教えてください
 Q59 オンラインHDFとは何でしょうか?
 Q60 週に何回,何時間の透析を受けるのですか?
第5章 透析導入
 Q61 透析導入はどのようにおこなうのですか?
 Q62 外来透析施設はどのように選べばよいですか?
 Q63 透析のスタートから終わりまでを教えてください
 Q64 患者さんが用意するものは何ですか?
 Q65 透析中はどのように過ごすのですか?
 Q66 どうやって止血するのですか?
 Q67 導入期の透析は,どのようなことに気をつけたらよいでしょうか?
 Q68 導入期の食事はどうしたらよいでしょうか?
 Q69 透析患者の社会保障制度について教えてください
第6章 安定した透析を送る
 Q70 安定した透析生活を送るコツを教えてください
 Q71 毎回の除水量はどうやって決めますか?
 Q72 ドライウエイトとは何ですか?
 Q73 心胸比とは何ですか?
 Q74 ドライウエイトの調節はどのようにしますか?
 Q75 週末,中2日となるときの注意点は何ですか?
 Q76 透析間の体重増加が多くて食事を減らしたのですが?
 Q77 透析量とは何ですか?
 Q78 透析量はどうやって調整するのですか?
 Q79 透析の回数を減らすか,時間を短縮する方法はないですか?
 Q80 ダイアライザーはどのように選ぶのでしょうか?
 Q81 維持透析期の食事について教えてください
 Q82 糖尿病で透析している人の注意を教えてください
 Q83 長期の合併症にはどのようなものがありますか?
 Q84 貧血のマネジメントを教えてください
 Q85 カルシウム,リン代謝異常のマネジメントを教えてください
 Q86 高カリウム血症のマネジメントを教えてください
 Q87 かゆみ対策を教えてください
 Q88 便秘対策を教えてください
 Q89 透析アミロイドーシス対策を教えてください
 Q90 心不全対策を教えてください
 Q91 高血圧のマネジメントを教えてください
 Q92 感染症対策を教えてください
 Q93 血液透析患者さんの検査データの読み方について教えてください
 Q94 透析患者の生活上の注意は何がありますか?
 Q95 旅行をしたいのですが
 Q96 健康食品を利用したいのですが
 Q97 シャントはどうやって観察するのですか?
 Q98 日常でシャントで注意することはありますか?
 Q99 シャントトラブルにはどのようなものがありますか?
 Q100 シャント再建はどうやってやるのですか?
 Q101 透析時の血圧低下対策について教えてください
 Q102 透析室でのトラブルにはどうやって対処しますか?
 Q103 家庭でのトラブルにはどうやって対処しますか?
 Q104 災害のときはどうしたらよいでしょうか?
索引

まえがき

 本書は、CKD(慢性腎臓病)と血液透析について書いた本です。対象は、CKDの患者さん(特に将来透析が必要といわれている方)や血液透析を受けている患者さんです。患者さんが自分の病気のことを知って、治療に参加してもらうことを目標にしています。また、それらにかかわる医療者の方にも読んでいただきたいです。CKDや血液透析の知識を整理するにも最適だと思いますし、患者さんに指導をする際に使うテキストとして使っていただければありがたいです。
 本書では、将来透析になる可能性のあるCKD、透析導入、維持透析といった、CKDのすべてのステージを網羅しています。
 CKDはまさにチーム医療が必要とされる疾患です。医師のみでなく、看護師、栄養士、薬剤師、ソーシャルワーカー、臨床工学技士、といったさまざまな医療職種が治療に参加します。また、CKDは自己管理が大切なため、患者さん自身も積極的に病気のことを理解し、チーム医療の中心にいることを意識することが大切です。「あなたは将来、透析が必要になるかもしれない」といわれた患者さんの多くは、透析に対して強い拒否反応を示し、透析だけは避けたいと考えます。しかし、現在の日本の透析の技術水準は世界のトップにあり、日本でも31万人を超える多くの方が透析治療を受けていて、そのなかには、海外旅行へいったり、ゴルフをしたり、仕事や学業を継続するなど、健常人に近い生活を送っている方がたくさんいることも事実です。透析を20年以上続けている方も全国で2万4,000人を超えました。ただ闇雲に透析治療を怖がるのではなく、本書を通じて、透析治療のことを理解することが大切です。
 かなりの分量ですので、まずは、自分がかかわる章から読み始めるとよいでしょう。
 ●CKDと診断された方→第1章〜第3章
 ●透析が間近になった方→第3章〜第5章
 ●すでに透析を始めている方→第4章〜第6章
 を中心に読んでいただけるとよいかと思います。
 はじめて透析のことを知る患者さんには、特に第6章などは難しく感じるかも知れません。しかし、実際に、透析が始まれば、知らなければいけないことですので、具体的な薬剤名も含め、なるべく詳しく書きました。理解が難しい点は、ぜひ医療チームメンバーといっしょに読むことで、お互いの理解を含めていただきたいです。
 本書を通じて、患者さんが自分の病気のことについて知ってもらうとともに、本書が、患者さんと透析スタッフの橋わたしになってくれれば、こんなにうれしいことはありません。
 本書では、主に成人のCKDの患者さんを対象にしています。子どものCKDでは、血液透析より腎移植や腹膜透析が選択されることが多いなど、大人のCKDと治療法も異なってきます。また、透析が必要になったときの選択肢としては、血液透析以外に、腹膜透析、腎移植という選択肢もありますが、スペースが限られていますので、本書では、腹膜透析、移植に関しては簡単に述べるにとどめ、多くの方が治療法として選択される血液透析を中心に話を進めていきます。
 本書がCKD、および、血液透析治療を開始される患者さんのお役に立つことを心から願っています。

2015年5月
門川俊明

 日本透析医学会では、長年にわたって「わが国の慢性透析療法の現況」を報告してきた。このデータベースは、全国の透析施設におけるスタッフの方々の協力で成り立っている。わが国においては、慢性透析療法を受けている患者さんが31万人を超え、高齢化が進むとともに、糖尿病性腎症による慢性腎臓病(CKD)からの導入が増加しているのが特徴である。透析療法に関する技術の進歩により、透析患者さんの生命予後が著しく改善している。20年以上にわたって透析を継続している患者さんも2万4千人を超えた。しかし、長期透析に伴う合併症対策が重要になってきた。
 透析療法は、医師、看護師、臨床工学技士、ソーシャルワーカーおよび管理栄養士などの多職種によるチーム医療が基本である。休日の少ない透析医療に関与する皆さんの献身的な努力には頭が下がる思いである。このような透析スタッフの思いに答えるためには、透析患者さんも透析を取り巻く環境を理解し、協力的な態度で接していただきたい。その意味でも、門川俊明先生が執筆された「患者さんとともに理解するCKDと血液透析」は、患者さんの視点から記載されており、わかりやすい内容となっている。透析スタッフとの勉強会でも利用できるように工夫されている。本書を参考にして、安全で安心な透析医療が行われることを願ってやまない。

臨床雑誌内科117巻4号(2016年4月増大号)より転載
評者●東京女子医科大学第四内科教授・日本透析医学会理事長 新田孝作